25 Greatest Premier League Players GFXGOAL

アンリ、デ・ブライネ…21世紀プレミアリーグで最高の選手ベスト25

21世紀これまでのプレミアリーグで最高の選手を25人選ぶ――誰からもありがたがられない仕事だ。プレミアリーグは地球上で最も人気のあるリーグであり、誰もが言いたい放題言い、議論の絶えないリーグだ。好きなプレミアリーグのチームがないサッカーファンは世界中のどこにもいない。少なくとも誰もが日々試合を見ているはずだ。そして、プレミアリーグ史上最高のチーム、最高の選手は誰かについて、みんなが意見を持っている。

以下に挙げるリストは獲得したタイトル数、才能、活躍年数の長さ、インパクトに基づいたものだが、怒涛の批判が起こるに違いない。しかも、あろうことか、現代サッカーの偉大な選手であるロベール・ピレス、ネマニャ・ヴィディッチ、ソル・キャンベル、ガレス・ベイル、ロビン・ファン・ペルシは選考外なのである!

2000年1月1日以前の偉業やパフォーマンスは考慮されないということを明記しておかなければならない。歴代ベストイレブンには必ず名前が挙がるだろう、アラン・シアラーやロイ・キーンのようなプレミアリーグのレジェンドたちの絶頂期は入らないのである。しかし、こんな言い訳をしても最悪の反発を招くことは避けられないだろう。リストに入れる、もしくは入れないに関して、議論や反論を呼ぶようなケースが多すぎるのだ。

では、お待ちかねの発表だ。早く読めば読むほど、早くコメント欄に怒りを書きこめるのである!

  • Yaya Toure Manchester City 2018 Premier LeagueGetty

    25ヤヤ・トゥーレ

    マンチェスター・シティがイングランド・サッカーの頂点へとのぼっていく中で、最も影響力のあった選手であると思われるヤヤ・トゥーレは、2010年にバルセロナから加入すると、たちまちマンチェスター・Cの中盤の中央の巨人となった。元コートジボワール代表のトゥーレは絶対的にあらゆる才能を備えた選手で、恐ろしいほど素晴らしいテクニックとフィジカルを持ち、彼に倒すことはほとんど不可能だった。

    トゥーレは、マンチェスター・Cが初めてプレミアリーグ二冠を達成した2011-12シーズンと2013-14シーズンに、PFA年間ベストイレブンに選ばれた。特に2013-14シーズンには20得点もしている。2018年にエティハドを去った時には、キャプテンのヴァンサン・コンパニがこう言った――「ヤヤには感謝しかない。このクラブでレジェンドと呼べる選手がいるとすれば、それは彼だ」。

  • 広告
  • Cesc Fabregas Arsenal Getty Images

    24セスク・ファブレガス

    アーセナルでデビューした時のセスク・ファブレガスは、まだ16歳だったが、ガナーズがバルセロナから真に特別な才能を持った選手を獲得したことは、あっという間に明らかになった。優雅だが闘争心のあるMFで、その若さからはとても考えられない、驚異的な落ち着きと質の高いパフォーマンスを見せた。実際、2008年にアーセン・ヴェンゲルがファブレガスをチームのキャプテンにした時、誰も驚かなかった――その時まだ21歳だったというのに。

    「インヴィンシブルズ(無敵のチーム)」の2003-04シーズンにプロデビューを果たしてはいたが、プレミアリーグの試合には出場しておらず、メダルはもらえなかった。しかしながら、2014年にチェルシーに加入してイングランドに戻った後は2つのタイトルを獲得し、パスレンジの広さで観客を魅了し続け、最終的にプレミアリーグで111アシストを記録した。これは、歴代3位の記録である。

  • Luis Suarez LiverpoolGetty

    23ルイス・スアレス

    この選手のランキング入りが論争を呼ぶのは間違いない。現役時代、このウルグアイ代表は喧嘩っ早く攻撃的で時には人に嚙みついた。プレミアリーグにいたのは、たった3シーズン半。それでも年間ベストイレブンに2度選ばれ、2013-14シーズンにはわずか33試合出場で31得点という記録を打ち立て、年間最優秀選手賞も獲得した。

