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林陵平が“今”選ぶ!チャンピオンズリーグ優勝候補5選。文句なしの「全勝チーム」に悩める名門も?

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2024-25シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は、2024年内にリーグフェーズ第6節までが終了。決勝トーナメント進出をかけた戦いは、来年1月の第7節と第8節を残すのみとなった。GOALでは、大会方式が大きく変更された今季のCLについて、解説者の林陵平氏にインタビューを実施。第2弾のテーマはズバリ「現時点での優勝候補5選」。リーグフェーズが残り2試合となった中で最もビッグイヤーに近いのは、どのクラブなのだろうか。

インタビュー=河又シュート(GOAL編集部)

※インタビュー実施日:12月16日


  • hayashi 4(C)Goal

    どんなクラブにもチャンスがある?

    「色々なクラブにチャンスがあるのは面白いと思います」

    今季からフォーマットが変更され、各クラブが同じリーグに所属して異なる相手と8試合を戦ういわゆる「スイス式トーナメント」を採用したCLについて、林さんは好印象を抱いている。

    「やはりグループリーグになると、どうしても最初のほうに負けてしまうと(決勝トーナメント進出が)難しくなる。今回は、どのチームにもチャンスがあります。その中で1試合1試合ビッグゲームも増えますし、勝ち点を積み重ねればどのチームにもチャンスがあるのは魅力かなと思います」

    林さんが指摘する通り、初出場となったスタッド・ブレストが7位、リールが8位と躍進。マンチェスター・シティ(22位)やパリ・サンジェルマン(25位)といったメガクラブが苦戦する中で、世界的には大きな注目を集めていなかったクラブの奮闘も目立っている。

    そんな中で、林さんが現時点で考える「優勝候補」はどのクラブなのだろうか? 「こればかりは、まだこの時期なんでわからないですよ(笑)」と前置きしつつも、ビッグイヤーに近い5つのクラブを挙げてもらった。

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  • liverpool(C)Getty Images

    文句のつけようがない“全勝チーム”

    (1つ目は)リヴァプールですね。今も首位に立ってますし、プレミアリーグでも調子が良い。

    監督が良いんです。(アルネ)スロット監督はフェイエノールト時代から推していましたが、ユルゲン・クロップ前監督の後を継ぐのは簡単ではなかったと思います。それでも、そのクロップ監督の縦に速いサッカーに+αとしてポゼッションを植え付けた。守備でもすごくハッキリとした、相手によっての使い分けをしながら整備して戦っています。本当に素晴らしい監督ですし、そこに選手たちもうまく適応して良いプレーができています。

    そして、スロット監督は修正も早い。現代フットボールの中で、監督にとって修正能力はすごく大事になっています。もうハーフタイムに修正しているようじゃ遅いくらいです。前半の途中15分とか20分とか、もう5分くらいでも、ある程度は相手を見て戦い方をすぐ変えられるような采配はすごく面白いですし、そういった修正が生きているのかなと思います。

    ――この調子のまま、優勝まで走り抜けるには何が必要でしょうか?

    基本的には同じメンバー、14、15人の中で少しずつ入れ替えながら戦っています。その選手たちにケガが発生し、他の選手たちが出場した時にどうなるか、というのは注目です。シーズンは長いですし、特に後半戦はある程度前半戦の勤続疲労が出ます。(主力に)疲れが見えてくるとマズい状況にはなりますし、チーム全体でどうオーガナイズして、マネジメントしていくかのは見ていきたいですね。

    ――ビッグイヤーを獲得するために、キープレイヤーを挙げるとすれば誰ですか?

