Azpilicueta Rudiger Christensen Thiago Silva Chelsea GFXGetty/GOAL

【番記者リポート】期限切れ迫る“CB問題”の状況は?補強はある?チェルシーの移籍市場を分析

途中就任したトーマス・トゥヘル監督の下で、昨季チャンピオンズリーグを制したチェルシー。今季は5シーズンぶりのプレミアリーグ制覇を最大の目標に掲げ、前半戦を2位で折り返した。しかし、首位マンチェスター・シティとは10ポイント差(※1月5日時点)。離脱者続出にも悩まされ、優勝争いから一歩後退している。

そして迎えた冬の移籍市場。プレミアリーグ屈指の金満クラブは、後半戦へ向けてどのようなプランを立てているのだろうか。『Goal』チェルシー番記者であるニザール・キンスラ氏がリポートする。

  • Ben Chilwell and Reece JamesGetty Images

    ウイングバック問題

    先日報じたように、ベン・チルウェルは前十字靭の大ケガを負い、今季は残りすべての試合を欠場する見込み。また、リース・ジェームズも最低でも2月中旬まで戻ってこない。トゥヘルは、暫定的にカラム・ハドソン=オドイとクリスティアン・プリシッチに穴埋めを期待している状況だ。

    同ポジションの補強についても考えており、ルーカス・ディーニュ(エヴァートン)やキーラン・トリッピアー(アトレティコ・マドリー)も候補だが、現在レンタル中の選手を呼び戻す可能性もある。

    リヨンへレンタル中のエメルソンについて、トゥヘルは昨季指導した際にその姿勢やユーティリティ性、クオリティを評価していた。しかし、契約の問題で1月に復帰させることは簡単ではない。もし彼の復帰が実現できない場合、代役を期限付きで獲得する可能性もある。

    一方で右サイドも同様で、ブラックプールへレンタル中のデュジョン・スターリングは1月14日までに交渉すれば呼び戻すことが可能のため、オプションを検討している。

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  • Aurélien Tchouaméni Finlande-France 2021Getty Images

    中盤の強化

    チェルシーは長期的な課題が中盤とセンターバックにあると考え、今後2回に渡る移籍市場で強化を目論んでいる。そして現在、モナコでブレイク中のMFオーレリアン・チュアメニの動向を追っている。プロフェッショナルとしての姿勢から私生活まで、綿密なスカウティングを進行中だ。

    またその他、ウェスト・ハムを牽引するイングランド代表MFデクラン・ライスにも関心を示していることがわかっている。しかしトゥヘルは、レンタル先のクリスタル・パレスで絶好調のコナー・ギャラガーを来季スカッドに組み込むことを支持しているため、新選手の獲得を見送る可能性もゼロではない。

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    続々と契約満了を迎えるセンターバック陣

    チェルシーは以前から今年の夏に数選手が契約満了を迎えることを考慮し、センターバックの強化の必要性を検討していた。

    アントニオ・リュディガー、セサル・アスピリクエタアンドレアス・クリステンセンはすでに残り契約が6カ月を切っており、フリー移籍に向けて他クラブと交渉が可能に。前者2人は3日の話し合いで残留に前向きとなっており、契約更新に向けて時間をかけることに同意している。だが一方で、条件面での改善も望んでいる。

    リュディガーは、ドレッシングルームのリーダーとして、また重要なスター選手としての扱いを望んでおり、チームトップレベルの給与を希望している。彼にはレアル・マドリーが熱心な関心を見せているが、チェルシーとの話し合うために決断を遅らせることを伝えられ、いらだちを募らせている模様。他にもパリ・サンジェルマンやバイエルン・ミュンヘンも状況を注視しているが、ユヴェントスは本人が望む条件を提示できそうにない。

    また主将アスピリクエタは、契約期間の長さ、そしてチーム内での序列をより重要視している。ディフェンス陣が全員フィットしている際にはベンチに座る機会も増えており、バルセロナやアトレティコ・マドリーがコンタクトを図っているようだ。

    一方、トゥヘルから公の場で批判されたこともあるクリステンセンだが、本人は残留を希望。しかし、クラブ側はもっと早い段階で交渉が終わることを想定していたため、不満を抱えているようだ。だが、本人の要求に近いオファーを提示すれば契約を結ぶという点で、リュディガーと同じような状況と言える。

  • Jules KoundeGetty

    センターバック補強の可能性は?

    上述のセンターバック問題の中、チェルシーは新戦力を加えることももちろん考えている。

    最大の候補は、昨夏にも獲得へ動いたセビージャのフランス代表DFジュール・クンデ。また、同じくレスターDFウェズレイ・フォファナもトップターゲットになっている。両者は来夏の移籍市場でのメインターゲットになるようだ。

    それに加えて、大きな期待を集めるリーヴァイ・コルウィルを復帰させる選択肢も残っている。ユースチームからチャンピオンシップ(英2部)のハダースフィールドへレンタルされた18歳は、非常に印象的な活躍を続けており、来季トップチームで争うことになるかもしれない。当初は2度レンタルを経験させるプランであったものの、早期復帰が現実味を帯びている。