    このリヴァプールの元ストライカーは、それまでのイングランドのサッカー選手の誰とも違って、どんな角度からでもあらゆるタイプのゴールを決めることのできる、生まれついての恐ろしい才能の持ち主だった。プレスをかけ続けてDFを苦しめ、誰もいないスペースを見つけだす才能を驚異的に発揮してDFを翻弄した。「あんなコンビネーションはありえない」と、スティーヴン・ジェラードが後にスアレスについて言っている。「自分の才能を惜しげもなく使って、チームのためにアシストしたりチームメイトに得点させたりして、奇跡的なサッカー選手だった」。

  • Chelsea v Tottenham Hotspur - Premier LeagueGetty Images Sport

    22アシュリー・コール

    アシュリー・コールは常に対立を引き起こす選手だった。2006年、同じロンドンをホームとするライバルのチェルシーに移籍する時のダラダラしたやり方に怒ったのはアーセナルのファンだけではなかった。とは言え、この「Cashley(キャッシュリー)」が傑出した選手だったことに異議を唱える人は誰もおらず、その全盛期には世界最高の左サイドバックであったことは間違いない。

    まだ10代だった頃にアーセナルのスタメンに抜擢され、絶対的な天賦の才能を発揮して、二冠を達成したチームの主力となった。大騒ぎとなった退団の後、スタンフォード・ブリッジで3度目のプレミアリーグ優勝に邁進し、4度目のPFA年間ベストイレブン獲得も果たした。

    「彼は確かにプレミアリーグで過去最高の左サイドバックだった」と、最近、ヴェンゲルは言っている。「クラブレベルで彼がしたことを見れば、彼はコンスタントに素晴らしかった。大物選手とは常にそういうものだ」

  • Petr Cech Chelsea Premier League trophyGetty

    21ペトル・チェフ

    そもそもペトル・チェフはピーター・シュマイケルからプレミアリーグで最高GKの座を譲り受けた選手で、シュマイケルの素晴らしい成績を超えた選手であることは間違いない。実際、無失点試合の数で言えば、チェフは他の追随を許さない。

    プレミアリーグでの15試合で202回の無失点試合を記録し、2位の選手との差は33回にもなるし、2つの異なるチーム(チェルシーとアーセナル)での合計4度のゴールデングローブ賞受賞は最多タイだ。単独のシーズンで無失点試合24回という彼の最高記録を破る背番号1が現れる可能性も、非常に低いだろう。

    確かにチェフの前にはイングランドで屈指のバックラインがいたかもしれないが、4度のプレミアリーグ優勝を誇るチェフのことを、あの偉大なジジ・ブッフォンが世代最高のオールラウンドなGKと評したことは覚えておく価値があるだろう。

  • Virgil van Dijk Liverpool 2024-25Getty Images

    20フィルジル・ファン・ダイク

    フィルジル・ファン・ダイクは、引退までにプレミアリーグ最高のDFと評される権利を確実にすることだろう。現在33歳になってもまだ、彼はサッカー界で最も素晴らしいセンターバックであり続けている。

    契約が満了する2025年の夏以降もこのオランダ代表がアンフィールドにいるかどうかに多くのことがかかっているのは間違いないが、すでにファン・ダイクはリヴァプールのレジェンドであると言ってよく、彼がサウサンプトンから加入したおかげでレッズは世界最高のチームとなることができ、一度も成し遂げられていなかったプレミアリーグ優勝を果たせたのだった。

    その結果、ヴァンサン・コンパニは、4度PFA年間ベストイレブンを獲得し2018-19シーズンに年間最優秀選手賞を受賞したファン・ダイクのことを、自分自身のみならず、リオ・ファーディナンドやジョン・テリーのような選手よりも上位に来るだろうと思っている。「リヴァプールは、フィルジルが来る前と後で分かれる…。だから、私は彼に(そのシーズンのトップの座を)譲るよ」と、マンチェスター・Cのカリスマは言った。

