本拠地アンフィールドでも遠藤が交代準備を始めると大歓声が上がり、気持ちよく「ワータル~(エンドー!)、彼は日本人(エンドー!)、3番を背負い(エンドー!)、リーグタイトルを勝ち取る(エンドー!)」とのチャントを大合唱することが恒例に。ある種“カルトヒーロー”として愛されている。
では、なぜ遠藤はここまでリヴァプールの人々に愛されるのだろうか? イアン・ラッシュ氏は、リヴァプールという街の文化的背景が大きいと指摘する。
「リヴァプールは主に、労働者階級のファン・サポーターが多いんです。だからこそ、選手に対しては100%を求めています。それができない選手はあまり応援されないクラブです。遠藤選手は何事にも100%コミットしていて、それはピッチ上でもわかりますよね。そういったこともあって、ファンに心から愛されているんだと思います。たとえ才能があっても、100%やっていない、全部出しきっていない選手はあまり応援できないですよね? 遠藤選手はそうした心配がまったく必要ないんです」
そうした遠藤の姿勢を高く評価するレジェンドは、新シーズンも変わらぬ献身に加えて、スロット監督に「嬉しい悲鳴」を上げさせることを期待しているようだ。
「彼にはしっかりとアピールしてもらって、自分の立ち位置を強固なものにして欲しいと思っています。彼は複数のポジションをこなすことができる柔軟性の高い選手です。先発するしないにかかわらず、監督にとっては『夢のような選手』。そこは変わらないでほしいですし、変わらないと思います」
「そしてサポーターの視点から言えば、長いシーズンの中で色々と状況は変わっていくかもしれませんが、多くの人が残留してほしいと思っているはずです。常に100%を出し切ってくれること、そしてどういう結果をもたらしてくれるかをわかっているからですね。(チームに)残ってほしいですよ」
「(先発を勝ち取るために)基本となるのは、練習やプレシーズンで良い結果を残して監督にアピールすることです。こういった機会はあまり多くないですからね。良いプレーを見せて監督に『圧をかける』というか、悩むような状況を作り出してほしい。彼に限らず、監督は良いプレーを残した選手に対して、絶対に使わなければいけないと考えるはずです。メディアもプレッシャーをかけますしね(笑)。問題を監督に押し付けるようにアピールしてもらいたいです」