Getty Images11月のカタール・ワールドカップを目前に控え、各国の代表監督は9月のインターナショナルウィークは腕の見せ所だろう。クラブでの状態を監視し、完璧なスタメン11人のアイディアを練り上げ、誰を連れて行くか、誰を置いていくかを決断することになる。国によってはその意思決定が重荷になることもあるが、大国フランスであれば間違いなくそうだろう。
ディディエ・デシャン監督にとって、豊富なオプションは羨ましい問題でもある。しかし、彼は残酷なプロセスに直面している。特に経験豊富なベテランと、新進気鋭の若手選手との間での選択は厄介だ。そして、フランスほど将来有望な若手が育っている国はなかなかない。4年前に世界王者に輝いたフランスだが、ポジションが安泰な選手などいないだろう。
ここでは、9月のインターナショナルブレイク開始時点で、“レ・ブルー”の最も興味深いスタメン争いについて、最新情報をお伝えする。
Getty Imagesキャプテンのスタメン落ちはあり得るのか？ 『GOAL』フランス番の記者ナイム・ベネドラは、不測の事態がない限り可能性は「ゼロ」だと語る。だが、スタッツ面で見ればミラン守護神はロリスよりも優れたGKだ（特にビルドアップ面）。現時点でのパフォーマンスだけを見ればメニャンに軍配が上がる。ましてやセリエA優勝を経験したばかりだ。それでも、チームへの影響力などの面で、ロリスが一歩前へ出ているだろう。
現状：ウーゴ・ロリス
Getty Imagesラファエル・ヴァランは今季マンチェスター・ユナイテッドでポジティブな時間を過ごしており、しかもデシャンのお気に入り。センターバックのファーストチョイスは彼だ。また、ジュール・クンデへの信頼も厚い。しかし、クンデが右サイドバック、もしくは3バックを採用するとすれば、先発の枠がもう1つ空くことになる。
アーセナルでブレイクした21歳のサリバはダークホースだ。しかし、リュカ・エルナンデスやキンペンベの方がデシャンにとってはずっと馴染みのある選択肢。リュカ・エルナンデスは2018年の決勝の舞台にも立っており、当時は左サイドバックだったが、センターバックの3人目の候補として最有力だろう。一方、ウェズレイ・フォファナやダヨ・ウパメカノも長期的なオプションとして忘れてはいけない。
現状：リュカ・エルナンデス
Getty Images欧州王者レアル・マドリーでポジションをつかむメンディだが、これまでフランス代表では7キャップにとどまっており、2020年以来出場もない。特にデシャンが3バックシステムを採用し、ウイングバックを選択した場合、状況は厳しくなりそうだ。ベネドラ記者は「メンディは序列が下がった。デシャン体制でのプレーは説得力にも欠けている」と指摘する。
一方でディーニュは、プレミアリーグで16位と低迷するアストン・ヴィラで苦戦中。これらを考えると、ミランで躍動するテオ・エルナンデスの先発は間違いないだろう。
現状：テオ・エルナンデス
Getty Imagesカンテがフル出場できない期間が長引けば長引くほど、フランスは守備的MFのオプションを考える必要がある。カンテはデシャンにとって絶対的な存在だが、チェルシーでの昨季もプレミアリーグ21試合の出場に留まった。また、現在は1カ月近い離脱を強いられている。
もしカンテがフィットしていれば、迷う必要もなくワールドカップでもスタメンだ。だが。9月のUEFAネーションズリーグではチュアメニに扉が開かれている。レアル・マドリーでハイレベルなプレーを見せており、バックアップオプションとしてはこれ以上ないほどだ。また、アストン・ヴィラMFブバカル・カマラも忘れてはいけない。メンバー争いに絡んでくる可能性は十分だ。
現状：エンゴロ・カンテ
Getty Imagesポグバは長きにわたって“レ・ブルー”の中心として活躍し、大国の歴史の中で最高の瞬間も味わった。しかし、クラブレベルでの執拗なまでのネガティブな話題やコンディション不良が自信を失わせている。ユヴェントスへの移籍で新たな喜びを手にするはずだったが、プレシーズンに半月板を損傷。保存療法も失敗し、手術が必要に。ワールドカップへ間に合う可能性はさらに低くなった。
そうした中で、カマヴィンガは自然な代役として挙がるだろう。だが、大会2週間前に20歳になる彼はビッグトーナメントでポジションが確保されているわけではない。レアル・マドリーでのサブ的な役割をこなす彼だが、代表チームで求められるプレーメイキングはクラブとは大きく異る。またマッテオ・グエンドウジも台頭しており、彼の起用法にも注目だ。
現状：エドゥアルド・カマヴィンガ
Getty Imagesキリアン・エンバペとカリム・ベンゼマの先発は確実だが、彼らを支えるもう1人のアタッカーとして最適なのは誰なのか？ デシャンの選択肢は豪華すぎる。
指揮官はグリーズマンを崇拝しており、アトレティコ・マドリーでやや苦戦中にも関わらず、ベネドラ記者も有力だと推す。しかしフランスのファンの間でも議論がかわされるように、安泰ではないだろう。
コマンはデシャンの下での経験も豊富で、どのリーグでも優勝できるという実績もある。しかし、指揮官はより中央寄りのポジションでサポートしてくれる選手を好んでいる。デンベレやディアビも、才能の面では間違いないが、同じ問題に直面する可能性は高い。
それゆえ、グリーズマンからポジションを奪う最も可能性の高い選手は、現時点ではエンクンクだろう。昨季はロベルト・レヴァンドフスキを抑え、ブンデスリーガの年間最優秀選手賞を受賞。今季も高スタートを切ることに成功している。
またナビル・フェキルやトマ・レマルもデシャンへのアピールを続けているが、彼らの目標はスタメンというよりもメンバーに入ることだろう。
現状：アントワーヌ・グリーズマン
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