  • Erling Haaland playing for Manchester City in the 2024-25 Premier League seasonGetty

    19アーリング・ハーランド

    アーリング・ハーランドはまだイングランドに来てから3シーズン目に入ったばかりだが、このマンチェスター・シティのFWのことを、すでにプレミアリーグ歴代最高のストライカーと言う人もいる。その理由は簡単だ。ハーランドの得点数は衝撃的で、限界知らずなのである。

    平均で1試合に1得点を挙げており(執筆時点で73試合73得点)、すでに2度も得点王に輝いている。わずか2年で、ハリー・ケインがプレミアリーグにいた間に成し遂げたのと同じ回数(8回)のハットトリックも決めているのだ。

    ハーランドがマンチェスター・Cに在籍し続け、大きなケガなく過ごせれば、イングランドのサッカー史における、あらゆる得点記録を更新することだろう。「彼はとてつもないマシーンだ」と、ペップ・グアルディオラは言う。マンチェスター・Cの監督は、「得点数においてはクリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシに匹敵する」選手だと信じているのである。

  • Harry Kane Tottenham 2017-18Getty Images

    18ハリー・ケイン

    「一発屋」がプレミアリーグ史上最もコンスタントな選手のひとりとなった! ハリー・ケインは偉大な選手になるような才能の持ち主だとは決して思われていなかった。トッテナム在籍中の初期にレイトン・オリエント、ミルウォール、ノリッジ・シティ、レスター・シティへレンタルに出されていたが、2014-15シーズンに34試合で21得点を記録した後は二度と後戻りすることはなく、得点を奪い続けている。

    昨年バイエルン・ミュンヘンに移籍するまでに、ケインは208得点でプレミアリーグ史上第2位の得点数を記録。得点王に3度輝き、合計6回、PFA年間ベストイレブンに選ばれた。

    プレミアリーグのトロフィーを手にすることはできなかった(どんなトロフィーも手にしていない)かもしれないが、ケインは間違いなくプレミアリーグの偉大な選手のひとりであり、世界で最も完成されたFWのひとりとして広く認められている。

  • John Terry ChelseaGetty

    17ジョン・テリー

    ジョン・テリーは人としての評価は二分されるが、プレミアリーグのファンの大半は、彼が歴代最高選手のひとりであることに同意するだろう。チェルシーのユースチームを経て、この妥協を知らないセンターバックは、ロマン・アブラモヴィッチが高額で契約したワールドクラスの選手たちでいっぱいの更衣室で圧倒的な力を持つ選手となった

    2004年、ジョゼ・モウリーニョはテリーをすぐにスタンフォード・ブリッジを掌握するキャプテンに任命したが、この決定はほぼ即座に正しかったことが判明した。テリーはブルーズを連続優勝へと導いたのである。現役を終えるまでにテリーは5度プレミアリーグ優勝を果たし、41得点をあげた。DFとしてはリーグ史上最多である。チェルシーファンにとって「キャプテン、リーダー、レジェンド」であり続けることは間違いない。

  • Rio Ferdinand Man UtdGetty

    16リオ・ファーディナンド

    イングランド出身のセンターバックとしては異端のリオ・ファーディナンドは、ポゼッションにおいて手本となるような落ち着きを示し、何の苦もなくバックラインから中盤へボールを運ぶDFであった。6度のプレミアリーグ優勝を誇るファーディナンドはネマニャ・ヴィディッチのような「ストッパー」と組むことが多く、「汚れ仕事」も出来て、空中戦でもタックルでも強かった。

    ファーディナンドは安定性においても卓越していた。オールド・トラフォードにいた12シーズンの半分の6シーズンでPFA年間ベストイレブンに選ばれている。「彼は私がともにプレーしたセンターバックの中で間違いなく最高の選手だ」と、後にポール・スコールズは明かしている。「一時は世界最高のセンターバックでもあったと思う。彼の前でプレーする時は仕事が楽だった」。

