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【日本人移籍情報】欧州の日本代表選手、2023年夏の去就の行方は?
(C)Getty Images鎌田大地(フランクフルト退団)
鎌田大地は、今年4月の時点でフランクフルトとの契約を更新せずに今夏に退団することが決定。シーズンを終えた後、本人も5月に「僕自身とっくの前に、ある程度決めています」と語っていた中、ミランへの移籍が決定的とみられてきた。
しかし、ミランではシーズン後にテクニカル・ディレクターのパオロ・マルディーニ氏のほか強化部門の幹部らが電撃退任。MFルベン・ロフタス=チークを獲得した中で鎌田の移籍が停滞している。
それでもフリーの鎌田は引く手あまたの存在となっており、現在ではローマやユヴェントスなどセリエAのビッグクラブ勢を中心に関心が多く伝えられている状況。また、最新の『シュポルト1』の情報ではフランクフルトが再契約の可能性を探っているとも。当初の既定路線だったミランへの移籍が決まるのか、それともいずれかが争奪戦で抜け出すのか、引き続き注目が集まる。
(C)Getty Images吉田麻也(シャルケ退団)
2022年夏に加入したシャルケで初年度から主将を務め、公式戦31試合に出場した吉田。その経験値がクラブからも評価されていたが、チームは17位フィニッシュでブンデスリーガからの降格が決まった。これを受け、クラブは吉田の契約延長オプションを行使することができず、退団が決まっている。
新天地に関してはこれまで、多くの報道は出ていない。サウジアラビアの現地メディアが経験豊富な吉田を自国リーグに推薦する報道を出していたものの、現時点で具体的な動きはなし。Jリーグ復帰の可能性を含めて、去就は不透明な状況が続いている。
(C)Getty Images浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)
2022-23シーズンは負傷している期間を除き、ボーフムでレギュラーとしてプレー。ブンデスリーガ25試合で3ゴールという成績は寂しいが、ウイングでの起用で得点以外の役割を担っていたことも考えれば及第点と言えるだろう。
また、シーズン最終節で1ゴール1アシストを記録し、ボーフム残留の立役者となったことも見逃せない。チームの主力選手の一人として残留が濃厚で、新シーズンもボーフムでプレーすることになる見込み。ボーフムは来季も残留が現実的な目標で、その中で浅野がどれだけ数字に残すことができるかが注目だ。
(C)Getty Images伊藤洋輝(シュトゥットガルト/ドイツ)
シュトゥットガルトのレギュラーとしてシーズンを戦い抜いた伊藤洋輝。左利きのCBで、サイドバックもできるというユーティリティ性を備え、先日には日本代表で初ゴールもマークした。チームはブンデスリーガで残留争いに巻き込まれたが、自身の評価は高めることに成功している。
ステップアップも視野に入れる伊藤には、すでに国内外のクラブが複数興味を示しており、ナポリやライプツィヒ、リヨンなどが候補に浮上。シュトゥットガルトとの契約は2025年まで残しているものの、移籍金は1000万ユーロ~2000万ユーロほどとみられており、24歳の選手としては手頃な額と言えるだろう。キャリアを考えてもステップアップのベストタイミングとなるかもしれない。
(C)Getty Images板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)
ボルシアMGでの1年目から絶対的なレギュラーに君臨した板倉滉。離脱した期間もありながらも、リーグ戦24試合に出場し、チームの年間最優秀選手賞の一人にもノミネートされた。
日本代表でも絶対的なDFリーダーとなりつつある板倉には、セリエA王者のナポリからの強い興味が伝えられている状況。韓国代表DFキム・ミンジェが退団濃厚となり、アジア戦略を進めるチームのメインターゲットとなったようだ。すでに欧州での実績がありながら、移籍金が比較的安価で済むこともイタリアではポジティブに捉えられている模様。ボルシアMGも「適切なオファー」があれば、1年での放出も辞さないと伝えられており、来季はビッグクラブでプレーする姿を見られるかもしれない。
(C)Getty Images堂安律(フライブルク/ドイツ)
2022-23シーズンにフライブルクでの1年目を過ごした堂安律は、公式戦45試合で7ゴール7アシストを記録。主力としてシーズンを戦い抜いた。チームが目標として掲げてきたチャンピオンズリーグ出場権獲得という目標にはあと一歩届かなかったが、ドイツでまた一皮むけた印象だ。
