PSG keep loan sell GFXGOAL

【PSG:夏の放出候補】放出?レンタル?それとも残留?選手たちの今夏の運命は…

ある意味、パリ・サンジェルマン(PSG)はラッキーだった。リオネル・メッシが去った、それも早々に。メッシはこの夏、論争を巻き起こすはずだったのが、今や古巣となったクラブに、シーズン終了前に去ることを知らせるのは実に親切なことだった。

そのおかげで、PSGはもっと差し迫った問題に対処できるようになった。やるべきことはたくさんある。キリアン・エンバペの去就はまた振り出しに戻った。毎年のことだが、ネイマールの周辺の騒ぎを落ち着かせるのは義務である。さらに、レンタル移籍に出していた選手たちが戻ってくるが、そのほとんどが新しいチームを必要としている。要するに、PSGは大勢の選手を抱えすぎていて、しかも、そのほとんどが悲願のチャンピオンズリーグ優勝を達成する役に立たないのだ。

さらに、クリストフ・ガルティエ監督の退任も濃厚で、この夏は簡単ではない。PSGは誰を加入させるか、いくつもの大きな決断を下さないといけないのだ。だが、現在在籍中の選手たちはどうするのか? この移籍期間中にPSGは誰をキープし、誰を放出すべきなのか、見てみよう。

  • Kylian Mbappe Paris Saint-Germain 2022-23Getty

    残留:キリアン・エンバペ

    エンバペは契約延長を拒否したと伝えられるが、今夏の残留を強調。一方で、来夏にはフリーとなるため、クラブは売却する可能性もある。

    しかし、エンバペは世界最高選手のひとりだ。おそらくリーグ・アンのタイトルだけならPSGにもたらしてくれるだろう。メッシが去り、ネイマールも去就が不透明な今、エンバペまで出してしまうのはあまりに大きなダメージとなる。

  • 広告
  • Neymar PSG 2022-23Getty Images

    売却:ネイマール

    さあ、まただ。PSGは毎年、ネイマールを売りに出すという考えをもてあそぶ。SNSを初めてとしていくつもの噂が飛び交い、時には具体的な話も出てくる。その後、必ず、ネイマールがシーズン前にPSGの練習場に現れて終わりなのだ。何もなかったかのように笑いながら。

    今年も同じシナリオが繰り広げられる可能性が高い。ネイマールは足首の手術をしたばかりで、31歳という年齢から言っても、PSGが望むような結果をもたらすとは思えない。PSGの監督に新たに就任する人物は、世界最高選手のひとりを指導できる幸運に恵まれるだろう。

    それでも、正当なオファーが来れば、PSGはそれに飛びつくべきである。ネイマールはPSGが彼に対して費やした1億もの大金を戻してはくれないだろうが、再投資のための資金には充分なものを与えるだろう。ネイマールにとっても、活躍の場を変えることは必要だし、双方にとって利益となりうる。

  • Wijnaldum RomaGetty Images

    残留:ジョルジニオ・ワイナルドゥム

    ワイナルドゥムはおそらくもう一花咲かせるだろう。このミッドフィルダーはローマで痛めたケガを引きずっていたが、シーズンが進むにつれ、いくつか素晴らしい活躍もした。PSGが間違いなく必要なこの選手の放出を実行するなら、補強には何人もの選手が必要となる。

    ワイナルドゥムの方も、少々変わった転換期にある。32歳のワイナルドゥムの契約は来年満了する。この点で言えば、レンタルはあまり意味がない。新監督の前に進みでて自分の才能を証明すれば、新たな長期契約を結べるかもしれないからだ。そして、PSGにとってもリスクがない。

  • Mauro Icardi of GalatasarayGetty Images

    売却:マウロ・イカルディ

    イカルディにはいつだって才能がある。それを解放するチームがトルコのガラタサライだと、誰が思っただろうか。元アルゼンチン代表のイカルディは今年23ゴールを挙げ、ほんの数年前、世界で最も得点力のあるストライカーの仲間入りをした頃の調子を取り戻した。