  • Rodri Manchester City 2024Getty Images

    15ロドリ

    プレミアリーグで最後にバロンドールを獲得したのは2008年のクリスティアーノ・ロナウドだが、それはまもなく変わることだろう。マンチェスター・シティでもスペイン代表でも再び素晴らしいシーズンを送ったロドリには、報われる準備が出来ている。現代サッカーで最も優雅で効果的な守備的MFのひとりであるロドリは、もうずいぶん前からそうした評価を受けることが待ち望まれていた。

    ここ数年のサッカー界で、彼以上にコンスタントで影響力のある選手はいない。2019年にペップ・グアルディオラのチームと契約して以来、何度も、そのオールラウンドな才能をまったく違うレベルまで高めてきた選手である。実際、4度のタイトル優勝を誇り、バックでもプレーすることができ、最近は得点力まで身につけた。つまり、今やロドリはトータル・サッカーの選手なのである。「彼は何でもできる」と、グアルディオラは言った。「信じられない選手だ」。

  • Didier Drogba Chelsea Getty Images

    14ディディエ・ドログバ

    これまでプレミアリーグに彼以上にターゲットとなれる選手がいただろうか。ディディエ・ドログバは背番号9に求められるフィジカルをすべて、身長もスピードもパワーも備えている。元コートジボワール代表のドログバは、敵に回すと恐ろしい選手で、信じられないほど献身的だった。対戦相手には悪夢を、味方には夢を与える選手だったのだ。

    カルレス・プジョルは、自分が対戦した中で最もタフな相手はドログバだったと公言しており、元チームメイトのフランク・ランパードは、ドログバは大舞台の方が素晴らしかったと指摘している。「まったく違うディディエだった」と、ランパードは言う。「まるで獣のようだった」。

    ドログバはチェルシーにいた2シーズンでプレミアリーグ104得点を挙げ、得点に2度輝いた。2005-06シーズンにはアシストでもトップで、4つのタイトルも獲得している。一言で言えば、ほとんど止められることなく成功したストライカーである。

  • Stoke City v Manchester City - Premier LeagueGetty Images Sport

    13ヴァンサン・コンパニ

    ヴァンサン・コンパニは2008年にマンチェスター・シティに加入し、11年後に退団する時には、プレミアリーグ歴代最高のセンターバックのひとりと称賛されるようになっていた。そびえたつような長身で、当然のことながら空中戦では敵を圧倒していたが、この元ベルギー代表は、魅力的なボールの配給者であり、周りの選手たちを自在に操っていた。しばしば、特にエティハドでの最後の数年ではケガに悩まされたが、チームメイトに最も必要とされる時には、ほとんどいつもその場に駆けつけていた。

    実際、このマンチェスター・Cの元キャプテンは、クラブ史上最も重要な2つのゴールを決めている。2012年のマンチェスター・ユナイテッド戦での力強いヘディングと、2019年のレスター・シティ戦での目の覚めるような長距離シュートである。いずれもタイトル獲得につながった。プレミアリーグの殿堂入りを果たし、ケヴィン・デ・ブライネが言ったとおり、「偉大な選手であり、偉大な人物であり、偉大なリーダー」であった。

  • Eden Hazard Chelsea Premier LeagueGetty

    12エデン・アザール

    レアル・マドリーでのエデン・アザールの劇的とも言える凋落は、驚きと同時に悲しみである。チェルシーでの7シーズンの大半で、彼がプレミアリーグで最高の選手であったことは間違いないのだから。

    重心が低くてボールコントロールが素晴らしく、卓越したドリブル技術の持ち主であるアザールは、2012年にリールから移籍してくるとたちまちスタンフォード・ブリッジで英雄となり、当然ながら、偉大なるジャンフランコ・ゾラと比較されるようになった――ゾラ本人からさえも。