    フィルジル・ファン・ダイク、モハメド・サラーは絶対ですよね。そして今シーズン、凄まじい成長を見せているライアン・フラーフェンベルフを挙げたいです。(今季CL全体で見て)一番伸びている選手だと思います。自信も見えますし、継続する力、彼が試合に出続けて良いプレーを継続することがリヴァプールにとって重要だと思います。

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  • real madrid(C)Getty Images

    やや苦戦気味の前回王者だが…

    2クラブ目は、レアル・マドリーです。

    リーグフェーズでは少し苦戦していますが、結局「チャンピオンズリーグ」と言えば「レアル・マドリー」だと思います。(決勝トーナメントには)残ってくるでしょうし、さらにトーナメントになると彼らの強さが発揮される。特別な選手たちがいますし、「組織を壊す個」という意味でクオリティがずば抜けています。やっぱり彼らを優勝候補に入れないのは……。今のリーグフェーズだけを見たら違うのかもしれませんが、絶対に優勝候補の1つだと思います。

    彼らには決勝トーナメントで特別な強さがあります。それは経験値の部分も大きいですし、やはり昨シーズンの王者ですからね。なんというか「チャンピオンズリーグと言えば俺たちだろ」みたいなものが選手たちだけでなく、スタジアム全体にも溢れているのが関係しているのかなと思います。

    ――リーグフェーズでは20位とやや苦戦していますが、どの部分の修正が必要でしょうか?

    やはり「キリアン・エンバペをどう使うか」が1番の焦点になると思います。今はセンターFWでプレーしていて、アタランタ戦(リーグフェース第6節、3-2)は活躍していました。

    ですが一貫性の部分、良いゲームもあれば全くハマらないゲームもあります。あのレベルの選手なので、ビッグゲームで活躍できないとすぐに「いらない」とかどうしても言われてしまいますが、彼がどうハマっていくか、どのポジションに置くかはポイントになります。ヴィニシウス・ジュニオールと共存させる時にどこに置くか、そしてエンバペを活かすためのビルドアップやチームの作り方。トニ・クロースが引退した後、誰が中盤の最適解かも探していかないといけないと思います。

    エンバペとヴィニシウスはプレーエリアがある程度被っているので難しさもありますし、(エンバペは)センターFWタイプでもない。背後に抜け出すのはすごく得意だけど、じゃあDFとMFの間のスペースで前を向けるかと言うと、そういうタイプでもない。選手のキャラクターの問題なんですが、そこをカルロ・アンチェロッティ監督がどうハメていくかが重要になりますね。

  • barcelona(C)Getty Images

    バルセロナのハイライン、どう見る?

    3クラブ目は、バルセロナです。

    リーグフェーズでは21ゴールと1番点を取っています。ラミン・ヤマル、ロベルト・レヴァンドフスキ、ダニ・オルモ、そしてハフィーニャの調子がすごく良い。彼らの攻撃力に加えて(中盤に入るマルク)カサドやペドリ、そしてディフェンスラインも安定感があるので、優勝候補と言っていいかと思います。

    あとは「ハイラインがハマるか」もすごく重要ですね。積極的にラインを上げると全体がコンパクトに戦えるので、前からプレッシャーをかけた時にハマればよりチャンスを作り出すことができる。ただ、逆に言えば(DFラインの)背後を突かれた時のリスクは大きい。あそこまでラインが高いと、相手チームは特に後半戦には必ず対策してくると思います。でも、それ以上にうまくハマれば、決勝トーナメントでもスーパーな力を発揮できると思います。バルセロナにも期待したいですね。

    ――では、決勝トーナメントでより重要になってくる選手は?

    ハフィーニャですね。今季は抜群に調子が良くてチームを引っ張っていますし、DFラインの背後への抜け出しは(ハンジ)フリック監督のサッカーにすごく合っています。抜け出した後の決定力の部分でも自信に満ち溢れている。ドルトムント戦(3-2:ハフィーニャは1ゴール)もそうでしたね。フリック監督のサッカーでは(左サイドバックのアレハンドロ)バルデが左肩上がりで高い位置を取るので、左ウイングは少し中に入ってシャドーのようなプレーをします。ハフィーニャはそこにうまく合っていると思います。

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  • inter(C)Getty Images

    不規則に見えて、規則的?

