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【独占インタビュー】バイエルンMFキミッヒが語るアジアツアー、日本人選手と日本代表…29日に川崎F戦「勝ちたい」

バイエルン・ミュンヘンのドイツ代表MFヨズア・キミッヒといえば、今やクラブ、世界を代表するMFだ。

昨季はリーグ戦で累積警告による出場停止をのぞき全試合に出場。主将マヌエル・ノイアーの負傷離脱もあり、キャプテンマークを巻く機会も増え、名実ともにチームの顔となっている。

そのキミッヒが、『スカパー! ブンデスリーガジャパンツアー2023』の川崎フロンターレ戦(7月29日/国立競技場)を控える中、『GOAL』のインタビューに応じてくれた。今回のジャパンツアーや日本代表・日本人選手たちについて語る。

協力:スカパー!

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  • Joshua Kimmich Bayern 2023Getty

    ■シーズン中に役割が変化

    ――2022-23シーズンのブンデスリーガ11連覇おめでとうございます。改めて昨シーズンを振り返って、どのようなシーズンでしたか?

    アップダウンを繰り返す難しいシーズンだった。シーズン前半は好調で、特にチャンピオンズリーグではいいプレーができていた。リーグでも調子は良かったけど、3月にDFBポカールで敗退し、チャンピオンズリーグではマンチェスター・シティに敗れてしまった。だから、チーム全体として少し下を向いてしまったね。

    でも、ブンデスリーガに集中し続けることが僕らにとって本当に重要だった。ドルトムントが最終節で引き分けたのはちょっとラッキーだったけど、僕らにとっては良い終わり方になった。できれば昨シーズンより、もう少しチームとして向上して優勝したいね。

    ――個人として昨シーズンはリーグ戦で5ゴール6アシスト。チームMVP級の活躍だったと思いますが、自身の評価を教えてください。

    スタッツを見ると、得点はこれまでより少し増えたかもしれない。ただ、右サイドバックをやっていた頃よりも守備的なプレーが多くなったから、アシストは減っているんだ。でも、僕らにとってもっと重要なのは、チームが本当に良いシーズンを過ごせなかったということで、来季に向けて多くのことを改善しなければならない。だから、僕のスタッツは重要じゃないんだ。僕はゴールスコアラーではないからね。ゴールやアシストでチームを助けることができればいいけど、僕の主なタスクはディフェンス。チームのバランスを保つことなんだ。

    ――役割に関する話が出ましたが、トーマス・トゥヘル監督の2シーズン目となって変化はありますか?

    僕の仕事はユリアン(ナーゲルスマン前監督)の時とは少し違うんだ。ユリアンの時は、僕はもう少し攻撃的で、レオン(ゴレツカ)が守備的だった。トーマスの下では、どちらかというと守備的にプレーしている。でも、まずはチームとして、僕らがひとつになることが重要なんだ。その後に監督が僕のタスクをどうするのかを考えるよ。

    ――負傷者が多く、クラブや代表でキャプテンを務めることが増えています。そのような重要なチームのキャプテンを務めることは、あなたにとってどのような意味があるのでしょうか。

    もちろん、ドイツ代表やバイエルンでキャプテンを務めることは特別で、重大ことだ。でも、僕の姿勢は変わらないし、自分らしくいようとしている。常に良いパフォーマンスをするために自分のベストを尽くし、チームを牽引することを心がけている。だから、僕がキャプテンであろうとなかろうと関係ないんだ。

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  • kimmich-city(C)Getty Images

    ■「試合に勝ちたい」

    ――今回が初めての来日ですよね。訪れてみて日本の印象はどうですか?

    残念ながらまだあまり街は見ることができていないけど、自由な日や夜があれば街を訪れて人々と触れ合ったり、夕食を食べに行ったりしたいね。その国や街について学ぶことができたらいいと思う。

    ――仲のいいセルジュ・ニャブリ選手が6月末にプライベートで来日し、川崎フロンターレと共に練習参加しました。彼から日本について話を聞きましたか?

