Man Utd 99 vs Man City 23 GFXGOAL

マン・U3冠チームvsシティ3冠候補チーム。合同の最強ベスト11は?

1998-99シーズン、マンチェスター・ユナイテッドはイングランド勢として初めてプレミアリーグ、FAカップ、チャンピオンズリーグのトレブルを達成。その名をサッカー史に刻んだ。シティは今シーズン、この偉業に並ぶまであと2試合と迫っている。

シティはアーセナルを追い詰め、3試合を残してプレミアリーグ3連覇を達成。チャンピオンズリーグ決勝では、ノックアウトステージでレアル・マドリーとバイエルンを破り、インテルとの決勝戦でも前評判で優位とみられている。

それでも、ユナイテッドはFAカップ決勝で宿敵の3冠を阻止し、美酒に酔うことができるチャンスを手にした。今回、『GOAL』では当時のユナイテッドメンバーと今季のシティメンバーを比較。ベストイレブンを組んだ場合、そのメンバー入りを果たすのは?

  • Peter Schmeichel Man Utd 1998-99Getty

    GK: ピーター・シュマイケル

    巨大な存在感を放つシュマイケルと対峙した相手はゴールが小さく感じられたことだろう。チャンピオンズリーグ決勝のバイエルン・ミュンヘン戦では2つのビッグセーブを披露。FAカップ準決勝のアーセナル戦でもデニス・ベルカンプのPKを防ぎ、何度もユナイテッドを救った。

    エデルソンのような足下の技術を活かしたボールプレーの能力はなかったが、驚異的セービングと威圧感はセレソンの守護神を圧倒する。

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  • Kyle Walker Man City 2022-23Getty Images

    RB: カイル・ウォーカー

    世界トップクラスの走力を持つウォーカーは、攻撃的なチームにとって貴重な存在だ。今季、先発メンバーから外れた時期もあったが、シーズンの重要な局面でチームに復帰。レアル・マドリーとの2試合ではヴィニシウス・ジュニオールと好勝負し、アーセナルとの決戦でも存在感を示した。

    ウォーカーはまた、良質な選手が揃うイングランド代表ライトバックのファーストチョイスであり続けている。これが、クラブと国の右サイドバックの座を争うライバルがほとんどいなかったギャリー・ネビルとの決定的な違いである。

  • John Stones Manchester City 2022-23Getty Images

    CB: ジョン・ストーンズ

    球際の強さは際立っており、ビルドアップのプレーを得意とするストーンズがグアルディオラに重宝されているのは納得だ。シティでは苦しい時期もあったが、7年目にして再びチームの重要な一員となり、ディフェンダーとしてだけでなく中盤の底でもプレーするハイブリッドな役割で新境地を切り拓いているのだ。

    必要であれば右サイドバックもこなし、中盤に上がればポゼッションでシティに優位性をもたらす。時折見せる圧巻のゴールでもチームを救う。

  • Jaap Stam Man Utd 1998-99Getty

    CB: ヤープ・スタム

    1998年夏に獲得したオランダ人選手は、ユナイテッドのディフェンスに必要なフィジカルを強化した。1対1のディフェンスに優れ、球際でも無類の強さを発揮。スキンヘッドの大男は、まさに相手にとって高くそびえ立つ存在だった。

    スタムは1998-99シーズンのチームの成功、そしてその後の2度のタイトル獲得に極めて重要な役割を果たした。2001年、ファーガソンに追い出される形でラツィオに売却された後、ユナイテッドがアーセナルに王座を明け渡したのは偶然ではないだろう。ファーガソンはのちに、スタムを売却したことは27年間の監督生活で犯した最大の過ちの一つであったと認めている。

  • Senjakala Karier Ikon Sepakbola - Denis IrwinGetty

    LB: デニス・アーウィン

    ユナイテッドのトレブル達成チームにおいて、最も安定したパフォーマンスを発揮したアイルランド人選手だ。決して騒がず、滅多にミスをしない、驚くべき12年間をクラブで過ごした。

    ディフェンス面においては常に信頼できる選手であった。この時代のサッカー選手には珍しく、両足を巧みに使い、フリーキックも装備。PKキッカーとしても信頼を得た。

    1999年のFAカップ決勝ではリヴァプール戦での退場処分で欠場することになったが、バイエルンとのチャンピオンズリーグ決勝では素晴らしい活躍を見せている。

  • Roy Keane Man Utd 1998-99Getty

    CM:ロイ・キーン

    キーンは3冠を達成したチームのキャプテンだったが、残念ながらチャンピオンズリーグ決勝では出場停止に。また、ニューカッスルとのFAカップ決勝でも開始数分で負傷し、最後の2試合はほとんど出場できなかった。

    ユヴェントスとの準決勝セカンドレグでは、彼のチームへの犠牲心が発揮された。必要とあればカードも気にしない魂のタックルでチームに活力を与え、ユナイテッドの選手の中でも最高のプレーを披露した。

    ユナイテッドのキャプテンは、ピッチ上でもドレッシングルームでも存在感抜群だった。卓越したリーダーシップを発揮し、ボール奪取能力に加え、ポゼッションをリードするエキスパートでもあった。カゼミーロが登場するまで、ユナイテッドは彼のような選手を欠き続けていたのだ。

  • Bernardo Silva Manchester City 2022-23 Getty

    CM: ベルナルド・シウヴァ

    ベルナルドは完璧なミッドフィルダーだ。中盤のどこでもプレーでき、どんな仕事も見事にこなす。そのスタミナでチームの潤滑油となり、ボール奪取能力も抜群。必要なときには戦術的なファウルも厭わない熱い男だ。

