ありがとう、サディオ・マネ。ゴール、栄光にあふれたリヴァプールでの軌跡

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リヴァプールファンがサディオ・マネに惚れ込むのに時間はかからなかった。だが、彼の退団を乗り越えるには少し時間がかかるかもしれない。

マージーサイドで過ごした6年間は、サポーターを興奮させ、ディフェンダーを恐怖に陥れ、トロフィーに満ちた栄光の日々だった。マネはアンフィールドの伝説となり、バイエルン・ミュンヘンでの新たな挑戦のために旅立つ。

3500万ポンド(約58億1000万円)で、2016年夏にサウサンプトンから獲得したときは、ある種のギャンブルとみなされた。当時は、ユルゲン・クロップにとってレッズ初の大型契約選手で、後に壮大な成功の時代の起爆剤となることが判明する。

彼は数え切れないほどの思い出を残し、現代におけるリヴァプールの偉大な選手の一人として、その遺産は確実に、世代を超えて受け継がれる準備が整っている。GOALでは、彼がリヴァプールで残してきた輝かしい記憶を振り返っていく。



  • Mane Debut Arsenal LiverpoolGetty

    デビュー戦の喜び

    おそらくリヴァプールでのベストゴールは、プレミアリーグデビュー戦となったアーセナルとのアウェー戦で生まれた。

    右サイドからの希望に満ちたボールを追いかけ、ナチョ・モンレアルとカラム・チェンバースの間を縫って、ペナルティエリアに入ったマネは、左足でペトル・チェフが守るゴール右上隅に強烈な一撃を放ったのである。

    ユルゲン・クロップ監督は、サイドラインでマネに背中に飛び乗るように指示し、そのリアクションがすべてを物語っていた。リヴァプールは4-3で勝利し、マネの移籍金の話は一瞬にして払拭された。

  • Mane Everton 2016 LiverpoolGetty

    ダービーでのど派手な活躍

    2016年12月、グディソン・パークで行われたマージーサイド・ダービーで、マネは94分に決定的な活躍を見せた。

    ダニエル・スタリッジのシュートがポストに当たった後、最も素早く反応してゴールに叩き込んだシンプルなゴールだったが、セネガルのスター選手とチームメイトが、冬の空気に赤い煙を充満させながら、恍惚としたアウェー側のスタンドの前で祝った写真は象徴的なものだった。

    マネのダービーでの戦績は上々だった。しかし、リヴァプールファンが祝祭の時期が来るたびに歌うのは最初のことだった。

    「メリー・クリスマス、エヴァートン」

  • Mane Coutinho Liverpool 2017Getty

    スパーズを撃墜

    マネのリヴァプールでの最初のシーズンは、ケガのために早々に終わり、アフリカ・ネイションズカップで中断された。

    それでも彼はレッズの年間最優秀選手としてシーズンを終え、そのパフォーマンスはクロップ監督のチームをチャンピオンズリーグ出場権獲得に導く原動力となった。

    中でも重要だったのは、2017年2月のトッテナム戦。リヴァプールは彼がアフリカ杯に参加している間、リーグ戦5試合で1勝もできず、FAカップとリーグカップの両方で敗退するなど、低迷していた。

    しかし、トップ4のライバル(当時スパーズは2位)に対して、マネは彼らが軌道に乗ることを確実にした。2-0で勝利したレッズの試合では、前半の138秒の間に2つのゴールを決めたのである。

  • Mane Bayern 2019 LiverpoolGetty

    アリアンツでの見事な働き

    マネはすでにミュンヘン、そしてアリアンツ・アレーナでその名を轟かせている。

    2019年3月、チャンピオンズリーグ・ベスト16のセカンドレグでリヴァプールがミュンヘンに乗り込んだとき、彼らはプレッシャーにさらされていた。バイエルン・ミュンヘンはアンフィールドで無得点の引き分けに終わっており、ホームでは猛攻を仕掛けていた。

    しかし26分、ヴィルヒル・ファン・ダイクが前線にボールを送ると、あとはマネがやってくれた。マヌエル・ノイアーをかわすと、カバーリングする2人のディフェンスを完璧に割って、ファーサイドの隅に突き刺さった。

    3-1と勝利したリヴァプールは、決勝でトッテナムを下して6度目の優勝を成し遂げた。

  • Mane Van Dijk Aston Villa Liverpool 2019Getty

    ヴィラのスリル

    リヴァプールの2019-20プレミアリーグ優勝の物語を思い出すとき、もう一つの終盤の勝利は不可欠なものとして際立っている。

    11月の寒い午後、クロップ監督率いるチームは昇格したばかりのアストン・ヴィラを相手に苦戦を強いられていた。残り4分で1-0とリードされ、マンチェスター・シティがサウサンプトンを下し、翌週末のアンフィールドでの天王山を前に、レッズとの勝ち点差を「3」にまで縮めようとしていた。

    そして、ドラマが始まった。マネの登場だ。まず、クロスをクリッピングし、アンディ・ロバートソンが頭で合わせ、同点に追いつく。そしてアディショナルタイム、誰よりも早く、誰よりも勇敢に、トレント・アレクサンダー=アーノルドのCKをニアポストでゴールに流し込んだのである。