    もちろん(笑)。セルジュはここがとても好きだと話していた。僕も「ここに来るべきだ」と言われたよ。僕も今、チームと一緒に日本に来ることができて本当に嬉しいけど、仕事で来るのと休暇で来るのとはまた違うよね。彼はとても楽しめたと言っていたし、いずれまた戻ってくるんじゃないかな。

    ――バイエルンの来日は15年ぶりです。クラブにとっての今回のアジアツアーの位置付けを教えてください。

    クラブにとって、ファンの皆さんと触れ合うために世界各地を回ることは重要なことだ。マーケティング的にもね。でも僕たち選手にとっても、いろいろな国に行って、その国の何かを見ることはとても興味深いことだ。いつもだとホテルやスタジアムを見るだけで、何も見ることができない。だから、今回はもう少し違う形になるといいよね。

    ――日本では2試合を戦い、29日には川崎Fと対戦します。プレシーズンで90分間を戦えるのは貴重な機会ですよね。

    試合は準備のためで、コンディションを上げていくためにあるけど、試合に勝ちたいという気持ちがある。全員が90分間プレーするわけではないと思うけど、僕個人としてはまず試合に勝ちたい。

  • kimmich-japan(C)Getty Images

    ■日本代表と再戦

    ――カタール・ワールドカップでは日本代表とも対戦しました。ブンデスリーガでも多くの日本人選手と対峙してきましたね。

    残念ながら、ワールドカップで皆さんが見たとおり、日本代表相手に良い思い出はない(苦笑)。僕らにとってはもちろん、とても残念な試合だった。日本の選手たちは技術的に素晴らしく、忍耐強い。いつも規律正しくプレーし、チームとして協力し合う。本当に素晴らしい。

    ――日本代表とは9月にドイツで再戦します。何か特別な思いはありますか?

    今の状況を考えると勝たなければならない。ワールドカップではグループステージ敗退に終わり、その後も多くの試合で勝利を逃している。だから、チームにはプレッシャーがかかっている。ワールドカップより重要な試合ではないけど、勝たなければならない試合だ。

    ――現在、久保建英や鎌田大地、三笘薫といった多くの日本人選手がヨーロッパのトップリーグでプレーし始めています。いつか日本人選手がバイエルンのような世界的なビッグクラブでプレーすることができるでしょうか?

    もちろんだよ。最終的には個々のパフォーマンス次第さ。その選手がいいパフォーマンスをすれば、バイエルンでもプレーできるだろう。ドイツ人選手だろうが日本人選手だろうが関係ないと思うよ。

  • kimmich(C)Taka Nishina

    ■すべてのタイトルを狙うクラブ

    ――今夏にはコンラッド・ライマー選手、ラファエル・ゲレイロ選手、キム・ミンジェ選手が加入しました。それぞれの印象を教えてください。

    コニー(ライマー)はRBライプツィヒでプレーしていて、本当にいい選手だ。特別なサッカーをするスタイルで、存在感を発揮している。残念ながら、ラファ(ゲレイロ)は今ケガをしているけど、技術があって、ドルトムントでは素晴らしいシーズンを過ごしていた。

    キムはまだ加入したばかりだ。一緒にいてほんの数日で、チームと一緒に練習したのは今のところ2回だけだと思う(※7/25時点)。遅れて合流したから、ランニングや個人メニューをこなさないといけなかったんだ。でも、昨シーズンはナポリで素晴らしい時を過ごした。この3人が来てくれて本当に嬉しいね。

    ――昨季のタイトルはブンデスリーガのみでしたが、2023-24シーズンのチームの目標を教えてください。

    まず、僕らは多くのことを改善しなければならないと思う。シーズンのスタートは良かったと思う。だけど、カップ戦ではタフな相手と対戦し、残念ながら敗退した。僕らにとってはブンデスリーガで再び優勝すること、そしてカップ戦でも優勝することが目標なんだ。

    チャンピオンズリーグでは、すべての選手がフィットしていることが重要だ。ここ数週間、ここ数カ月のマンチェスター・シティを見ればわかると思う。シーズン終盤、彼らはいつも同じ11人でプレーしていたし、シーズン中ずっとカギとなる選手がいるのが重要だ。

    ――日本にも多くのバイエルンファンがいます。最後にメッセージをお願いします。

    日本のファンの皆さん、いつもありがとう。練習や試合に参加してくれて、最高の雰囲気を作ってくれることを願っているよ。僕らを見に来てほしいし、僕らも皆さんに会うことを楽しみにしているよ。

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