サンチョ復活もテン・ハーグが失策…トッテナム対マン・Uの勝者と敗者

ユナイテッドの指揮官は早すぎる交代で失敗を招くことがある。交代策が仇となったのは、この試合だけではない。トッテナム戦の後半は、ホームでのセビージャ戦で最後に追い上げを許した記憶を蘇らせるものだった。

ブルーノ・フェルナンデスやアントニーがイエローカードを貰っていたことなど、セビージャ戦での交代には理由があった。だが、アストン・ヴィラ戦を意識したか、ここでの交代はチームを苦しめただけであった。

サンチョは今季最高のパフォーマンスを披露。一方のアントニーはほとんど脅威になれていなかったが、ピッチ上に残った。投入されたアントニー・マルシャルとボウト・ヴェグホストの2人はトッテナムに脅威を与えることはできなかった。

アーロン・ワン＝ビサカはイエローカードをもらっていたこともあり、ブライトン戦に続いて交代に。ただ、安定感に欠けるタイレル・マラシアをこの激戦で途中起用したのはリスキーだった。

理想的なポジションにいたユナイテッドは、勝ち点2を落とすことに。過去10試合で8勝している好調のアストン・ヴィラを倒さなければならないというプレッシャーにさらされている。

前半の大半はトッテナムのファンにとって、チームへの非難とダニエル・レヴィ会長への怒りが渦巻く苦行のように感じられた。

ニューカッスル戦での屈辱的な6-1の大敗はファンの記憶にも新しいところだ。前半の選手たちもまだ、この結果に動揺しているように見えた。

しかし、打って変わって後半の戦いぶりは、チームスピリットを示すものだった。ライアン・メイソン暫定監督は自分たちの力を選手に信じさせる手腕を見せたと言える。

ユナイテッドでの最初のシーズンだが、最近の彼のプレーは、このクラブでプレーする適性に疑問を投げかけるものであった。

チームが嵐を乗り切るために信頼できる選手を必要としていたとき、彼は再び集中力を失い、ポジションを外し、ハリー・ケインにルーズボールを奪われてしまった。肝心な試合でスイッチを切ってしまう癖は大きな懸念だ。

セビージャ戦に続いて今回のトッテナム戦でも、彼のポジショニングの悪さがユナイテッドに決定的な2点をもたらした。これらは大きなミスだ。今後に印象的なパフォーマンスを発揮しなければ、彼にとっての苦しいシーズンという印象を払拭することはできない。

ハリー・マグワイアのFAカップ準決勝での出場停止は、ショーがセンターバックとして再び出場できるようになったという意味で不幸中の幸いと言える。

ブライトン戦でも印象的だったが、後半に起こったことを考慮しても、この試合では再び素晴らしいプレーを見せた。

ビルドアップも申し分なく、ユナイテッドはマグワイアの時よりもはるかに自信を持ってポゼッションしていたのだ。

クラブのキャプテンであるマグワイアにとって悲しい真実は、本職外でプレーするショーが自身よりも印象的なパフォーマンスを見せているということだ。

ユナイテッドの後半戦は、単に勝ち点2を落としたというだけではない。今シーズンのリーグ戦における悲惨なアウェーでの成績をさらに悪化させることになったのだ。

テン・ハーグ監督のチームは、プレミアリーグの上位12チームのうち10チームとアウェーで対戦。その中では、アレハンドロ・ガルナチョの土壇場でのゴールによって下したフラム戦の1勝しかできていない。

ブレントフォードとリヴァプール戦では悲惨な結果に。マンチェスター・シティやニューカッスル相手には完敗。そして、アウェーでは不完全のチェルシーやトッテナムにも勝利を手にできていない。

ユナイテッドがまだトップ4にいるのは、オールド・トラッフォードでの成績によるところが大きい。しかし、来シーズンにリーグタイトル争いのチャンスを得たいのであれば、アウェーでの成績を改善する必要がある。

木曜日の夜にはボルシア・ドルトムント時代のサンチョの面影を見ることができた。この選手はユナイテッドが2年間にわたってターゲットにし、最終的に7300万ポンドを支払った選手だ。

サンチョは自信と勇気をもってプレーした。ゴールはスパーズのディフェンダー2人をかわして、ゴール下隅にボールを流し込むという壮観なものだった。

そして、イヴァン・ペリシッチのヘディングによって阻まれたものの、もう一度ゴールを決めるチャンスも得た。彼がベンチに退くと、トッテナムはディフェンスでより簡単にボールを奪い返し、次々と攻撃を仕掛けることができた。

テン・ハーグがサンチョを外した交代策は不可解だった。マルシャルもヴェグホストもサンチョが作り出していたような脅威を与えることはできていない。

それでも、このウインガーにとって今回の試合で自信を取り戻したことは大きいことだ。最終盤における彼のパフォーマンスに良い影響を与えることだろう。