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ドイツ代表、21世紀の最強ベストイレブン。W杯制覇の黄金世代に未来の闘将がメンバー入り
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GK:マヌエル・ノイアー
代表歴:2009~現在
2009年にドイツ代表デビュー。2010年の南アフリカ・ワールドカップでは、直前に負傷したレネ・アドラーに代わって正GKとして参戦。以来、ドイツ代表不動の守護神となり、現在は主将も任される。ドイツ代表でのキャリアにおいて最大のハイライトとなったのは言うまでもなく、2014年のブラジル・ワールドカップ。当時クラブでジョゼップ・グアルディオラ監督の薫陶を受けていたノイアーは、ときにハーフライン近くまで上がる“スイーパー・キーパー”として君臨。高い位置を取りながら、ビルドアップにも加わり、守備でも広大な裏のスペースをカバーした。フランス戦でカリム・ベンゼマのシュートを片手で弾くなど、ビッグセーブも見せてワールドカップの最優秀GKも受賞。オリバー・カーンや、本人憧れのイェンス・レーマンなど、偉大な先駆者がライバルとなったが、GKの概念すら変えたノイアーを守護神に任命したい。
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右サイドバック:ヨシュア・キミッヒ
代表歴:2016年~現在
2016年デビューと、ドイツ代表歴は最も浅いが、近い将来アームバンドを巻くことになるであろうキミッヒを右サイドバックで選出。EURO2016、ロシア・ワールドカップと、2度のメジャー大会をすでに経験している。加えて、2018年のロシアW杯から、直近の2019年11月に行われた北アイルランド戦まですべての試合にフル出場を果たすなど、ヨアヒム・レーヴ監督から絶大な信頼を得ている。現在は中盤の選手としてワールドクラスの評価を受けるが、サイドバックとしても超一流。類まれなキック精度をもってビルドアップでチームを後方から支えるだけではなく、攻撃参加でアシストはもちろん、ゴールも奪える選手だ。今回のメンバーにおいて、右サイドバックにキミッヒを置けるのは大きなプラス材料になるだろう。意外にも闘将タイプで、ピッチ内で吠えることはもちろん、ピッチ外でも自身の考えをはっきりと主張するパーソナリティも備える。
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センターバック:ジェローム・ボアテング
代表歴:2009年~2019年
ドイツのレジェンド、ペア・メルテザッカーの競争となったが、得票率でボアテングに軍配が上がった。代表デビュー当初はサイドバックで起用されることも多く、EURO2012でも右サイドバックのレギュラーであった。だが、以降はCBに固定され、フンメルスらとともに強固な最終ラインを築いていくこととなる。敏捷性の低さや集中力の欠如によるイージーミスなどを指摘されることも多いが、それを補って余りあるフィード能力を持つ。両足で相手DFの裏を突くボールを送ることが可能で、特にトーマス・ミュラーとは抜群の相性を誇った。また、対人戦の強さも折り紙付きで、加速力こそないものの、決してトップスピードも遅くはない。万全のコンディションであれば、いまだドイツ最高のCBの一人だが、2019年3月にヨアヒム・レーヴから引退勧告を受けて代表を離れた。
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センターバック:マッツ・フンメルス
代表歴:2010年~2018年
言わずと知れたドイツ史上最高のハイブリッドDFで、アンケートではCBの中で最高の得票率を獲得。代表歴は意外にも10年足らずで、出場試合も「70」にとどまるが、チームに与えた影響は絶大だった。ユース時代はボランチだったこともあり、ビルドアップの能力は随一。両足で鋭い縦パスをつけるのはもちろん、右足のアウトフロントを使ったロブパスも絶品だった。言うまでもなく、守備能力も世界屈指だ。鈍足であることは広く知られているが、卓越したスライディング技術と読みの鋭さでカバー。インターセプトのスマートさは他の追随を許さない。また、空中戦にも強く、2014年のW杯では頭で2ゴールを奪った。2019年3月にボアテングやミュラーとともに、レーヴから引退勧告を受け、以降は代表から遠ざかっているものの、2018-19シーズン後半から好調をキープしてサポーターからは待望論も持ち上がっている。