    アザールはチェルシーの2つのタイトル獲得に貢献し、2014-15シーズンにプレミアリーグ年間最優秀選手賞を受賞。他の3シーズンには年間ベストイレブンにも選ばれた。これ以上の成果をあげることなどできようか。まったくもって、アザールは「恐るべきトレーナー」であった。だが、かつてガリー・ネヴィルが言ったとおり、彼のプレーを見ることは、詩が動いているのを見るようなものだった。

  • Sergio Aguero Manchester City 2011Getty

    11セルヒオ・アグエロ

    プレミアリーグ史上最も有名なゴールを挙げた男。2011-12シーズン、アグエロは考えうる最もドラマチックな方法で、QPRのゴールの奥に適切な強さと正確さをもってシュートを叩きこみ、マンチェスター・シティにタイトルをもたらした。これは、5度のプレミアリーグ優勝を誇るこの元アルゼンチン代表FWの初めての優勝だった。アグエロは合計184得点を挙げ、歴代第5位の得点数を記録している。

    定期的にケガに悩まされることさえなければ、アグエロはもっと上位になっていただろうが、この小柄で爆発的なロマーリオ似のストライカーは、イングランド・サッカー史上最高のFWのひとりとして永遠に記憶されることだろう。「アグエロの数字がすべてを物語っている」と、かつてペップ・グアルディオラは指摘した。「彼はレジェンドであり、クラブの歴史の一部だ」。そして、プレミアリーグの歴史の一部でもある。

  • David Silva Manchester City 2019Getty

    10ダビド・シルバ

    魔法のような10シーズンの間、「マーリン(訳注:アーサー王伝説に出てくる魔術師の名)」と呼ばれた司令塔は、その左足でプレミアリーグを輝かせた。ピッチでサッカーをするシルバを見るのは喜びであり、他に類を見ない、妖精のような存在で、軽やかにライン間を動きまわり、そのドリブル技術と正確なパスでどこに行っても混乱を巻き起こした。

    ロベルト・マンチーニは、マンチェスター・シティがどうやってシルバと契約したか、まったく理解できなかったと指摘している。当時はシルバを尊敬するアンドレス・イニエスタとチャビがバルセロナにいたのだから。

    だが、結果として、シルバはエティハドで活躍した。4度のプレミアリーグ優勝を果たし、年間ベストイレブンに3度選ばれ、歴代アシスト数第7位の選手がいなければ、マンチェスター・Cが前例のない大成功を収めた時代は訪れなかっただろう。

  • Cristiano Ronaldo Manchester UnitedGetty

    9クリスティアーノ・ロナウド

    クリスティアーノ・ロナウドはオールド・トラフォードでの2度目の残念な時期に、マンチェスター・ユナイテッドのレガシーとしてのみずからの地位を汚したかもしれないが、見かけ倒しと思われていたこのポルトガル代表が、イングランドに来た最初の時に地球上で最も完璧なFWに成長していった姿を忘れる者は誰もいないだろう。「ここ数年、『ジョージ・ベストの再来』と言われた選手は何人かいたが、それが私に対する褒め言葉になったのは初めてだ」と、2003年にベストは皮肉まじりに言った。

    実際、C・ロナウドはマンチェスター・Uの背番号7を着るのに最も値する選手であることを証明した。踊るような足技と魅惑的なシュートをもつC・ロナウドは、2009年にレアル・マドリーへ旅立つ前に、赤い悪魔の3シーズン連続プレミアリーグ優勝のうちの2シーズンで年間最優秀選手賞を受賞した。2007-08シーズンには、わずか34試合で31得点を挙げ、得点王とヨーロッパ・ゴールデンシュー賞を受賞した。

  • Patrick Vieira Arsenal Getty Images

    8パトリック・ヴィエラ

    パトリック・ヴィエラは典型的な現在のMFである。長身だが技術も優れており、どうやってボールを奪い、それを効果的に利用するかを知っている、優雅でインテリな選手であった。その結果、この恐るべき元フランス代表は、「インヴィンシブルズ(無敵のチーム)」の心臓となり、チーム全体を動かした不屈の力となった。

