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【欧州選抜編】今夏新戦力の最強ベスト11を10点満点で評価…輝きを失っている選手は?

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    夏のベスイレ企画、中間採点

    未曾有のシーズンを経て開幕した2020-21シーズンは早くも折り返し地点を迎えつつある。『Goal』では今夏、新シーズンに移籍を果たした選手を国籍別に欧州選抜、世界選抜(欧州以外)と分けてベストイレブンを選出したが、今回はそのメンバーたちの前半戦を振り返る。期待以上、期待外れのプレーヤーは誰なのか。要した移籍金と期待値を考慮に入れた上で採点した欧州選抜編メンバーの評価は以下のとおりとなっている。※採点は10点満点、移籍金は推定含む
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    【8.5】ペペ・レイナ(ラツィオ、スペイン)

    公式戦14試合出場、18失点・クリーンシート2試合

    今季チャンピオンズリーグ(CL)に挑戦するラツィオに貴重な経験をもたらす存在として、フリーで加入したレイナ。加入当初はトーマス・ストラコシャのバックアッパーとみられていたが、その期待値を大幅に上回るパフォーマンスを披露している。安定したセービングに得意のビルドアップは38歳になった今でも健在であり、CLでは5試合に先発して20年ぶりの決勝トーナメント進出の立役者の1人に。直近数試合では、ストラコシャからレギュラーの座を奪っている。今季のセリエA最高の補強の1つと言っても過言ではないだろう。

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    【5.0】トーマス・ムニエ(ドルトムント、ベルギー)

    公式戦17試合出場、3アシスト

    インテルへと去ったアクラフ・ハキミの代役としてフリーでドルトムント入り。負傷での離脱期間を除いてレギュラーに定着している。だが、ピッチ上でのパフォーマンス面は称賛されるものではない。クロスやトラップなど基礎技術の拙さが浮き彫りとなっており、ドルトムントの右サイドは到底脅威とは言えないものに。逆サイドのラファエル・ゲレイロが器用なアタッカーとして奮闘しているだけに、ムニエの物足りなさは際立つ。ここまでは期待値を下回る出来だ。

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    【5.0】ナタン・アケ(マンチェスター・シティ、オランダ)

    公式戦8試合出場、1ゴール

    ディフェンスラインの補強が急務だったマンチェスター・Cが4000万ポンドという高額な移籍金を支払い、大きな期待を受けて加入。しかし、センターバックの軸は、のちに加入したルベン・ディアスに。左サイドバックは本職右サイドのジョアン・カンセロに明け渡し、ベンチが定位置になっている。ハイレベルな競争の中で存在感は希薄に。負傷していた期間にジョゼップ・グアルディオラ監督は最終ラインの最適解を見つけた感もあり、結果が出ている以上、変更が必要ない状況。25歳のオランダ代表DFにとっては苦しい時期が続いている。プレミアリーグ特有の年末年始の超過密日程で出場機会は回ってくるだろうが、その際に指揮官を納得させるパフォーマンスが求められる。

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    【8.0】ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ、ポルトガル) 公式戦16試合出場

    公式戦16試合出場

    2020-21シーズン開幕後に、ベンフィカから6800万ユーロという高額でマンチェスター・シティへと加入。第4節のリーズ戦でデビューを果たすと、以降の11試合すべてで先発。瞬く間にマン・Cの守備の柱に定着した。加入前には、スピード不足を指摘する声も少なくなかった中、ストロングポイントである正確なビルドアップのほうが目立っている印象だ。また、プレミアリーグでも対人戦や空中戦の強さは健在で、現時点で大きな不安は見られない。これまでジョゼップ・グアルディオラ監督から全幅の信頼を寄せられていたアイメリク・ラポルテが出場機会を減らすほどディアスは安定したプレーを見せており、1年目は上々のシーズンとなっている。

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    【8.0】ベン・チルウェル(チェルシー、イングランド)

    公式戦17試合出場、2ゴール4アシスト

    24歳のイングランド代表レフトバックは、期待通りかそれ以上のパフォーマンスを見せている。5000万ポンドの移籍金は決して安価ではなかったが、その価値を証明していると言えるだろう。開幕3戦こそ負傷で出遅れたが、デビュー戦となった第3節のクリスタル・パレス戦で1ゴール1アシストを決めると、完全にレギュラーを奪取。第13節までのリーグ戦10試合連続で先発出場し、CLでも首位通過に大きく貢献した。その左足のキックとダイナミックなオーバーラップはフランク・ランパード率いるチームの大きな武器の一つとなっている。

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    【5.5】ミラレム・ピャニッチ(バルセロナ、ボスニア・ヘルツェゴビナ)