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左サイドバック:フィリップ・ラーム
代表歴:2004年~2014年
右サイドバックや晩年は中盤でもプレーしたラームだが、今回は人材の都合上左サイドバックを任せることに。全選手の中でトップの得票率を獲得した。2004年に代表デビュー以来、いずれかのポジションでスタメンを守り続け、2010年、2014年のワールドカップではアームバンドを巻いて大会に臨み、ブラジルではトロフィーを掲げた。抜群の安定感と、攻守における貢献度は歴代レジェンドの中でもトップクラスであり、出場試合数は歴代4位。サイドバックとして超一流であり続けながら、2013年からはクラブで中盤にもコンバートされ、ドイツ代表でもパス回しのタスクを担った。バイエルンの指揮官であったジョゼップ・グアルディオラにも「最も才能のあるプレーヤーの一人」とまで言わしめながら、ドイツ代表は30歳で引退、現役キャリアも33歳で終え、惜しまれながらの引き際も潔かった。現在はオファーがあったバイエルンの要職には就かず、フットボールとは一定の距離を置いている。
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セントラルMF:バスティアン・シュバインシュタイガー
代表歴:2004年~2016年
ドイツで「フースバル・ゴット(サッカーの神)」と呼ばれたレジェンドをベストイレブンに含めないわけにはいかない。若かりし頃はサイドアタッカーであったが、クラブでルイ・ファン・ハール監督のコンバートを受けたことで、ドイツ代表でも2010年からは中盤中央でプレーすることに。すると、展開力、リーダーシップ、献身性がより輝きを放っていく。パンチ力のあるミドルシュート、攻撃センスはそのままに、守備でも身体を張れる選手へと成長した。身を粉にして戦い、顔面から血を流しながら、120分間を戦い抜いた、2014年ワールドカップ決勝アルゼンチン戦は語り草だ。幾度となく倒れ込みながら、起き上がり、まさに古き良き「ジャーマン魂」を象徴する選手であり、ドイツ国民にも深く愛された。2020年1月に現役を引退し、現在は解説者としても活動中。
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セントラルMF:トニ・クロース
代表歴:2010年~現在
より攻撃的なミヒャエル・バラックとの争いとなったが、クロースが得票率で上回り、天才コンダクターを選出。若かりし頃から天才ともてはやされ、才能が開花したのはユップ・ハインケスの指導を受けた2009-10シーズンだった。2010年にはドイツ代表でもデビューすると、南アフリカ・ワールドカップメンバーにも選出。当時は同世代のミュラーやエジルのように鮮烈なインパクトは残さなかったが、年齢とともに経験を重ね、2014年のW杯優勝時は全試合にフル出場。2ゴール4アシストという結果を残した。調子に波がなく、どんなときでも淡々とパスをつなぎ続け、今やドイツ代表の心臓として欠かせぬ存在に。正確無比なキックを備えており、貴重なセットプレーのキッカーでもある。すでにEURO2020で代表引退することを明かしていたが、大会延期により1年先延ばしに。また、まだ30歳ではあるものの、レアル・マドリーとの契約が満了する2023年には引退することをほのめかしており、ラーム同様潔い引き際となりそうだ。
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右サイドMF:トーマス・ミュラー
代表歴:2010年~2019年
