しかしあの事件からイブラヒモヴィッチの移籍まで、アヤックスでは2試合が残っていた。もちろんファン・デル・ファールトはケガのために欠場。一方のイブラヒモヴィッチは、NACブレダ戦で歴史に残るゴールを決めた。相手を次々に抜き去って、夢のような独走弾を叩き込んでいる。
世紀のゴールにスタジアム中が熱狂する中、カメラはVIP席を映し出した。そこには、無表情で座るファン・デル・ファールトの姿があった。
イブラヒモヴィッチは「あいつの反応はあいつの問題。俺は全く気にしていなかった。翌日にはユヴェントスと契約したしな」と語った。それ以来、お互いに別々のチームに所属しながら、長年に渡って憎しみ合うことになっている。
なお、現在の両者の関係は正常化しているとのこと。2024年、ファン・デル・ファールトは「彼は嫌なやつだった。私は嫌いだった。だが、彼のゴールはいつも楽しんでいた」と振り返っている。しかし、依然として直接会うことはないとのこと。
「私は彼を心から尊敬している。いつか再会して、あのことを笑い飛ばしたい。私は大きな過ちを犯したし、彼もそうだ。お互いに若く、巨大なエゴがあったんだ。時にはゴルフクラブを握って、お互いの顔にボールを打ち込むことなんてあったしね……」