一方、去就に関してはローマやACミランといったセリエA勢が興味を示しているとの噂もあったが、現在は報道も下火となっており残留が濃厚だ。フライブルクを率いるクリスティアン・シュトライヒ監督も堂安を評価し、選手として成長させることを約束として迎え入れているだけに、放出の線は薄いだろう。日本代表で新たな10番となった男は目標とする「10ゴール・10アシスト」を目指してフライブルクでの2季目に挑む。
(C)Getty Images田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
ブンデスリーガ2部で戦う田中碧。とりわけカタール・ワールドカップを終えた後の後半戦ではパフォーマンス面で大きな成長が見られたが、シーズン終盤に負傷。最終的にリーグ戦22試合で1ゴール1アシストという成績に終わった。
本人が欧州1部リーグでのプレーを強く希望していることから、今夏にデュッセルドルフ退団の可能性が浮上。これまでにウェストハム、フラム、フランクフルトなどがこれまで候補に挙がっている。ドイツ2部で圧倒的な存在感を示せていないことから現地での評価は決して高くないが、自他ともに認める通りボールを握れるチームであれば、見違える姿も期待できる。問題は田中に対して300万ユーロとされる移籍金を支払うクラブが現れるかどうかだ。
(C)Getty Images冨安健洋(アーセナル/イングランド)
一部では退団報道も聞こえていたが、本人の意向やミケル・アルテタ監督の評価、さらにチーム事情から来シーズンもアーセナルで戦うことが濃厚になっている冨安。しかし、さらに厳しい競争が待ち受けていることは間違いない。
昨季右サイドバックのスタメンを務めたベン・ホワイトの起用法もあるが(センターバックに戻すとの噂も)、オランダ代表DFユリエン・ティンバーの獲得が間近に迫っている。対人守備の強さとパス・ドリブル技術の高さを併せ持ち、右サイドバック&センターバックでプレー可能な22歳が加入することになれば、ポジション争いはより激化することに。それでも、アルテタが「利き足がどちらかわからないほど」と評価し、実際に昨季も評価を高めた左サイドバックでの出場がさらに増える可能性があるだろう。
昨季終盤に負ったケガも癒え、すでにプレシーズンに合流した日本代表DF。新シーズンはチームとしてタイトルを目指すことはもちろん、本人にとっても勝負の1年となりそうだ。
(C)Getty Images三笘薫(ブライトン/イングランド)
昨夏にブライトンに復帰した三笘は1シーズンでプレミアリーグを代表する選手となった。特にカタール・ワールドカップ後は、目覚ましい活躍を披露。最終的に2022-23シーズンに記録した公式戦41試合10ゴールという数字以上のインパクトを残した。
この活躍を受けて、多くのビッグクラブから関心を寄せられる状況に。しかし、ブライトンではMFアレクシス・マクアリスターをリヴァプールに、そしてMFモイセス・カイセドも移籍が濃厚な状況だけに、三笘はとどめたい意向と現地メディアに報じられている。
三笘を高く評価するブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督は今年4月に、「三笘はもう1年、我々といる必要があると思っている。それは我々だけでなく彼のためでもある」と本人にとっても移籍を焦らず着実に成長するのがベストであると強調。チームの状況もあり、今夏は残留する可能性が高い情勢だ。
(C)Getty Images久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
レアル・マドリーからのレンタル時代で殻を破り切れなかった久保だが、理想郷に巡り合えたと言えるだろう。丁寧なビルドアップとショートパスを主体とするイマノル・アルグアシル監督のチームで2022-23シーズンに公式戦44試合に出場し、9ゴール9アシストをマーク。チャンピオンズリーグ出場圏の4位フィニッシュに大きく貢献した。
大手メディア『The Athletic』が選ぶ今季のリーグベストイレブンにも名を連ねて評価を大きく久保に対しては、セリエA王者のナポリや古巣レアル・マドリーへの復帰など、去就がポジティブな面から騒がしくなることに。
それでも、本人は『カデナ・セール』で、「ソシエダに戻る飛行機のチケットを取っています。僕はラ・レアルの選手で、マドリードへの扉は閉まっています」と発言。噂自体はオフシーズンに続くだろうが、新シーズンもソシエダの一員として欧州最高峰の舞台で戦うことがほぼ確実となっている。
(C)Getty Images古橋亨梧(セルティック/スコットランド)
公式戦50試合で34ゴール、リーグ得点王にシーズンMVP、リーグ連覇を含む国内三冠達成……古橋にとって、2022-23シーズンがこれ以上無いほど充実したものに。圧倒的な得点力の高さと献身性は現地メディア、解説者、同僚、対戦相手などあらゆる称賛を集め、間違いなくスコティッシュ・プレミアシップの顔となった。
