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【日本代表への推薦】欧州遠征で招集が期待される選手は? 大迫勇也や南野拓実ら国内外で群雄割拠

 9月の活動で欧州遠征へと臨む日本代表。9日にドイツ代表、12日にトルコ代表と対戦する予定となっており、現在地を測るうえで貴重な機会となる。

 11月には2026年ワールドカップ(W杯)に向けたアジア2次予選がスタートするが、カタール大会後も指揮を継続している森保一監督は、どういった顔ぶれを集めるのだろうか。8月31日の代表メンバー発表に向けて、期待の選手たちを紹介する。【文=林遼平】

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    FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)

    生年月日:1990年5月18日
    今季成績:J1リーグ25試合19得点、ルヴァン杯1試合1得点


     今季、ヴィッセル神戸で大迫が披露しているパフォーマンスは、欧州組を含めたとしても圧倒的なものだと言っていいはずだ。相手を背にした時のボールキープや、マークをうまく出し抜いてのポストプレーは見事の一言。前線からの守備も怠らず、球際でも強さを見せ、ゴール前では驚異的な得点力を発揮する。また、ゴールを奪うことだけに固執せず、チャンスと見るや周りへのラストパスも見逃さない。

     ここまでJ1リーグで19得点を奪い得点ランキングトップに立っている男は、得点力だけではない存在感を放っているのだ。

     その力が日本代表で通用することは、これまでの代表活動でも証明されている。招集は難しいかもしれないが、見てみたいと思ってしまう。それだけの選手であることは間違いないだろう。

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    FW町野修斗(ホルシュタイン・キール/ドイツ)

    生年月日:1999年9月30日
    今季成績:ブンデス2部4試合2得点、DFBポカール1試合、J1リーグ19試合9得点、ルヴァン杯3試合


     もう一人、ストライカーを挙げるなら町野を推したい。カタール・ワールドカップのメンバーに選ばれながら出場することなく大会を終えた町野は、今年の夏、自身の成長のために欧州の地へと渡る選択をした。

     加入したホルシュタイン・キールは、ドイツ2部とあってトップリーグではないかもしれないが、それでも強靭なフィジカルを持った選手やここから這い上がろうとする野心を持った選手が多く在籍。そこで切磋琢磨することで自身を磨き、さらなるステップアップを図ろうと邁進している。

     その中で、ここまで4試合を終えて2ゴール1アシストと抜群のパフォーマンスを披露。巧みなポストプレーやゴール前での駆け引きに磨きがかかり、新たな町野の姿を構築している。今までとは違う環境に身を置いたことで得た経験を代表の舞台で魅せる。そんな日も近づいているはずだ。

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    FW南野拓実(モナコ/フランス)

    生年月日:1995年1月16日
    今季成績:リーグ・アン3試合3得点


     “結果”という面では、この人を推さないわけにはいかないだろう。

     昨季に加入したモナコではなかなか結果を残すことができず、カタール・ワールドカップでもPK失敗など悔しい1年を過ごした南野は、今季、2年目となったモナコで完全復活。レッドブル・ザルツブルク時代に教えを受けたアドルフ・ヒュッター監督が就任した今季、「3-4-2-1」のシャドーのポジションを任せられると、南野自身が本来持っていた輝きを取り戻し、ゴールに絡む活躍を披露するようになった。

     開幕戦でアシストを記録すると、第2節、第3節で3ゴール1アシストを記録。欧州でプレーする日本人選手の中でもトップクラスの成績を残し、南野ここにありを証明している。

     代表に関してはカタールW杯以来、招集がないが、欧州での実績を考慮するならメンバー入りするだけの“結果”は残している。再び代表のユニフォームを着た南野が見られるか注目したい。

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    MF三好康児(バーミンガム・シティ/イングランド)

    生年月日:1997年3月26日
    今季成績:チャンピオンシップ4試合1得点、EFLカップ2試合


     近年、ケガの影響もあって満足のいく結果を残せていなかった三好が、新たに加入したイングランドの地で復活の狼煙を上げている。

     ベルギー1部のロイヤル・アントワープの時から、決してパフォーマンスが悪かったわけではない。ただ、度重なるケガの影響でなかなかシーズンを通して活躍することができなかった。

     だが、心機一転して新天地を求めた今季、イングランド2部のバーミンガム・シティに加入した三好は、自身の力が欧州で通用することを改めて披露している。開幕して数節ほどはベンチからの出場が続いたが、第3節のブリストル・シティ戦で豪快なボレーシュートを沈めると、そのパフォーマンスが評価されてか翌節はスタメン入り。4-2-3-1のサイドハーフやトップ下でプレーし、第4節では見事なクロスからアシストも記録した。

     まだまだ代表の主力に食い込めるとは言い難いが、そのクオリティの高さは東京五輪やこれまでの代表で証明済み。新たな化学変化を起こしてくれる存在として期待したい。

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    DF渡辺剛(ヘント/ベルギー)

    生年月日:1997年2月5日
    今季成績:ベルギーリーグ4試合1得点、UECL予選5試合1得点


     最終ラインではベルギーの地で評価を高めている渡辺に注目だ。

     昨季までプレーしていたKVコルトレイクでは、2年目となった昨季にフィールドプレイヤーとして唯一となるレギュラーシーズンフルタイム出場の偉業を達成。守備の要としてチームを支え、シーズン終了後にはクラブの年間MVPを受賞するに至った。

     今夏には昨季のベルギー1部レギュラーシーズンで5位となったヘントにステップアップ。新天地では開幕からスタメンとして起用され、カンファレンスリーグ予選を含めてほとんどの試合でピッチに立っている。

     東京五輪で最後の最後でメンバーに選ばれず、悔しさを味わった男は、欧州の地でフィジカル能力と対人能力に磨きをかけて大きく成長。ベルギーのゴツい選手たちに当たり負けせず、読みと出足の速さを生かして巧みにボール奪取するプレーは、現代表メンバーにも引けを取らないだろう。2019年のEAFF E-1サッカー選手権以来の代表となるか楽しみにしたいところだ。