    ヴィエラは、他の選手では真似できない卓越したレベルに到達し、そのレベルを維持した。そのことを見事に証明していることに、このアーセナルの元キャプテンは6シーズン連続でPFAのプレミアリーグ年間ベストイレブンに選ばれている(90年代に5回)。

    「彼は我々にとって特別な選手だった」と、後にヴェンゲルはヴィエラについて語っている。ヴィエラは現役の最後にマンチェスター・シティでも活躍した。「パトリックのアーセナルへの貢献を我々は永遠に感謝する。彼は特別だった」。

  • Salah LiverpoolGetty Images

    7モハメド・サラー

    リヴァプール所属のエジプトのキングは、2017年にローマからアンフィールドにやってきた時には、とりたててゴールを量産する選手だとは思われていなかったが、すぐに、わずか36試合で32得点を挙げ、プレミアリーグの単独シーズンでの得点記録を更新した。さらに2度の得点王となった。とは言え、彼の最も輝かしい業績は、間違いなく、2019-20シーズンにレッズを30年ぶりのプレミアリーグ優勝に導いたことである。

    サラーが73アシストもしていることを考慮し、32歳という年齢でも衰えの兆候がまったく見えないことを考えると、このウイングがプレミアリーグのDFを苦しめきったと判断する頃には、このリストのもっと上位に行くことだろう。かつてクロップは言った――「数年後に彼が解説者としてスタジオにいる時には、彼がどんなにすばらしかったかを誰もが知ることだろう。だが、我々はもう知っている。彼は歴代最高選手のひとりだ」。

  • Frank Lampard Chelsea 2005Getty

    6フランク・ランパード

    今となっては笑い話だが、2001年、チェルシーがウェストハムからフランク・ランパードを獲得した時のチェルシーのファンは少なからず疑問を抱いていた。だが、ランパードはすぐにスタンフォード・ブリッジのスターとなり、サッカー界で最も恐ろしく、リスペクトされる選手のひとりとなった。2005年には13得点を挙げ、アシストではトップになってチェルシーの1955年以来のイングランド・トップリーグ制覇に貢献し、バロンドール投票でロナウジーニョに次ぐ2位にもなった。

    翌年には16得点でブルーズを連覇に導き、総じて、プレミアリーグで10シーズン連続二けた得点を記録した。これは、彼の素晴らしい得点力だけでなく、見事な安定性の証明でもある。得点とアシストの両方で秀でたランパードは、イングランドが生んだ最も完璧なMFのひとりといって間違いない。

  • Liverpool's English midfielder Steven GeAFP

    5スティーヴン・ジェラード

    リヴァプールのファンから愛され、ライバルたちからは呪われたスティーヴン・ジェラードは、今でもプレミアリーグの歴史に、非常に評価の分かれる選手として刻まれている。実際、彼をこのリストに入れるべきではないという人もいた。というのも、彼はひとつもタイトルを獲得しておらず、2014年のチェルシー戦では、彼の悪名高きスリップのせいで、ブレンダン・ロジャーズ率いるレッズがタイトルを逃すことになったからだ。

    しかしながら、ジェラードはPFA年間ベストイレブンに8回選ばれたが、この記録は今でも破られておらず、当然のことながらプレミアリーグの殿堂の第一期生のひとりとなった。リヴァプールで「ロイ・オブ・ザ・ローヴァーズ」を地で行ったジェラードは、多才なMFで、時にははるかに劣ったチームメイトに囲まれながら、繰り返しチャンスをつかんだ。事実、偉大なポール・スコールズでさえ、アンフィールドであれほど長くチームを率いたジェラードと同じようにはできなかったと認めている。

  • Manchester City FC v Ipswich Town FC - Premier LeagueGetty Images Sport

    4ケヴィン・デ・ブライネ

    マンチェスター・シティはプレミアリーグで最も人気のあるチームとは言えないが、ケヴィン・デ・ブライネのプレーを見て感動しない人を見つけることは難しいだろう。この素晴らしいベルギー代表は、絶好調の時には見ていて楽しいサッカーをし、誰も見たことのないようなパスを素晴らしく優雅に出せるサッカー選手である。プレミアリーグのプレーメーカー・アワード(アシスト王)を3度も受賞しているのも当然だ。

