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「このためにアヤックスを選んだ」。板倉滉が求め続けてきたCLの舞台で得た“経験”【現地発】

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    痛感させられたインテルのレベルの高さ

     このレベルを、このヒリヒリとした戦いを求めていた。今までに味わったことのない世界。その景色が目の前に広がっていた。

     今季のチャンピオンズリーグ開幕戦。昨季のファイナリストであるインテルと対峙したアヤックスのスタメンには、今季から新たに加わった日本代表DF板倉滉が名を連ねていた。2019年に欧州へと渡ってから6年。紆余曲折を経て、ついに欧州最高峰の舞台にたどり着いたのである。

     ピッチへと歩みを進め、メインスタンドの前に並ぶと、有名なアンセムが流れた。

    「いい緊張感で入れたなという感覚があります。やっぱりアンセムを聞くのは一つの楽しみでもあったから。あの雰囲気は震えますよね。全然リーグ戦とは違いました」 ただ、意気揚々と迎えた初戦は、イタリアの強豪のレベルの高さを痛感させられることになる。試合を通してボールこそ保持することはできたが、インテルの綿密な守備戦術を前にチームとしてなかなか前進することができず。板倉もビルドアップのところで変化を生み出すことができなかった。守備面でも、ボルシア・メンヒェングラットバッハでチームメイトだったマルクス・テュラムに苦戦。「器用で強い」と評する相手に対し、前を向かせない守備を続けていたものの、ボールを奪い切るまでには至らなかった。

     結局、流れの中で失点は許さなかったが、セットプレーから2つの失点を献上して敗戦。2失点目の場面ではマンツーマンとゾーンの併用の中でテュラムとの競り合いに敗れて得点を奪われてしまうなど、チームとしても板倉自身としても満足のいく結果を得ることができなかった。

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    「こういうところで戦わないといけない」

     ホームで勝利を目指していただけに悔しい敗戦である。だが、ネガティブなことばかりではない。欧州最高峰と言われるチャンピオンズリーグでの戦いを求め、新天地としてアヤックスを選んだ板倉は、この舞台だからこそ得られる”経験”を確かに感じ取っている。

    「やはり、こういう経験が自分を成長させるために間違いなく必要だと思っていた。ワールドカップ優勝と言っていることもあり、代表への思いもすごく強い。だからこそ、自分はこういうところで戦わないといけないと思って移籍してきた部分がある。実際に今日、試合をやってみて、『これだ!』ではないけど、このガチンコの対決をチャンピオンズリーグでできるというのは自分にとってプラスだと感じた。今日は負けて悔しいですけど、今後が楽しみだなと思いました」

     初めて欧州大会に挑む板倉にとっては新たな発見の場だ。国内リーグとは全く違う相手と対峙する難しさもあれば、求められることも試合によって変化する。スタジアムの雰囲気も普段とは違うし、仲間のテンションも変わってくる。そういう一つひとつのことを経験し、血肉とすることでチームを勝たせる選手になっていく必要がある。

    「みんなが自信を持って、リーグだから、チャンピオンズリーグだからとか関係なくやれているなとすごく見てて思った。(そういうことを知れた意味でも)次に繋がる試合だったかなと思います。僕個人的にもすごくいい経験ができたなと。また、ここからチャンピオンズリーグを経験できるというのがすごくプラスなことかなと思っています」

     ここからは欧州のコンペティションがあるため、毎週のように週2試合をこなす日々が始まる。その上、代表ウィークなどが入ってくれば、より厳しいスケジュールの中で戦っていく必要が出てくるだろう。

    「本当に試合はどんどん続いていく。リカバリーして試合、リカバリーして試合という流れに体を慣らしていくのも大事だなと。すでに心身ともにタフになれる1年かなと感じています」

     この環境を求めていた。高いレベルに身を置くことで見つける課題は、自身をさらに成長させるカギとなるだろう。新たな世界に足を踏み入れた男は、今までとは異なる景色の中で研鑽を積むことで次なる進化を遂げていく。

    取材・文=林遼平