”主導権”が森保ジャパンの鍵に…日本代表、日本代表、一次予選で韓国上回ったバーレーン戦へ。注目ポイントは？／プレビュー＆予想スタメン

決勝トーナメントに入り、また一段とアジアカップの雰囲気が変わった。

タジキスタンがUAEにPK戦の末に勝利して初の8強を決めれば、ヨルダンはイラクを相手に後半アディショナルタイムの逆転劇で準々決勝へ。サウジアラビアと韓国の死闘は、後半アディショナルタイムに追いついた韓国がPK戦に勝利して次のステージへの切符を手にした。

ノックアウトステージに入ってから多くのチームに感じるのは勝利に対する貪欲さ。グループステージ以上の熱量を持って戦いに挑む国が増え、最後まで諦めない強靭な精神力が勝敗に大きな影響を与えている。戦術面とともにメンタル的な面でも上回っていくことが、決勝トーナメントを勝ち進むための鍵となる。

苦しみながらもグループステージを突破した日本は、決勝トーナメント1回戦でバーレーンとの一戦を迎える。2位通過により中6日の日程で試合を行うとあって準備は万端。インドネシア戦で取り戻した”自分たちのやるべきことのベース”を明確な基準とし、さらなる改善を施しながら勝利を目指すことになる。

対戦相手となるバーレーンは、ヨルダンや韓国の入ったグループEを首位で突破。「個々の能力が高く、チームとして戦術がしっかりオーガナイズされているチーム。前線にはいいタレントが揃っている。固い守備から攻撃を仕掛けることができ、カウンターだけではない」と森保一監督が警戒を口にするように、決して侮れないチームだ。

特に警戒したいのは前線に入る可能性が高いアブドゥラ・ユスフとアル・ハシャシ。4-4-2や4-1-4-1のシステムを採用してくる中で、最前線にはどちらかが起用されるはず。互いに190cmを超える身長とフィジカル能力を備え、アブドゥラ・ユスフに関しては背後に抜け出すスピードも持っており、大いに苦しんだイラク戦のように前線のアタッカーに気を取られ過ぎるとラインが低くなり難しい試合を強いられることになるだろう。

また、前線に長身FWがいるからといって安易にロングボールを使ってくるチームでもない。もちろんボールを長い時間保持された場合、奪ってからのカウンターは有効な攻撃手段の一つとなっているが、本来はハイラインで後ろから繋ぎつつ攻撃を仕掛けていきたい思考のあるチーム。日本のプレッシングがハマらないと相手に主導権を握られてしまう可能性もあるはずだ。

そんな相手に日本としては「立ち上がりから相手のピッチで（ゲームを）支配する。プレスにいくなど、積極的に攻めていきたい」（久保建英）。バーレーンは決して繋ぐのが上手いチームではない。コンパクトな守備を形成しつつ、前線から積極的にプレッシングをかけていくことでボールを奪っていきたい。加えて、ハイラインを敷いてきた場合は最終ラインの背後を使った攻撃でウィークポイントを突いていきたいところだ。

チームとして気になるのは、どういった選手選考をするかというところ。ここに勝利して決勝まで進むと中2日、中3日、中2日という厳しい日程が続く。今後の展開を考え、インドネシア戦に続いて多くのメンバー変更をすることも考えられるだろう。練習に戻ってきた三笘薫の先発出場の可能性は限りなく低いが、試合全体を通してどういったカードの切り方をしていくかは注目していきたい。

「自分たちから仕掛けるところは間違いなく変わらない。本当に相手に希望を与えないことが大事になってくる。アウェイサポーターもたくさんくるでしょうし、その中で試合の会場の雰囲気を殺すというか、相手に希望を与えずに、スタートからエンジン全開でやる必要があるかなと思っています」（冨安健洋）

簡単な試合が1つもないことはグループステージで十分思い知った。その経験はしっかりとここからの戦いに生きるはず。難しい展開にしないためにも、必要なのは得点を重ねて相手を黙らせること。自分たちから試合を動かしていくことで次なるラウンドへの切符を掴みにいく。