    そして今や、他のいくつかのチームが触手を伸ばしている。ジョゼ・モウリーニョ監督率いるローマも関心を示すチームのひとつで、ユヴェントスもその気になっているようだ。イカルディを差し出してもPSGに大金は入らない。報道によると、ローマの提示額はたった1,000万ユーロ(約15億円)だ。それでもカネはカネであり、PSGは自分のところでは未来のない選手から得られるものは得ておくべきである。

  • Achraf Hakimi PSG Toulouse 2022-23Getty Images

    (高額オファーがない限り)残留:アクラフ・ハキミ

    レアル・マドリーには右サイドバックが必要だ。PSGには、偶然にもかつてレアル・マドリーでプレーしていた非常に良い選手がいる。ハキミも、再びスペインの首都のチームでプレーしたいと思っていることをまったく隠していない。レアル・マドリーに、その実現のためのカネがあるのも事実だ。

    問題は、PSGにハキミを売る理由があるかということだ。ハキミはそのポジションで世界最高レベルの選手であり、今シーズンの後半は調子を落としていたとは言え、いずれすぐに衰退する兆しは見られない。1つか2つ興味を示すチームがあるだろうが、ハキミの残留はほぼ決定的だろう。

  • Keylor Navas Nottingham 2023Getty

    売却:ケイラー・ナバス

    チャンピオンズリーグ優勝のゴールキーパー、ケイラー・ナバスが、ノッティンガム・フォレストのプレミアリーグ残留を保証すべくゴールを守っている姿を見るなど、まったく奇妙な話だった。だが、フォレストはナバスをレンタルでもらい受け、ナバスもイングランドで頼りになるゴールキーパーだった。報道によると、他のいくつかのイングランドのクラブが興味を示しており、少なくとも4つのプレミアリーグのチームが、この夏ナバスの加入に興味を持っているという。ナバスがそう簡単にジャンルイジ・ドンナルンマから先発メンバーの座を奪えるとは思えず、ベンチに寄りかかっているのももったいない。PSGが完全にナバスを手放すときが来ているのかもしれない。

  • FABIAN RUIZ PSG LIGUE 1 11032023Getty Images

    残留:ファビアン・ルイス

    ここ半年、ファビアンは、PSGに来て最初のシーズンを終えてもクラブにい続けたい様子ではなかった。だが、リーグ終盤の数週間で事態は変わった。このスペイン代表は調子を取り戻し、いくつかの得点やアシストを決め始め、ついにはメッシやエンバペとともに良い仕事をするようになった。

    ファビアンは魅惑的な選手ではないし、PSGのプレースタイルに必ずしも合っているわけではない。だが、彼は理想的な選手として役に立ち、パルク・デ・プランスに少なくとももう1シーズンいられるくらいの活躍はした。

  • Leandro Paredes PSG 0722Getty

    売却:レアンドロ・パレデス

    財政的かつ法的問題を差し引けば、パレデスは完全移籍を果たすほどユヴェントスで活躍したわけではない。だから、規則的には少なくとももう1年、パレデスの保有権はPSGにある――買い手が見つからなかった場合は。

    2つか3つ、声をかけてきたチームはあるようだ。報道によると、アトレティコ・マドリーは、アルゼンチン代表で同僚のロドリゴ・デ・パウルとペアを組ませたいと思っているらしいし、チェルシーも立候補したようだが、意外な話であることは確かだろう。それでも誰かが買いたいというなら、パレデスは行くべきだ。

  • Abdou DialloGetty Images.

