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CL抽選会の勝者と敗者…スールシャール、グアルディオラ、ペレス会長

第1ポットから漏れたビッグクラブが多かったため、今シーズンのCLグループステージでは興味をそそられる組み合わせが多く提供されることとなった。

パリ・サンジェルマンの一番の目玉補強として加入したリオネル・メッシと、恩師であるジョゼップ・グアルディオラ監督のマンチェスター・シティが同組に入ったのは運命のいたずらか。イスタンブールで行われたCLグループステージの組み合わせ抽選を振り返り、勝者と敗者を見ていこう。

  • 20210814 Ole Gunnar SolskjaerGetty Images

    勝者:オーレ・グンナー・スールシャール

    マンチェスター・ユナイテッドの指揮官が大舞台でどれほどの力を発揮できるのか、まだはっきりとはしないところだ。だが、彼自身にとっては今シーズン、ヨーロッパでチームの力を示す最高のチャンスに恵まれたと言ってよい。

    昨シーズンのグループステージではPSG、RBライプツィヒ、イスタンブールBBSKと同組になったユナイテッドだったが、下馬評を見事に覆されて決勝トーナメント進出を逃した。今回、スールシャール率いるユナイテッドと同組になったのは、第1ポット最弱と見られるビジャレアルと、アタランタ、ヤングボーイズだ。だが、もちろん、ビジャレアルは昨シーズンのヨーロッパリーグ決勝でユナイテッドに煮え湯を飲ませたチームであることは忘れてはならない。

    ユナイテッドがCLでベスト8まで勝ち上がれたのは、ここ10年でたった2度しかない。しかもその先には勝ち進むことができなかった。だが、少なくとも今回の相手チームのレベルを考えれば、グループDを勝ち抜くよいチャンスであることには違いない。クリスティアーノ・ロナウドが加わり、ラファエル・ヴァランやジェイドン・サンチョも加入した今、見据えているのはさらに先だろう。

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  • Erling Haaland Borussia Dortmund 2021Getty Images

    勝者:アーリング・ハーランド

    今ヨーロッパで最も熱視線を浴びるストライカーであるハーランドは、再び恐ろしいほどの名声を受ける絶好の機会を与えられた。ボルシア・ドルトムントは比較的対戦相手に恵まれている。対戦相手はスポルティングCP、アヤックス、ベシクタシュの3チームだ

    ハーランドは昨季のCL成績は8試合で10ゴール。無得点に終わった試合は準々決勝でマンチェスター・シティに敗れた2試合だけだ。

    21歳のハーランドは今シーズン、ドルトムントで5試合に出場し、すでに6ゴール3アシストを挙げている。圧倒的なパフォーマンスでスタートダッシュに成功した。

    多くの欧州ビッグクラブがハーランドを獲得しようと動向を追っている。最高のステージでさらにレベルの高いパフォーマンスを見せることができれば、契約を望む声はさらに増えていくだろう。

  • Florentino Perez GFXGetty Images

    勝者:フロレンティーノ・ペレス

    レアル・マドリーの会長がCLのライバルとなる新たなコンペティションを設立しようと企ててからまだ半年も経たないが、簡単にグループステージを突破する絶好のチャンスとなった今回、もしかするとこれまで13回を誇る優勝回数をさらに増やす可能性すらある。

    ペレス会長はまだ欧州スーパーリーグ構想の一員となることを諦めていない。欧州最高のコンペティションに参加資格を持つチームが新たに増えることを効果的に阻止できるからだ。

    毎年限られた少ないチームとだけ試合をすることがどんなものなのか、ペレスが知りたいと思っているのなら、ある意味今回その望みは果たされたことになる。マドリーは昨年と同じく、インテルとシャフタール・ドネツクと同組になったからだ。なお、今年はここにモルドバの新顔シェリフ・ティラスポリが加わっている。

    昨年マドリーはジネディーヌ・ジダン監督の下で準決勝までたどり着いたが、カルロ・アンチェロッティ監督率いる今年は準決勝まで行ければ御の字といったところだろう。ただし移籍ウィンドーが閉じるまでにキリアン・ムバッペをチームに加えることができさえすれば、話は変わってくるが…。

  • Memphis BarcelonaGetty Images

    敗者:バルセロナ

    バルセロナはここ15年で初めてリオネル・メッシがチームにいない状態でCLを戦うことになる。クラブの象徴となったFWの力なくして勝ち進むのは簡単ではない。

    ロナルド・クーマン監督率いるバルセロナと同組になったのは、ドイツの巨人バイエルン・ミュンヘン。2020年に2-8と屈辱の敗戦を喫した相手だ。メッシは絶望の表情でピッチを後にしていた。

    カタルーニャの巨人が予選1位となりノックアウトステージで有利な立ち位置を築くことは難しそうだが、今回はグループステージを通過することだけに集中することが重要だろう。

    だが、ポルトガルのベンフィカとウクライナ王者ディナモ・キエフもバルサの前に立ちはだかる。PSG、バイエルン、リヴァプールにも最近敗れエリートクラブからの凋落を見せるバルセロナにとって、道のりは決して簡単ではない。

  • Mikel Arteta, Pep GuardiolaGetty

    敗者:ペップ・グアルディオラ

    カタルーニャ出身のグアルディオラ監督が最後にCLのトロフィーを戴冠したのは、5月にサンクトペテルブルクで決勝が行われた10年以上前のことになる。以降、シーズンを経るたび優勝のプレッシャーは重くのしかかっていく。

    昨年は優勝に最も近づいた。だが、ポルトで行われた決勝戦でマンチェスター・シティはチェルシーに敗れてしまった。

    グアルディオラがクラブにやってきたのは、フットボール界で最も偉大なトロフィーをクラブにもたらすためだ。だが、今シーズンこのミッションを成功させるのは一筋縄ではいかない。グループAは非常に難しい組み合わせになってしまったのだ。

    シティはPSGと相対することに。PSGにはメッシが加入しただけでなく、ジャンルイジ・ドンナルンマ、セルヒオ・ラモス、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、アクラフ・ハキミを加えた。さらに現有のタレントもネイマールやムバッペなど豪華な戦力を誇る。

    さらに同組にはブンデスリーガのRBライプツィヒも。シティが最近恩恵に預かってきた簡単なグループに比べると著しく厳しい組み合わせになった。

  • juventus-dybala(C)Getty Images

    敗者:ユヴェントス

    「オールド・レディ」(ユヴェントスの愛称)はここ9年で初めてセリエA王者を逃し、不幸にも第1ポットの座を最も厳しいチームに譲り渡してしまった。

    ユヴェントスが相対するのはディフェンディングチャンピオンのチェルシー。しかも今回はインテルから加入したストライカー、ロメル・ルカクを擁している。ルカクはユヴェントスのリーグタイトル独占に終止符を打った主要人物でもある。

    21世紀に入ってからユヴェントスはCL王者に輝いておらず、国内で圧倒的な強さを再び確立してからは、そのことが頭から離れない状態だ。

    だが、クリスティアーノ・ロナウドが去った今、グループステージを勝ち抜けるもの簡単ではない。今回は同組のゼニトとマルメFFがビアンコネリを乗り越えて突破を図ろうとしている。