この活躍から当然のように去就が話題になると、古橋をセルティックへ呼んだアンジェ・ポステコグルー監督が退任したことでさらに噂が加熱することに。その恩師が就任したトッテナムのほか、クリスタル・パレス、バーンリーとプレミアリーグのクラブが関心を寄せていることが伝えられていた。それでも、7月にはセルティックと新たに4年間の新契約を締結。これで来季もセルティック・パークでプレーを続けることが決定的となった。
新シーズンの目標は2年連続のリーグ得点王&三冠だけでなく、昨季グループリーグ敗退に終わったチャンピオンズリーグでさらなる高みを目指すこと。ブレンダン・ロジャーズ新監督も「ルイス・スアレスらと同じような選手」と期待を込めている。来季さらなる活躍を見せることができれば、本人が願ったようにセルティックの新たな“カルトヒーロー”になれるかもしれない。
(C)Getty Images旗手怜央(セルティック/スコットランド)
公式戦45試合9ゴール11アシストをマークして古橋と同じく最高のシーズンを過ごし、年間ベストイレブンにも選出された旗手怜央。国内で圧倒的な強さを見せつけたセルティックでの活躍は当然のように話題になり、これまでトッテナムやブライトンなどとの関連が噂されていた。
本人は『GOAL』のインタビューに対し、「やはりステップアップというか、チャンスがあれば色々なリーグでプレーしたい。サッカー選手なので、シーズンを通してレベルの高いところでやりたいのは誰しもが思っていること」と欧州5大リーグ挑戦への意欲を語っている。
総合的な意味でのフィジカルの強さにインテリジェンス、高いユーティリティ性を併せ持っており、どんなスタイルのチームでも重宝されるはず。年齢的にも25歳と、スコットランドでの1年半を経て飛躍するには最高のタイミングとも言える。サウジアラビアからの超高額オファーは拒否したとも伝えられるが、どのような決断を下すのだろうか。
(C)Getty Images中村航輔(ポルティモネンセ/ポルトガル)
2021年1月のポルティモネンセ加入からしばらく出場機会をつかめなかったものの、今季は9月からリーグ戦全30試合に出場するなど定位置を確保。データメディア『Opta』によると、「Goals Prevented(失点期待値と実際の失点数との差)」で「11.5」とリーグ最高値を叩き出し、ポルトガル最高峰のGKとして大きな評価を集めている。
そんな28歳守護神は、これまでフランスの名門リヨン、トルコの名門フェネルバフチェが噂に上がっていたが、現時点で具体的な動きはない模様。また、ポルティモネンセはバイアウト条項を4000万ユーロに設定しているとも伝えられており、契約を2025年まで残すことから今夏の移籍は可能性が高いとは言えないかもしれない。
それでも、ポジションを掴んで好プレーを見せたポルティモネンセでさらに1年間活躍し、29歳となる来夏にステップアップを目指す選択も悪くないかもしれない。日本代表復帰も果たした注目の守護神の新シーズンの活躍に期待がかかる。
(C)Getty Images上田綺世(セルクル・ブルッヘ/ベルギー)
海外初挑戦となった上田綺世は、ベルギーでの1年目から40試合で22ゴールを記録。得点ランキング2位に入る活躍を見せた。鋭い動き出しからのフィニッシュや高い打点でのヘディングなど自身の武器にさらなる磨きをかけ、欧州で成長した姿をアピールしている。
その上田には今夏、RCランス、モナコ、スポルティングCPなど欧州カップ戦に出場可能な中堅クラブが興味を寄せているとされる。すでに市場価値は3倍以上に高騰し、セルクル・ブルッヘは十分な売却益を手にすることができる状態に。移籍金500万ユーロ以上を支払えるクラブが現れれば、上田のステップアップは確実だろう。
(C)Getty Images菅原由勢(AZ/オランダ)
AZ加入4シーズン目は公式戦47試合に出場して4ゴール11アシストを記録。右サイドバックの他に右ウイングにも挑戦し、『transfer markt』での市場価値は650万ユーロと1年で倍増するなど飛躍の1年となった。日本代表にも定着しつつある23歳だが、今夏オランダの名門からステップアップすることが噂されており、本人も「早く4大リーグに行かないと」と前向きな発言を残している。
これまでの報道では、ドイツ屈指の強豪ドルトムント、ポルトガルの名門スポルティングCPなどが新天地として挙がっている。いずれも来季は欧州カップ戦に出場、さらに若手選手に出番を与えながら育成するのに長けたチームであり、またタイトル争いに挑戦できる可能性も高い。まだ噂の段階ではあるが、次のステップとしては申し分ないだろう。この夏の決断は、キャリアにおいて重要なものとなりそうだ。
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