41億円で緊急補強…アーセナルのトロサール獲得が納得できる5つの理由

ここが重要なポイントだ。トロサールはシーズンの重要な分岐点に到着したが、新しい国や新しい生活様式に適応するために時間は必要なく、プレミアリーグの激しさに身構える必要もないだろう。

アーセナルがタイトルを狙う中で、すぐに馴染み、即戦力として活躍することが期待されている。

1月というのは、特にイングランド以外のクラブから移籍してきた選手にとっては、チームに溶け込むのが難しい月である。

そのため、トロサールがプレミアリーグで何を期待すべきか、対戦するチームやディフェンダーを正確に把握しているという事実は、ミケル・アルテタにとって大きなプラスとなるだろう。

もうひとつの大きなプラスは、トロサールがブライトン時代に、トップレベルでも十分通用することを証明していることだ。

プレミアリーグがどんなものかを知っている者としてだけでなく、この国の最高峰の選手たちと戦ってきたアタッカーとしてやってくるのだ。

ブライトンでは昨シーズン、32試合で8ゴールを挙げ、今シーズンもわずか16試合の出場ですでに7回ネットを揺らしている。

アンフィールドではハットトリックを達成し、エティハドでもゴールを決め、昨シーズンはアーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナムを相手に得点を挙げている。だから、彼がトップチーム相手に結果を出せることは分かっている。

実際、イングランドに来てからのリーグ戦25ゴールのうち、13ゴールはいわゆる「ビッグ6」に対するものであり、これは彼が大舞台に強い選手であることを証明している。

トロサールの好みのポジションは左サイドだが、両足でプレーすることに長けているため、右サイドでもプレーすることができる。また、中央やフォワードの後ろ、あるいは偽9番としてもプレーすることができる。

アルテタにとって、この万能性は大きなプラスになるだろう。

今月加入した選手が、たとえクラブ史上最高額の移籍金でムドリクだったとしても、先発が約束された選手である可能性は極めて低い。

ガブリエウ・マルティネッリやブカヨ・サカをサイドから外す選択肢はない。アーセナルにとって重要なことは、これら 2 人のウイングのカバーを提供し、アルテタがチームのレベルをあまり下げることなく、彼らを休ませることができるという点だ

トロサールの到着は、確かにそれを実現し、またエミール・スミス＝ロウのフィットネスへの復帰とも重なった。この2人の選手がフィットし、準備が整えば、アルテタのオプションは突然、非常に強力に見えるようになる。

トロサールがアーセナルのファーストチョイスでなかったことは周知の事実だが、彼の獲得はパニック・バイではない。

彼の移籍金は2100万ポンド（約33億7000万円）で、さらに500万ポンド（約8億円）が追加で支払われる予定だ。

これは、先月28歳になったばかりの実績あるプレミアリーグの選手にとっては良い価格であり、アーセナルが潜在的にムドリクに費やすつもりだった金額よりもおよそ5000万ポンド（約80億円）安い。

この資金は移籍金として残り、スペツィアからヤクブ・キウィオルを獲得するために費やされた2000万ポンド（約32億1000万円）のように、他の場所に使うことができるのだ。

あるいは、夏に、ウェストハムのキャプテン、デクラン・ライスを獲得することが期待されている。

アーセナルとブライトンの戦い方は似ているところがたくさんある。

どちらも前線からのプレスを好むハイテンポなチームで、トロサールはアーセナルで要求されることに何の問題もなく適応できるはずである。

今シーズンこれまで、彼はファイナルサードで20回、90分あたり平均1.4回のポゼッションを獲得している。これは、プレミアリーグで6位にランクインしている。

これこそ、アルテタがフォワードに求める仕事量であり、今シーズンのアーセナルのプレーの特徴であるハイエナジー・フットボールのタイプである。

トロサールは技術的に優れており、どちらの足でもプレーできる。これは、アーセナルの流麗なスタイルに比較的容易に溶け込むことができる特徴である。

このように、今回の補強は非常に理にかなったものだった。