    定期的にケガに悩まされることさえなければもっと凄かったかもしれないが、デ・ブライネの、誰にも止められない激しさと革新に満ちたキャリアは非常に印象的である。プレミアリーグを6回優勝し、年間ベストイレブンに5回選ばれた。簡単にいえば、デ・ブライネは、イングランドの試合を彩った最高のサッカー選手のひとりであり、かつてジョー・コールが言ったとおり、「攻撃的MFのゴッドファーザー」なのである。

  • Wayne Rooney Man UtdGetty

    3ウェイン・ルーニー

    2002年10月19日、グディソン・パークで、エヴァートンの16歳のウェイン・ルーニーが、驚くべきシュートでアーセナルの30試合連続不敗記録を止めた時、ヴェンゲルはこのすでに完成されたFWを、ガナーズの監督になってから見てきた中で「イングランド最強の才能」だと言った。サー・アレックス・ファーガソンも感激し、わずか2年後に、このリヴァプールのストリート・サッカー選手を2,500万ポンド(約50億円)でマンチェスター・ユナイテッドに移籍させたが、これが非常に安い買い物であったことは証明されている。ルーニーはオールド・トラフォードで、5度のイングランド制覇を含む16個のトロフィーを獲得し、マンチェスター・Uの歴代最多得点選手(208ゴール)となった。

    ルーニーと言えば、もっとちゃんとした生活をすればもっと凄い成績をあげられたはずだと常にやかましく言われているが、それでも彼は真に特別なオールラウンドのストライカーであり、プレミアリーグ歴代2位の得点と4位のアシストを記録している。

  • Manchester City v Manchester United - FA Cup Third RoundGetty Images Sport

    2ポール・スコールズ

    ポール・スコールズは11回プレミアリーグを優勝しており(2000年以降に8回)、イングランドのサッカー史上最も成功した選手のひとりと言える。だが、トロフィーの数以上に印象的なのが、仲間たちからの評価であることは間違いない。ティエリ・アンリはスコールズのことをプレミアリーグで最高の選手と評し、ジネディーヌ・ジダンは最もタフな敵だったと言い、シャビは「お手本」と呼んだ。

    スコールズはあらゆる可能なパスを見ることもプレーすることもでき、稲妻のようなシュートを打つこともできた。プレミアリーグで107得点を挙げ、その多くが見る者を興奮させるシュートであった。スコールズの技術がイングランド代表としてはまったく機能しなかったことは間違いないが、それでもサー・アレックス・ファーガソンは、この「ジンジャー・プリンス」の力を最大限引き出す方法を正確に知っており、スコールズは2013年に引退を撤回して、またひとつタイトルを獲得した。「彼は完全に完璧な選手だった」と、ファーガソンは熱く語った。

  • FBL-ARSENAL-KEOWN-TESTIMONIALAFP

    1ティエリ・アンリ

    このリストのここまでを完成させるのは信じられないほど難しいことだったかもしれないが、ナンバー・ワンにするべき選手にはいささかも疑いはなかった。アンリはただ単に、今世紀最高のプレミアリーグの選手であるだけでなく、歴代最高のサッカー選手なのである。

    猛烈なスピードを持ち、確実に仕留めるストライカーであるアンリは、決定的であると同時にエレガントで、アーセナルの歴代最多得点選手であり、自分ひとりで敵をズタズタにすることができた。「彼はDFを翻弄した。得点したいときに得点できた」と、アンリをウイングからストライカーにコンバートした、ヴェンゲルは言った。

    アンリは歴史的な2003-04シーズンに比類なき最高のプレーをし、「インヴィンシブルズ(無敵のチーム)」で30得点を挙げた。この元フランス代表FWは、同じシーズンに20得点20アシストを記録し、今でもこれを達成した唯一の選手となっている。この記録は、彼の素晴らしきオールラウンド性を完璧に証明するものである。