Guardiola Gundogan Mahrez GFXGetty/GOAL

ギュンドアン、マフレズが去り、ウォーカーとB・シウバの去就不透明…3冠シティで必要となるペップの仕事

マンチェスター・シティは東京で3つのトロフィーのパレードをし、横浜F・マリノス戦では5-3の勝利を収めた。アーリング・ハーランドが2本のシュートを決め、イスタンブールの英雄ロドリも美しいロングシュートでゴール。得点への意欲が衰えていないことを示した。

イスタンブールでのチャンピオンズリーグ決勝を終えてから、わずか4回のトレーニングしか行っておらず、何人かの選手(ジャック・グリーリッシュ…)はパーティーを開いている。プレシーズン初出場としては、まずまずの出来だった。

しかし、記録的なイングランドリーグ4連覇を目論むシティは、激動の夏を迎えている。イルカイ・ギュンドアンに別れを告げ、リヤド・マフレズはサウジアラビアへ向かう。ペップ・グアルディオラ時代の最も信頼できる攻撃的プレーヤーを2人も欠くことになったのだ。また、ベルナルド・シウバとカイル・ウォーカーも将来を考えているようで、成功の支柱があと2人、いなくなる可能性がある。

今のところ獲得に成功した主力はマテオ・コヴァチッチだけで、クラブはヨシュコ・グヴァルディオルとの契約にまだ合意していない。一方、シティのライバルはどこも補強を進めている。グアルディオラのチームはここ6年間、イングランドサッカー界を支配してきた。だが、その地位は脅かされつつあり、カタルーニャ人監督はそれを維持するために大きな再建作業に直面している。

  • Ilkay Gundogan Manchester City 2022-23Getty

    ギュンドアンの後任

    ギュンドアンのバルセロナへの移籍は、契約満了が迫っていたこともあり、決してサプライズではなかった。そして、ミッドフィルダーは気分転換を望んでいた。また、彼はマンチェスターに残るために高額な年俸を要求しており、30歳を過ぎた選手との契約に関するクラブの方針にも反していた。しかし、たとえギュンドアンの退団が誰にとっても納得のいくものであったとしても、その穴を埋めるのは容易ではない。

    ギュンドアンは中盤のどこでもプレーでき、攻撃だけでなく守備でも大きな貢献をした。そして、各シーズンの終盤に本領を発揮。ウォーカーが言うように、ギュンドアンは「最後の数カ月で全盛期のジダンになる」選手だった。

    2021-22シーズンの最終節、ギュンドアンの2ゴールはリヴァプールの手からプレミアリーグのタイトルを奪い、昨シーズンはタイトルを事実上確定させた試合でエヴァートンを倒した。また、マンチェスター・ユナイテッドとのFAカップ決勝では、決勝史上最速のゴールを決め、優勝を手繰り寄せた。

    ギュンドアンは過去3シーズン、いずれも全コンペティションで10ゴール以上、5アシスト以上を記録している。彼の後釜になる可能性が最も高そうなコヴァチッチは、チェルシーで5シーズン、221試合に出場してわずか6ゴールしか挙げていない。

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  • Riyad Mahrez Manchester City 2022-23Getty

    マフレズの一貫性

    マフレズの退団はシティにとって好都合な面もある。クラブはアル・アハリとの契約で3000万ポンドを手にしようとしているが、これは32歳の選手、特に大きな試合にはほとんど出場していなかった選手にとっては手堅い移籍金である。

    マフレズは昨シーズンのチャンピオンズリーグの決勝ラウンド7試合で先発出場したのはわずか1試合だけで、FAカップ決勝でも交代要員として使われなかった。しかし、出番があればコンスタントに活躍してきた選手だ。

    このアルジェリア代表は昨シーズン、プレミアリーグで5ゴール10アシストを記録。FAカップでは1試合平均1ゴールをマークした。4月から5月にかけてのリーグ戦4試合では5アシストを記録している。

    たとえ重要性が薄れつつあったとしても、特に格下相手には常に頼れる選手であり、グアルディオラはシーズンの重要な局面でチームをローテーションさせ、他の選手を休ませながら勝ち点を最大化することができた。

    マフレズのプレミアリーグでの出場時間はジョン・ストーンズ、ナタン・アケ、フリアン・アルバレス、フィル・フォーデンよりも多く、シティの中で11位だった。その安定感と信頼性は、簡単に代替できるものではない。

