フリックはハイライン戦術を放棄するつもりは微塵もない。「我々はバルサだ。DNAに刻まれたスタイルで戦う」とブルッヘで宣言した。
「敗戦を恐れてスタイルを変えるつもりはない。1-0のリードを守りながら後ろに下がるつもりもない。これは哲学の問題ではない。我々はもっと良いプレーができる。全員が正しいポジションでプレーし、プレスをかけなければならない。チームは最高の状態ではない。だが我々は別のレベルで戦える」
チャンピオンズリーグ制覇を目指すなら、確かにそのレベルに到達しなければならない。前季の準決勝でインテルに敗れた際には2試合で7失点を喫し、今季はこれまで1試合も無失点に抑えられていないのだ。 もちろん、このような失点傾向が決勝トーナメント進出を阻むわけではない。しかし、4試合を終えてわずか7ポイントの現状では、火曜日にスタンフォード・ブリッジで敗れれば、グループステージ突破の望みが大きく損なわれるだろう。
したがって、バルセロナ周辺では現在、必要以上に自らを苦しめているという見方が広がっている。 「なぜ失敗が約束された戦術に固執するのか? ボールを失うたびにカウンター攻撃を招いている。そんなプレーで欧州タイトルは獲れない」とフリット氏は『beINスポーツ』で問いかけた。しかしフリックにとってはおかしな指摘だろう。彼は2020年にバイエルン・ミュンヘンで同じ戦術でCLを制しているのだから。
また彼は、ハイライン戦術が外見ほど「危険」ではないと主張する。しかし、この冒険的なアプローチを好む選手たちでさえ「リスク」と呼んでいる。ただ、彼らと監督がそのリスクを承知で選んでいるだけだ。
この戦術がいつまで通用するかは議論の余地がある。ワールドカップ優勝経験者のフランク・ルブーフ氏は、これほど高いラインを敷く守備陣ではプレーを拒否すると述べた。一方、元バルセロナMFのジェラール・ロペスは、変化の時が来たと感じている。
「前線に押し上げて成功させるのは別問題だ。フリック監督が何度も見せたようにね。だが…自殺行為は別物だ。彼が指揮を執って1年半が経つ。我々はバルサの守備の在り方について批判的であるべきだ」
とはいえ、フリック監督がジェラールやアンリのような専門家の意見に動揺する様子はない。今季のチャンピオンズリーグでも同じ戦術を貫き、異なる結果を期待する構えだ。それが狂気か神業かは未知数だが、いずれにせよバルサはテレビ局幹部の夢の的であり続けるだろう。