類まれな攻撃センスで、様々なポジションで輝いたミュラーを、今回は右サイドのアタッカーとして選出。2010年に代表デビューすると、南アフリカ・ワールドカップでブレイク。大会では5ゴール3アシストを挙げ、得点王、アシスト王の2冠を獲得した。当時はまだ20歳であり、ベストヤングプレーヤー賞も手にしている。2014年のブラジル・ワールドカップでも5ゴールをマークし、優勝に大きく貢献した。スピード、ドリブル、パス、シュートなど、どれを取っても平均的な部類ではあるものの、ポジショニングセンスと味方とのコンビネーションは絶品。誰にも真似することができない、替えの効かない選手であった。ドイツ成功の立役者であったが、2019年3月に突如としてレーヴ監督から引退勧告を受け、ドイツ代表に呼ばれることはなくなった。一方で、今季はキャリアハイとも呼べるシーズンを送っており、ブンデスリーガでは史上最多となる20アシストを記録。待望論が巻き起こっても不思議ではない。
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攻撃的MF:メスト・エジル
代表歴:2009年~2018年
トーマス・ミュラーやトニ・クロースらとともに、ドイツの新世代を代表する選手であった。スピードがあり、技術もあるが、フィジカルが弱いというドイツ人選手の特徴とは外れたトルコ系移民は、チームに欠けていた創造性をもたらした。2010年の南アフリカ・ワールドカップでは、走れる司令塔として、攻撃のタクトを振るい、1ゴール3アシストを記録。残した結果以上に、「速い」「上手い」を揃えたエジルの存在は強い衝撃を与えた。優勝を果たしたブラジル・ワールドカップでも、7試合すべてに出場。決勝トーナメント1回戦アルジェリア戦では価値ある追加点を挙げた。近年の技術的に優れたドイツ攻撃陣の筆頭であるが、ときにチーム不調のスケープゴートとされることも少なくなかった。最後のときもはあまりに残念なもので、人種差別などを理由に2018年7月に引退。DFB(ドイツサッカー連盟)を強く非難して、マンシャフトを去った。
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左サイドMF:ルーカス・ポドルスキ
代表歴:2004年~2017年
「プリンツ・ポルディ」の愛称で親しまれたレフティは、クラブより代表での活躍が印象的だった。歴代3位の出場試合数に、4度のEURO出場、3度のワールドカップ経験など、2000年代のドイツ代表の成功において彼の存在は欠かせない。2005年のコンフェデレーションズカップから主力に定着し、大会では4試合3ゴールを挙げ、強烈な左足のシュートともに大きなインパクトを残した。翌年のドイツ・ワールドカップでもクローゼと2トップを組み、大会では3得点。最優秀若手選手賞を手にした。EURO2008からは布陣変更もあり、左サイドを任されるようになったが、ゴールも奪えるサイドアタッカーとして躍動。コンビネーションプレーやクロスでも非凡な才を見せ、2014年のブラジル・ワールドカップまでレギュラーを守り続けた。ドイツ屈指の“お祭り男”は引き際も素晴らしく、引退試合となった2017年3月のイングランド戦では代名詞である左足のミドルシュートでネットを揺らし、代表引退に華を添えた。
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センターフォワード:ミロスラフ・クローゼ
代表歴:2001~2014年
ドイツ代表の2000年代を象徴するストライカーだ。ドイツ代表での出場試合数は歴代2位、得点数は歴代最多。2001年にデビューすると、最初のブレイクイヤーは2002年の日韓ワールドカップ。ヘディングのみで5得点を挙げ、前宙パフォーマンスでも日本のサッカーファンの目を釘付けにした。その後もドイツ代表のエースとして活躍を続けると、特にワールドカップで鮮烈なインパクトを残す。2006年の地元ドイツ大会では5得点で得点王に、2010年はチームの重鎮として君臨して4得点を挙げた。さらに、2014年のブラジル・ワールドカップでも2得点を挙げ、通算得点を「16」として歴代通算得点記録を更新した。若手時代は打点の高いヘディングを武器としたが、歳を重ねるとともに、ポジショニングと巧みなシュート技術でゴールを奪うようになり、キャリアの最後まで得点感覚が錆びつくことはなかった。クローゼが代表を去った直後のメジャー大会であったEURO2016では、エース不在が叫ばれるなど、改めて存在感の大きさが浮き彫りに。なお、引退後は指導者の道へ進み、ドイツ代表スタッフやバイエルンU-17チーム指揮官を経て、来季からはバイエルンのアシスタントコーチに就任する。
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