    そして何より、見ていて楽しい選手だ。気の利いたパスとドリブル、衛星的な動きで人に使われることも人を使うこともできる。シティで304試合に出場して55ゴール58アシストを記録していることからも、その貢献度がわかるだろう。

  • Kevin De Bruyne celebrate Manchester City Real Madrid 2022-23Getty Images

    CM: ケヴィン・デ・ブライネ

    デ・ブライネは、プレミアリーグで最も優れた選手の一人であり、シーズンを追うごとにプレーが洗練されている。

    今シーズン、プレミアリーグ史上最速で100アシストを達成。2021-22シーズンには15ゴールを挙げてシティのリーグ得点王となった。今季は目立っていないように見えるが、それはアーリング・ハーランドにゴールを集約するためにチームが動いている影響もある。実際、デ・ブライネはリーグトップの16アシストを記録している。

    今シーズン最大の試合であるアーセナル戦ではディフェンスを切り裂き、素晴らしい2ゴールを記録した。また、サンティアゴ・ベルナベウで行われたレアル・マドリー戦での同点ゴールなど、重要な際にしっかりと輝きを放ってきた。

  • David Beckham Man Utd 1998-99Getty

    RW: デビッド・ベッカム

    華やかさや有名人としての地位は忘れてほしい。ベッカムは絶対的に優れた選手だ。そして、3冠達成のシーズンは彼のピークだった。1998年ワールドカップのアルゼンチン戦で退場処分を受け、イギリスのマスコミから非難を浴びた男は、ユナイテッドのファンとファーガソンの支持を感じ、さらに強くなって戻ってきた。

    シーズン初めのレスター戦では、見事なフリーキックで勝ち点1をもたらし、最終日のトッテナム戦での同点弾を含み、最終的に9得点を記録した。アシスト数も「18」をマークし、バイエルン戦では2つのCKから奇跡の大逆転劇を演出した。

  • Erling Haaland Man City 2022-23Getty Images

    CF:アーリング・ハーランド

    1998-99シーズン、ドワイト・ヨークは18ゴールでプレミアリーグの得点王となり、その相棒のアンディ・コールは17ゴールを記録した。しかし、ハーランドはイングランドでのデビュー戦で、その記録を倍増させる36得点をマーク。1シーズンのゴール数に関するすべての記録を塗り替えた。

    このノルウェー人選手は、得点するために多くのタッチを必要とせず、ボックス内のルーズボールに冷酷に飛びつく、驚くべき反射神経を持っている。また、七種競技者の母親の遺伝子を受け継いでいるため、空中戦でも驚異的な強さを発揮。プレミアリーグ史上最高のクロッサーであるベッカムと同じチームでプレーする姿を想像すると、それだけで胸が躍るだろう。

  • Ryan Giggs Manchester United Arsenal FA Cup 140499Getty Images

    LW: ライアン・ギグス

    23年間にわたってユナイテッドに在籍したギグス。1998-99シーズンは彼のベストシーズンの一つであった。FAカップ準決勝のアーセナル戦でハーフウェーラインから始まった魅惑的な独走ゴールは、ユナイテッド史上最高のゴールの1つである。

    しかし、ユナイテッドにとって最も重要な時に活躍したのは、この時だけではない。チャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグのユヴェントス戦では土壇場でゴールを記録。コベントリー・シティとのリーグ戦では重要な勝利のために唯一のゴールを決めた。

    40歳までプレーし続けたギグスは、高いレベルで活躍し続けたプレーヤーとして、その息の長さで言えば史上屈指だ。プレミアリーグでは史上最多162のアシストを記録し、109ゴールという数字を残した。そして何より、左サイドを駆け抜けるスリリングなスラロームでファンを沸かせたシーンは、どんなに時が経とうとも色あせないものだ。

  • 20230517 Pep Guardiola(C)Getty Images

    監督: ペップ・グアルディオラ

    ファーガソンはマンチェスター・ユナイテッドの代名詞であり、強権でもってクラブを運営した。彼が引退して以来、レッド・デビルズが以前の面影を失っているのは偶然ではない。

    彼の記録は実に驚異的で、27年の間にユナイテッドで13のリーグタイトル、9つの国内カップ、2つのチャンピオンズリーグを獲得した。彼はリヴァプールを王の座から引きずりおろし、ユナイテッドをその座につかせた。彼は、サッカー史上最高のクラブマネージャーとして広く知られている。

    そこにグアルディオラが現れた。トップチームの監督に就任した最初のシーズンにバルセロナで3冠を達成。カンプ・ノウで指揮を執ったわずか4年間で14個のトロフィーを手にした。バルサでの最初の3年間で、彼はファーガソンのキャリアに匹敵する数のチャンピオンズリーグを獲得したのだ。

    バイエルンでは、3年間でブンデスリーガ3連覇(うち1つは史上最短記録)と国内カップ戦2つを達成した。そして、シティでの7シーズンで5つのリーグタイトルと5つの国内カップを獲得している。シティで彼が掴めなかった唯一のものはチャンピオンズリーグであったが、それも今季で終わるかもしれない。

    ファーガソンはアバディーンとユナイテッドの監督として35年間、14のリーグタイトルを含む48のトロフィーを獲得した。しかし、グアルディオラはバルセロナ、バイエルン、シティの監督として14年間、11のリーグタイトルを含む34のトロフィーを獲得してきた。グアルディオラはヨーロッパでも最もタフなリーグで自らの力を試してきたのである。

    ただ、彼の功績はトロフィーだけではない。グアルディオラは、3つのクラブで得点記録を更新し、サッカーを新たな高みへと導いてきたのだ。