    公式戦15試合出場

    アルトゥールとのトレードという形で、新たなスタートを切ったバルセロナに加入したピャニッチ。CLでは全6試合に先発して決勝トーナメント進出に貢献したが、ラ・リーガでは未だ先発は2試合のみ。フレンキー・デ・ヨング&セルヒオ・ブスケツの壁は厚く、不振に陥るチームの中でも存在感は薄い。今月頭にはイタリア紙で「今みたいな状況は理解できない。いつだって期待に応えているんだから、これ以上何ができるのか分からないよ」と不満をあらわにしている。CLではまずまずのパフォーマンスを見せていただけに、過密日程の中で忍耐強く我慢が必要な状況だ。

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    【4.5】チアゴ・アルカンタラ(リヴァプール、スペイン)

    公式戦2試合出場

    新天地で良い立ち上がりを見せたかと思われたが、難しいシーズンになっていると言わざるを得ない。バイエルンで一時代を築いた男は、「新たな挑戦」を望んでリヴァプールへと加入し、プレミアリーグ第2節のチェルシー戦でデビュー。後半から45分間の出場となったが、75本ものパスを成功させて新記録を樹立するなど、完璧なスタートを切った。だが、その後は苦難の連続に。新型コロナウイルスに感染すると、復帰戦となったエヴァートン戦では危険なタックルを受けて負傷。以降は離脱が続き、公式戦135分間の出場にとどまっている。不運に祟られていることは致し方ないものの、現時点で大きな期待には応えられていない。

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    【5.0】カイ・ハヴェルツ(チェルシー、ドイツ)

    公式戦18試合出場、4ゴール4アシスト

    将来が嘱望される21歳のドイツ代表プレーメーカーだが、ここまで推定8000万ユーロの高額移籍金に見合った活躍ができていないのが現状だ。9月のカラバオカップ3回戦のバーンズリー戦でハットトリックを記録するなど上々の滑り出しを見せると、その後のリーグ戦3試合でもゴールかアシストを記録。しかし、そこからは新型コロナウイルス感染の影響もあってか完全に調子を落とした。要所で技術の高さを見せているものの、プレミアリーグ特有の厳しく速いプレスに苦戦。生え抜きのメイソン・マウントが躍動している中で対比されると、やはり物足りなさが残る。ポテンシャルは間違いないだけに、コンディション上昇と共にドイツ時代のような優雅なプレーを見せてもらいたいところだ。

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    【5.0】ガレス・ベイル(トッテナム、ウェールズ)

    公式戦11試合出場、3ゴール

    夏の移籍の目玉となったが、蓋を開けてみればカップ戦要員の域を出ていない。ヨーロッパリーグではグループステージ全6試合に出場したものの、求められていたようなインパクトは残せていないのが現状だ。リーグ戦直近5試合で出番を得たのは第14節レスター戦のみ。チーム自体がタイトルレースに加わっており、糾弾されるような状況ではないものの、期待はずれとなっているのも事実だ。頭で決勝弾を奪ったブライトン戦のようにジョーカーとして機能すれば、ジョゼ・モウリーニョ監督としては万々歳なのだろうが…。

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    【5.5】ティモ・ヴェルナー(チェルシー、ドイツ)

    公式戦21試合出場、8ゴール6アシスト

    推定5300万ユーロの移籍金で加入したヴェルナーはここまでゴール、アシスト共に及第点の数字を残している。しかし、特にプレミアリーグでは『xG(ゴール期待値)』が「6.58」に対して4ゴールにとどまるなど、チャンスの多さの割に決定力を欠く状況が続いている(参照:Understat)。それでも、持ち前の抜群のスピードを活かす場面も増やしており、多くの決定機を演出していることには間違いない。本人は先日、「ここでの接触プレーはドイツより厳しく、ある程度は予想していたけど、それ以上だった」とプレミアリーグのタフさについて語っていたが、ドイツ時代のような長いウインターブレークがない中で、後半戦に向けてコンディションを上げていくことができるだろうか。

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    【4.0】リロイ・サネ(バイエルン・ミュンヘン、ドイツ)

    公式戦16試合、5ゴール3アシスト

    成績を見ればそれほど悲観するほどではないが、現地での評価は厳しいものに。リーグ戦での先発出場は5試合で、良かったのは1ゴール2アシストを記録した開幕節のシャルケ戦のみ。その他は精彩を欠き、守備で精力的に働けていないことが、ハンジ・フリック監督の信頼につながっていないことが指摘されている。ドルトムント戦、CLでのザルツブルクとの2試合では、いずれも途中出場からインパクトを残したが、単なるジョーカーに4500万ユーロ(約56億6000万円)を支払ったのであれば、高すぎる。アタッキングサードでは非凡な才能を見せられる選手だけに、まずはその守備意識の改善から始めなければならない。