    リヴァプールは翌週、シティを破り(詳細は後述)、最終的にタイトルを一気に獲得することになる。しかし、あの日、ミッドランドで得た勢いは、決して過小評価されるべきではない。

  • Mane Van Dijk Liverpool Manchester City 2019Getty

    ペップを黙らせる

    ペップ・グアルディオラは、マネを「特別な才能があり、時々ダイビングをする」と典型的な慇懃無礼な言い方で示唆したが、その言葉がどれほど早く、どれほど文字通り自分の身に降りかかってくることになるか、想像もしていなかっただろう。

    アンフィールドでの一戦ではマネがダイビングヘッドでゴールを決め、リヴァプールが3-1と勝利した。マネはシティから7ゴールを挙げており、これより多く得点しているのはクリスタル・パレス戦(10点)のみ。

  • Mane Villarreal Liverpool 2022Getty

    ノックアウトキング

    最高の選手はビッグマッチに現れると言われるが、その点でマネの記録は誰よりも優れている。

    リヴァプールの歴史において、チャンピオンズリーグのノックアウトステージで彼より多くゴールを決めた選手はいない。バイエルン、ポルト、RBライプツィヒ、マンチェスター・シティ、ローマ、ベンフィカ、ビジャレアル、そして2018年の決勝ではレアル・マドリードを相手に、合計15得点を挙げたのだ。

    もしティボー・クルトワが相手でなければ、2022年でも同じことをやっていただろう。

    マンチェスター・シティとアーセナルに対しては7回、チェルシーに対しては6回(うち2回は2019年のUEFAスーパーカップ決勝で優勝)、そして4月のFAカップ準決勝でも大きな結果を残している。

    セネガル代表での英雄的な活躍も含めれば、その姿は明らかになる。大きな舞台であればあるほど、彼は成功する可能性が高いのだ。

  • Mane Salah Firmino 2021Getty

    名を馳せた3トップ

    このリヴァプール時代が記憶されるとき、それは間違いなくマネ、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノの時代として記憶されることになるだろう。

    この3人は2017-18シーズンだけで91ゴールを記録。5シーズンでは338ゴールという驚異的な数字を叩き出した。

    合計137試合に同時先発し、そのうち104試合で少なくとも1人が得点を挙げた。3人全員がネットを揺らした試合は15試合あり、2018年のマンチェスター・シティ戦やローマ戦、最近では昨年10月のワトフォード戦での5-0の勝利が印象的だった。

    2019年のバーンリーでのマネのサラーに対する怒りの反応を見ればわかるように、彼らは常に完璧なコンビネーションを発揮していたわけではないが、一緒にいると何か特別な存在になる。フィルミーノという優秀な偽9番がいたことで、マネとサラーは才能はあるが安定しないウインガーから、エリートで最高のワイドスコアラーへとジャンプすることができた。

    マネとサラーは2019年にはプレミアリーグのゴールデンブーツ賞を分け合った。マネは過去5年間で4回、全コンペティションで20ゴールを達成したが、それ以前のキャリアでは2014年に一度しか達成していない。

  • Klopp Mane Liverpool 2021Getty

    多芸多才

    リヴァプールのようなクラブで1つのポジションに秀でるのも良いが、3つのポジションでそれを成し遂げるのは、特別な才能の証である。

    マネのマージーサイドでの1年目は、右ウインガーとしてプレーした。13得点を挙げ、年間最優秀選手賞を受賞した。その後、ローマからサラーがやってきたため、左サイドに転向した。その結果、サラーはキャリア最高の年を迎え、世界最高峰の右ウイングとしての地位を確立した。

    そしてその間、ラインをリードする素晴らしい9番が、解き放たれるのをずっと待っていた。しかし、彼がセンターフォワードとしてどれほど効果的にプレーできるかを見たのは、2021-22シーズンの後半であった。

    テクニック、スピード、欲望、フィジカルを完璧に融合させた彼は、強さと繊細さでディフェンスをいじめ、次々とゴールを決め、息を呑むような瞬間とタッチを数えきれないほど提供した。たとえば、4月のマンチェスター・ユナイテッド戦でサラーに決めたアシストはそうだ。

    クロップ監督は「なんて選手なんだ!」と感嘆した。もう十分だろう。

  • Mane Liverpool 2020Getty

    “マネ・ザ・マン”

    2020年12月、クリスタル・パレスに7-0で勝利したリヴァプールの2点目をマネが決めたとき、そのセレブレーションの意義を見逃してしまうのも無理はないだろう。

    しかし、レッズファンのリー・スワンにとって、それはすべてを意味するものだった。

    マネは、リヴァプールのスポンサーの一つである『ニベア』が行っている、コミュニティヒーローを表彰するキャンペーンを通じてリーと知り合ったのだ。

    新型コロナウイルスの影響でZoomで行われたこのチャットで、マネは次にゴールを決めたら、リーの好きなセレブレーションを披露することを約束した。リーは、亡き祖父を偲んで、自分の手にキスをして空を指差してほしいとリクエストした。

    マネはパレスでの約束を守り、その数日後、アンフィールドでのウェスト・ブロムウィッチ戦でもそれを繰り返した。

    それは、彼を要約したものだった。素晴らしいサッカー選手であることは確かだが、それ以上に心優しい人間であり、マージーサイドでの6年間、出会った人々にポジティブな印象を与えたのである。