    4クラブ目は、インテルです。

    やはり守備のブロックが固い。決勝トーナメントのより際どいゲームでは、守備の力がさらに重要になります。結局、無失点で抑えれば負けることは絶対にないですから。(インテルが採用する)5-3-2の戦い方は、その固い守備で抑えた中で、前線の2トップを活かす形です。カウンターも良いですし、インサイドハーフの絡み方も機能しています。優勝候補になると思いますよ。

    インテルは3バックの動きが特殊なんですよね。僕も戦術的にたくさん試合を見るんですが、ビルドアップがなかなか読めない。3センターバックの真ん中の選手がすごく高い位置に出ていったり、左のセンターバックも色々な位置に動きます。あのビルドアップは読みづらいし、相手からしても捕まえづらい。解説中にもよく探しているんですが、一見は不規則に見えても、規則性があるんじゃないかなと。選手も少し入れ替えながら戦っているので、その選手によっては少し変わってくる。すごく面白いですよ。

    ――守備とビルドアップに特徴のあるチームということですが、優勝を目指す上で求められることは何でしょうか?

    守備面ではある程度守れると思うので、あとは攻撃ですね。1点だけじゃなくて、2点、3点と決勝トーナメントで取れるようになってくると、より優勝に近づいてくると思います。(控え起用の多いメフディ)タレミは、あの高いレベルで、かつインテルでプレーするのは大変だと思いますが、少し結果が出れば変わると思います。あとFWでは(マルコ)アルナウトヴィッチとかもいますし、彼も1発を持っているので、そこがハマれば良くなってくる思います。

    ――チームのキープレイヤーを一人挙げるとすれば?

    (ハカン)チャルハノールです。オープンプレーだけじゃなくてセットプレーも勝敗の重要な鍵を握るので、彼のキック精度がすごく大事になると思います。(マルセロ)ブロゾヴィッチが退団した後、3-1-4-2のアンカーとして素晴らしいプレーをしていますし、そのポジションの他のスター選手に全く引けを取らないプレーヤーになっていると思います。あの展開力には期待したいですね。

  • guardiola(C)Getty Images

    悩みに悩んだ末の5クラブ目は…

    ――それでは、最後に5クラブ目の優勝候補を挙げてください。

    最後が迷いますね……。アーセナルも良いと思うんですが、優勝を考えるとまだ見えませんし、バイエルン・ミュンヘンもあるし……5つ目は迷います。

    迷うな……でも、やっぱりマンチェスター・シティを挙げます。

    確かに今の状況はボロボロです(取材時点で直近の公式戦1勝2分け8敗)。ボロボロなんだけど、なんだかんだマンチェスター・シティは上がってくるんじゃないかと思います。優勝を考えると、その力を持っているチームです。今の状態で優勝候補に挙げると馬鹿にされる可能性はありますが、それでもシティだと思います。

    もともと後半戦に強いチームでしたが、そうは言ってもここまで前半戦で苦しむシティはここ数シーズンありませんでした。これをジョゼップ・グアルディオラ監督がどう改善していくか、どう奮起していくのかは楽しみですね。

    ――では、一番の改善ポイントは?

    やはりロドリの不在によるゲームコントロール、トランジション・スペース管理に加え、戦術的な部分での柔軟性や改善も必要だと思います。でも、最後は「気合い」ですね。

    あのレベルの選手になると、モチベーションやメンタリティーの部分がすごく大事だと思うので、そこに期待したいですね。そこが変わればガラッと変わるチームです。

    今はチーム全体が落ち込んでいる感じがしたり、少しやる気のないプレーが見えたり、チームに自信がない感じを受けます。変なミスやらしくないミスも多発していますね。そのあたりは自分たちのモチベーションの部分だと思いますし、そのモチベーションや全体のインテンシティが上がってくると、間違いなく候補になってくるチームだと思います。

    ――キーマンは誰でしょうか?

    「ペップ・グアルディオラ」でしょう。最近は少しネガティブなコメントも増えましたし、頭を引っ掻く回数も増えていますし、彼に対してネガティブな意見も確かにあります。でも、そこはペップですから。何度もタイトルを手にしてきた名監督です。なにかしてくれると思いますよ。

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