    残留:アブドゥ・ディアロ

    シーズン中ずっとケガに悩まされていたディアロは、レンタル移籍先のRBライプツィヒに完全移籍されることがないのは確実で、つまりPSGに帰ることになるだろう。

    PSGはセンターバックに別のビッグネームと契約したいと思っているかもしれないが、ディアロはバックアッパーとしてキープすべきだ。

  • Julian Draxler David Neres, Benfica 2022Getty Images

    売却:ユリアン・ドラクスラー

    現時点でドラクスラーがまだPSGの選手だというのは信じがたいことだ。メッシの加入から人々の関心は薄れる一方で、ベンフィカへのレンタル移籍でも、プロ生活を活性化させることはなかった。メッシがいなくなった今、トップチームへの道は開けたかもしれない。

    だが、PSGはこのポジションで新しい契約を交わす可能性が高く、ドラクスラーの序列は今後むしろ下がるかもしれない。足首の手術を受けたことで信頼を下げ、完全移籍でチームを去る可能性が高い。だが、引き受け手は非常に少ない。

  • El Chadaille Bitshiabu PSG 2023Getty

    レンタル:エル・シャダイル・ビチャブ

    ビチャブは複雑なシーズンを送った。アカデミー出身のビチャブは、数週間、どこから見てもPSGのシステムに必要なセンターバックに思えた。空中戦に強く、ボールを保持できる。トップクラスの才能だった。ところがシーズンが進むにつれフェードアウトし、最後の数試合ではミスが多かった。

    ミラン・シュクリニアルの加入が決定し、他にも競争が激しくなる中、ビチャブは、理想を言えば他のフランス国内のチームに、レギュラーで試合に出られるよう、レンタル移籍するのがよいだろう。

  • Kurzawa Sunderland Fulham FA Cup 2023Getty Images

    売却:レイヴァン・クルザワ

    実際のところ、クルザワは、レンタル移籍でフラムに完全にフィットしたとは言えない。試合に出られる状態のときでも、アントニー・ロビンソンのほうが頼りにされていた。もっと悪いことに、3月、練習中に深刻な膝のケガを負ってしまった。

    フラムはクルザワを完全移籍させるつもりはなく、PSGも新たな契約を提示する予定はない。パリで数年活躍したが、この夏には新しいクラブを探すことになるだろう。

  • Vitinha Paris Saint-Germain 2022-23Getty

    (おそらく)売却:ヴィティーニャ

    PSGでの最初のシーズン、ヴィティーニャにとって良かったことは、おそらく、試合に出られないことが滅多になかったことだけだろう。さもなければ、ヴィティーニャとの契約は非常に残念だった。ガルティエのお気に入りであったようで、レギュラーには選ばれていたが、その理由を示すのは難しかった。確かに、良い時間帯もあり、決して走るのをやめないが、才能や中盤での創造性を発揮することはなく、ただぎこちなくチームに合わせているように見えた。

    PSGはヴィティーニャを放出したいわけではないと思われるが、良いオファーがどこからか来れば、耳を貸すべきである。

  • Hugo Ekitike PSG 2022-23Getty Images

    レンタル:ウーゴ・エキティケ

    エキティケは昨年の夏、買い取りオプションつきのレンタル移籍でPSGにやってきた。常にトップパフォーマンスを見せていたわけではないが、時には良いプレーをした。生まれついての9番タイプで、決してウイングでのプレーを気に入っているようには見えなかった。PSGではポジションが変わりやすく、そんなことが頻繁にあった。

    おそらく、エキティケは期待すべきではなかったのだ。PSGのビッグ・スリーの誰かを倒して先発メンバーに入ることはできない。それでも、たぶん、もっと多くのチャンスをつかめればよかったのだが。

    今となっては、メッシが出て行ったとしても、若きエキティケはレンタル移籍をしたほうがよい。

  • Presnel Kimpembe capitaine PSG TroyesGetty Images

    残留:プレスネル・キンペンベ

    キンペンベは扱いにくい選手だ。このセンターバックは、2月にアキレス腱を損傷し、2022-23シーズンのほとんどで試合に出られなかった。実際、PSGには彼の代わりが必要であり、復帰を待って手をこまねいてはいられない可能性が高い。

    ケガをした選手に気を遣うチームは滅多になく、キンペンベは事実上1年を棒に振ったのだから、誰かがその座を奪うチャンスはあるだろう。もちろん、それはクラブがキンペンベを喜んで売りに出し、彼も移籍を受け入れるというのが前提だが、どちらも可能性は非常に低い。PSGはキンペンベを手放すべきではない。まだワールドクラスの実力を発揮できる選手なのだから。