Liverpool Mohamed Salah Harvey Elliott Napoli 2022-23Getty Images

残念なプレーに残念な準備…クロップに解決できるのか?完敗のリヴァプール「勝者」と「敗者」

リヴァプールがナポリに1-4完敗。今季のチャンピオンズリーグ(CL)は最悪の形で始まった。1966年以来、ヨーロッパ大会で最悪の敗戦だ。オープニングマッチで恥をかかされた。特にジョー・ゴメス、フィルジル・ファン・ダイクにとっては忘れられない夜になったはずだ。

ルイス・ディアスの見事なシュートで1点はたしかに返した。だが、これがこの夜で唯一ポジティブだったものである。この試合は、シーズン序盤にユルゲン・クロップ監督が抱えるすべての問題を露呈していた。

取材・文=ニール・ジョーンズ(『GOAL』リヴァプール番記者)

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    試合の勝者

    ■ルチアーノ・スパレッティ(ナポリ監督)

    キックオフ前にクロップと挨拶を交わした時、満面の笑みを浮かべていたのも不思議ではない。これから何が起きるのか、わかっていたのかもしれない。

    ナポリは素晴らし方。リヴァプールの恐ろしいほど高いDFラインを何度も露呈させ、シャープでクレバーで、落ち着きと信念を持って質の高いプレーを連続させた。選手たちは素晴らしかったが、そのタッチラインには彼の存在があったのだ。

    ■ルイス・ディアス(リヴァプール)

    少なくとも彼だけは、最後まで信じているように思えた。時間の経過とともに一匹狼となり、彼の野心とゴールは、トラウマを抱えたチームメイトとは対照的にとても際立っていた。

    このような夜にリヴァプールから「勝者」を選ぶのは馬鹿げた話だが、もし彼らの中で「勝者のメンタリティ」を示した選手がいるとすれば、ディアスしかいない。他の選手達は「自分はどこにいたのか」と自問自答する必要があるだろう。

    ■チアゴ・アルカンタラ(リヴァプール)

    このスペイン代表は、レッズを救うことができるだろうか? 開幕戦で負傷して以降、この試合の後半が待望の復帰となっている。

    彼が出場した時には試合は終わっていたが、少なくとも食らいつき、コントロールし、いつものように気品あふれるプレーを見せた。すべてのデュエルに勝利し、ネガティブな夜の中にも明るい希望をわずかに見せている。

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  • Jurgen-Klopp(C)Getty Images

    試合の敗者

    ■ユルゲン・クロップ(リヴァプール監督)

    リヴァプールのボスはこれまで、自チームの問題の大きさをまだ認識していなかったのかもしれない。だが今夜、間違いなく理解しただろう。

    レッズに何が起きたのか? それはクロップに解決できるのか? この2つの疑問は今すぐ検証すべきだ。この敗戦、そして何よりもこの姿勢は警鐘を鳴らすべきである。たしかに以前にも、リヴァプールは欧州の舞台でお粗末な姿を見せたことがある。だが今夜の前半ほど、無気力に見えたことはほとんどない。ピッチ上のプレーが残念だっただけでなく、応用力や組織力、試合運びから判断するに、準備の面も残念だったのだろう。

    それは選手だけでなく、監督やスタッフの責任でもある。現在彼らが何に取り組んでいるにせよ、それはうまくいっていない。それがよくわかる一夜だった。

    ■ジョー・ゴメス(リヴァプール)

    今季リヴァプール守備陣の中心に戻ったゴメスだが、ナポリでは完全なる恐怖を味わった。どこから手を付ければいい? ヴィクター・オシムヘンに1分以内にポスト直撃のシュートを許したシーン(オフサイドの判定)は最悪で、ボールに固執してファン・ダイクのライン上クリアがなかったらさらなる失点を招いていた。3失点目も相手に全く対応できていない。

    不調に喘ぎ、ナーバスで、自分のゲームを把握できない彼の姿は見ていて痛々しかった。決して彼だけではなかったが、あまりに顕著だった。ハーフタイムの交代は、指揮官の慈悲にも思えた。

    ■ジェームズ・ミルナー(リヴァプール)

    リヴァプールにとって素晴らしい存在であることは間違いない。だが、苦戦していることだけは確かだ。中盤での経験や機転を求められる中で、何も提供できていない。もちろん試合への努力という点では不足ないのだが、若くてシャープな相手には36歳という年齢を露呈している。

    60分間よく奮闘していた。しかし、こういった重要なゲームに出るのはしばらく先になりそうだ。

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