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サラー完封の冨安健洋、現地番記者が高評価!アーセナルvsリヴァプールの"勝者"と"敗者"。採点と評価は?

アーセナルは9日、エミレーツ・スタジアムで行われたプレミアリーグ第10節・リヴァプール戦に3-2で勝利し、プレミアリーグの他のチームへ大きなメッセージを送った。ブカヨ・サカの2ゴールとガブリエウ・マルティネッリの1ゴールで、ガナーズは2020年以来初めてレッズを撃破し、この結果、マンチェスター・シティを抜いて首位に返り咲いた。

アーセナルはこれで、今季のリーグ開幕8試合で2勝しかしていないリヴァプールとの勝ち点差を「14」に離している。

マルティネッリはわずか58秒後にゴールを決め、アーセナルに完璧なスタートをもたらした。34分にはダルウィン・ヌニェスが価値ある同点弾を決めたが、サカがマルティネッリの素晴らしい仕事からゴールを決め、アーセナルがハーフタイム直前にリードを取り戻した。

後半開始早々、リヴァプールは同点弾を決めたロベルト・フィルミーノを中心に再び反撃に出たが、試合終了15分前にガブリエル・ジェズスがファウルを受けて得たサカのPKで、ついにアーセナルに勝ち点3がもたらされた。

では、この試合の"勝者"と"敗者"となったのは誰だろうか。

  • Arsenal(C)Getty Images

    勝者

    ・ガブリエウ・マルティネッリ

    なんてパフォーマンスだ!ユルゲン・クロップほどのマルティネッリの大ファンはいないが、リヴァプールの監督は試合後の夜にこのブラジル人選手の悪夢を見たことだろう。彼の素晴らしさはわずか58秒で決めたゴールや、ブカヨ・サカの2点目をお膳立てした肺活量たっぷりの走りだけでない。オールラウンドなパフォーマンスに、最初から最後まで興奮しっぱなしだったのだ。

    この21歳の選手は、リヴァプールに対して同じプレミアリーグの試合で得点とアシストを記録したアーセナルの選手として最年少の記録に。また、マルティネッリのゴールは、2011年のサンダーランド戦でロビン・ファン・ペルシーが決めたゴール以来、アーセナルがプレミアリーグで記録した最速の得点だった。ジェズスは当然ながら、今シーズンの大半で主役となっているが、マルティネッリも同様に印象的な活躍を見せている。

    ・冨安健洋

    ミケル・アルテタが冨安を左サイドバックに起用したのは、大きな決断だった。特にキーラン・ティアニーをベンチに置いたことで、この日本代表選手に注目が集まったが、彼はモハメド・サラー相手に素晴らしいパフォーマンスを見せた。ティアニーほどの攻撃的な脅威はないが、冨安は明らかにスコットランドのスター選手より上だ。サラーに仕事をさせず、リヴァプールの左サイドの脅威をシャットアウトしようとしたのだ。そして彼はそれを見事に成し遂げ、サラーが20分以上を残して交代するまでに彼のシュートを1本だけに抑えてみせた。

    ・ブカヨ・サカ

    サカは、わずか1試合で今季のゴール数を3倍に伸ばした。ごっつぁんゴールとペナルティーキックの2ゴールだったが、これからのシーズンに向けて、サカにとって大きな意味を持つだろう。この試合の前に1点しか決められていなかったことを、サカは悔やんでいたことだろう。アルテタは、この試合がサカのシーズンに火をつける試合になることを望んでいるはずだ。

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  • Liverpool(C)Getty Images

    敗者

    ・キーラン・ティアニー

    試合前、アーセナルは左サイドバックに誰を起用するのかが話題になっていたが、その議論の中心はオレクサンドル・ジンチェンコかキーラン・ティアニーだった。だからこそ、冨安健洋が先発メンバーに名を連ねたことは大きな驚きだった。戦術的には、アルテタには理由があるだろうし、左サイドから中に切れ込んでシュートを放つのが好きなサラーに対して、右利きの選手を起用するのは確かに良いケースである。しかし、それでもティアニーにとって、アルテタの決断は苦い決断だったに違いない。スコットランド代表DFは今シーズン、すでにジンチェンコに先発の座を奪われ、今度はジンチェンコの負傷で、右サイドバックの選手が先発に抜擢されるのを目の当たりにした。ティアニーは左ウイングバックとして最後の数分間を過ごしたが、厳しい状況となった。

    ・ガブリエウ・マガリャンイス

    またしても、アーセナルのセンターバックはミスを犯してしまった。リヴァプールの最初の同点ゴールの際、クリアを失敗。アーセナルが優位に立つためにできることはまだたくさんあった。しかし、ルイス・ディアスがクロスを上げ、ダルウィン・ヌニェスがゴールをきっちり決めた。このところ苦しんでいるガブリエウのミスを無視することはできない。失点につながるようなミスは、これが初めてではない。このブラジリアンがチームの中でプレッシャーにさらされる可能性はまだないが、基本的なミスを排除する方法を見つけなければならない。

    ・リヴァプールのタイトルへの期待

    シーズン序盤のこの時期でさえ、リヴァプールはタイトル争いに加わるためには、この試合に勝たなければならないと感じていたはずだ。まだ10試合しか消化していないとはいえ、首位との勝ち点差が「14」というのは、ユルゲン・クロップ監督にとってタイトル獲得のチャンスに大きな打撃を与えている。ディフェンス面でも、十分な力を発揮できていないようだ。

  • Arsenal(C)Getty Images

    採点・評価 GK&DF

    アーロン・ラムズデール(6/10)

    両ゴールともどうすることもできない失点だった。序盤に負傷するも回復している。

    ベン・ホワイト(7/10)

    右サイドバックとして印象的なプレーを披露。オーバーラップで前進することを止めなかった。

    ウィリアム・サリバ(6/10)

    堅実なプレーを見せたが、フィルミーノのゴールシーンでは、わずかにポジショニングに難があった。

    ガブリエウ・マガリャンイス(6/10)

    またしても失点に繋がるミスを犯してしまった。このミスをなくさなければならない。それ以外は良いプレーをした。

    冨安健洋(8/10)

    素晴らしいプレー。サラーを終始黙らせた。

  • Arsenal(C)Getty Images

    MF

    トーマス・パーティ(8/10)

    後半は本当に良かった。前半は少し苦戦したが、後半は素晴らしい出来。

    グラニト・ジャカ(7/10)

    またしても印象的。最近見た中では一番深い位置でプレーしていた。統制が取れている。

    マルティン・ウーデゴール(7/10)

    マルティネッリのゴールを見事にアシスト。後半開始早々、好機を無駄にしてしまった。

  • Arsenal(C)Getty Images

    FW

    ブカヨ・サカ(8/10)

    重要な2ゴール。強靭なメンタルをPKで見せつける。

    ガブリエウ・ジェズス(7/10)

    得点には絡めなかったが、仕事ぶりで結果を残した。

    ガブリエウ・マルティネッリ(9/10)

    電光石火の活躍。ゴールとアシストを決めた。走ることを全くもって止めない。

  • Arsenal(C)Getty Images

    サブ&監督

    キーラン・ティアニー(6/10)

    後半10分、ウイングバックとして出場。

    エディ・エンケティア(5/10)

    ジェズスを休ませるため、最後の数分間を過ごした。

    ファビオ・ヴィエイラ(5/10)

    終盤の数分間、アーセナルが試合をコントロールするのに貢献した。

    ミケル・アルテタ (8/10)

    サラーに対して冨安を起用したのは大きな決断だったが、完璧に機能した。

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