  • Kyle Walker Man City 2022-23Getty Images

    「スペシャリスト」ウォーカー

    ウォーカーもまた、退団の可能性があるベテラン選手だ。バイエルン・ミュンヘンへの移籍を希望しており、現在33歳とギュンドアンやマフレズよりも年上だ。彼はシティとの契約最終年を迎えており、これはクラブが彼の移籍金を受け取れる最後のチャンスであることを意味する。シティが彼を手放すことには説得力がある。

    このディフェンダーはグアルディオラと奇妙な関係にある。ワールドカップ後、彼はしばしばチームから外されることもあった。

    ウォーカーは自身を証明するために動き出し、シーズン最後の6週間ではシティにとって最も重要な選手の一人となった。レアル・マドリー戦での2試合では、ヴィニシウス・ジュニオールを相手に完璧な対応を披露し、FAカップ決勝ではマーカス・ラッシュフォードを沈黙させた。

    横浜FM戦では、キャプテンマークを巻いて先制点をお膳立て。オーバーラップからサイドライン際でアルバレスを見つけ、ゴールを演出した。1対1のディフェンスや、火を消すために駆け戻ることに関しては、ウォーカーに匹敵する選手はほとんどいない。

  • Bernardo Silva Manchester City 2022-23 Getty

    B・シウヴァは失えない

    そしてベルナルド・シウバである。毎年夏になると、このポルトガル人は移籍騒動に巻き込まれる。そして、今年も同様だ。パリ・サンジェルマンとバルセロナが獲得に意欲を示し、サウジアラビアのアル・ヒラルも関心を示している。

    バルセロナは彼の第一の移籍先と報じられているが、カタルーニャのクラブが深刻な財政問題を抱えているため、エティハド・スタジアムから彼を引き抜くことはできそうにない。シティもシウバの残留に必死で、週給30万ポンドの高額新契約オファーも報じられている。

    その理由は簡単だ。シウバはシティの中盤を束ねる選手であり、ボールを失うことなくピッチを縦横無尽に駆け巡ることができる。2017年にモナコから加入して以来、チームの成功の根幹を担ってきた彼が、ギュンドアンやマフレズに続いて退団してしまうのは、シティにとって本当に困ることなのだ。

  • JOSKO GVARDIOL RB LEIPZIGGetty Images

    グヴァルディオル獲得は?

    シティを退団する可能性のある選手については様々な憶測が飛び交っているが、コヴァチッチとの契約以外で加入する可能性のある選手についてはほとんど噂されていない。シティの1番の移籍ターゲットはまだグヴァルディオルで、世界で最も高額なディフェンダーになる可能性のあるクロアチア人センターバックの獲得について、シティはまだRBライプツィヒと合意していない。

  • Declan Rice Arsenal 2023-24Getty Images

    ライバルの強化

    昨シーズン、復活したシティに追い抜かれるまで、248日間プレミアリーグの頂点に君臨したアーセナルは、すでに印象的なチームを強化するために2億ポンド以上を費やした。特に、世界最高のMFの一人であるデクラン・ライスは、ミケル・アルテタのチームをタイトル候補からタイトル獲得者へと変貌させることができる選手だ。史上最も高額なイギリス人選手となったライスを、シティを抑えて獲得したことは特筆に値する。

    また、ユリエン・ティンバーと多才なカイ・ハフェルツは、トーマス・パーティ、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ・ジェズスが長期負傷した昨シーズン、アルテタに欠けていた層の厚さを与えてくれるだろう。

    チェルシーもまた、クリストファー・エンクンクを獲得。マウリシオ・ポチェッティーノを監督に迎え、昨シーズンに欠けていたストライカーを手に入れ、順調に補強を進めている。リヴァプールはアレクシス・マクアリスターというワールドカップ優勝経験のあるMFをチームに加え、ドミニク・ショボシュライというスタープレーメーカーを獲得した。

    そして、街の反対側ではユナイテッドがチャンピオンズリーグ決勝のシティ戦で輝きを放ったアンドレ・オナナを獲得し、メイソン・マウントも引き入れた。そしてニューカッスルは、サンドロ・トナーリとハーヴィー・バーンズに1億ポンドを投じ、再び4位フィニッシュを目指している。

    プレミアリーグの厳しさを誰よりも知っているグアルディオラは、チームが首位に君臨し続けるために頭を悩ませることになるだろう。グアルディオラはシティを4連覇に導くかもしれないが、最も忠実で信頼できる選手たちを失った今、それは簡単な戦いではない。