プレミアリーグは17日、第17節が開催する。エミレーツ・スタジアムでは、タイトル奪還を狙う2位アーセナルとロベルト・デ・ゼルビ監督の下で躍進著しい8位ブライトンが激突する。
(C)Getty Images三笘薫、vsホワイトで必要な「駆け引き」とは?ブライトンが20年ぶり優勝目指すアーセナルに挑戦
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(C)Getty Imagesアーセナル(2位 勝点36 | 11勝3分2敗 | 33得点15失点)
歴史的な無敗優勝から来年でちょうど20年目、昨季果たせなかったプレミアリーグ制覇へ向けて邁進するアーセナル。前節はアストン・ヴィラとの上位対決を落としたものの(0-1)、首位リヴァプールと1ポイント差の2位とここまでは順調だ。新加入のデクラン・ライスは期待に違わぬ支配的な活躍を続け、11月のクラブ月間MVPに輝いたカイ・ハヴァーツもようやくフィットしてきており、今年夏の大型補強が着実に実を結んでいる。チャンピオンズリーグもグループ首位で決勝トーナメント進出を決めており、上々の前半戦と言えるだろう。
しかし他クラブと同様に、離脱者の多さは気になるところ。トーマス・パーティは9月頭からほとんど出場できず、今季ブレイクを予感させたファビオ・ヴィエイラも年内の出場は難しい状況に。エミール・スミス=ロウはようやく復帰を果たしたが、マルティン・ウーデゴールも万全のコンディションとは言えない中で連戦が続いている。そして、10月の月間MVPを獲得するなど圧巻のパフォーマンスで絶賛を集めていた冨安健洋も、最大で2月まで戦列を離れることが伝えられている。今回の一戦も、残念ながらスタンドで見守ることになりそうだ。
そうして迎えるブライトン戦。ホームでの前回対戦は0-3と完敗したが、ボール支配率40%以下と主導権を握れず劣勢に立たされ続けたことが敗因に。今回の試合では、相手のペースを抑えてコントロールしたい。そのためにも、ライスと中盤に移動する左SBジンチェンコの関係性が重要になりそうだ。特にジンチェンコは、ここまでライスとポジションが被るシーンが散見されており、だからこそ効果的なポジショニングができる冨安が重宝されていた。基本的に自分のボールタッチから展開する傾向にあるウクライナ代表だが、オフ・ザ・ボール時のランでチームを動かせるだろうか。昨季の対戦がタイトルの夢を打ち砕く決定的な敗戦になっただけに、チームだけでなくファンもリベンジにかける思いは強いだろう。試合は序盤からヒートアップするかもしれない。
Getty Images注目選手:ブカヨ・サカ
今季プレミアリーグ連続出場記録がついに「87」でストップしたサカだが、リーグ戦欠場はわずか1試合で15試合に先発中。やや疲れの見るシーンもあるものの、5ゴール7アシストと両スタッツでチーム最多を記録している。最近では相手2人のマークに遭うことがほとんどだが、運び~仕掛けまでドリブルの影響力は一切変わらず、さらに今季は強引な前進やシュートが結果に結びついているため、どの位置で受けても脅威のままだ。特にブライトンは左サイドバックが本職の選手が複数離脱している中でも、高い位置でマンツーマン気味にプレスをかけるスタイルを変えないことが予想されるため、この22歳のアタッカーが輝くシーンは増えそうだ。下部組織育ちのウインガーが試合を決めてくれることをチーム・ファンは期待しているだろう。
(C)Getty Images予想スタメン(4-2-3-1)
▽GK
ダビド・ラヤ
▽DF
ベン・ホワイト
ウィリアム・サリバ
ガブリエウ
オレクサンドル・ジンチェンコ
▽MF
デクラン・ライス
マルティン・ウーデゴール
カイ・ハヴァーツ
▽FW
ブカヨ・サカ
ガブリエウ・ジェズス
ガブリエウ・マルティネッリ
(C)Getty Imagesブライトン(8位 勝点26 | 7勝5分4敗 | 33得点28失点)
昨季の勢いそのままに開幕5試合で4勝(1敗)と素晴らしいスタートを切ったブライトン。しかしヨーロッパリーグ(EL)が始まった9月半ばから明らかに調子を落とし、過密日程に大苦戦。デ・ゼルビ監督もローテーションに悩んでいることを認めていたが、ケガ人続出もあってリーグ戦でも8位まで順位を落としてしまった。主力の中にはコンディションが整わない中で連戦を強いられている選手もおり、年末年始の過密日程に不安を抱えている。
特にダニー・ウェルベック、フリオ・エンシソ、ソリー・マーチ、アンス・ファティと主軸が一気に抜けたアタッカー陣では、三笘薫やシモン・アディングラの酷使が深刻な状況。それでも結果を出すところに指揮官の手腕と選手の能力の高さが垣間見えるものの、本職全員が離脱中の左サイドバックも苦しいやりくりが続いている。今回の大一番も中2日で迎えるなど、十分に回復できないまま臨むことになりそうだ。
とはいえ、初挑戦のELでグループ首位に立って決勝トーナメント進出を決めたチームはモチベーションにあふれているはず。メンタル的なコンディションがフィジカル的な要素を上回ることは、これまでサッカー界で何度も証明されてきた。序盤から攻撃的な姿勢でビッグクラブへ挑むことになるだろう。だからこそ、メンタル的な体力が持つ内に先制点を奪ってしまいたい。相手がペースを掴む前にリードを奪い、余裕を持って試合をコントロールできるだろうか。
(C)Getty Images注目選手:三笘薫
出場すれば鋭い仕掛けや動き出しで相手の脅威になる三笘だが、チーム全体同様に疲労感は否めない。特に11月の日本代表招集を辞退してからはコンディションがなかなか整わず、第6節以降はゴールからも遠ざかる状況だ。それでも直近のマルセイユ戦(1-0)ではフル出場を果たし、現地メディアでも「ベストフォームの兆しが見えた」と高く評価されている。最高の状態で見せる怖さは世界中に知れ渡っているからこそ、このアーセナル戦でその輝きを取り戻したい。なお、今回対峙が予想されるのはベン・ホワイト。冨安ほどスピードやフィジカル、対人能力は高くないため、一度ボールを持って正対すれば主導権は握れるはずだ。しかし、圧倒的なインテリジェンスを持つこの冷静なイングランド人DFは、一対一の状況に持ち込ませない守備で対応してくるはず。つまり、ボールを持つ前の駆け引きで出し抜く必要があるだろう。またホワイトの裏をかいても飛び出してくるのはサリバであり、三笘にはタフな90分間続きそうだ。
(C)Getty Images予想スタメン(4-2-3-1)
▽GK
ジェイソン・スティール
▽DF
ジョエル・フェルトマン
ルイス・ダンク
ヤン・ポール・ファン・ヘッケ
イゴール
▽MF
カルロス・バレバ
パスカル・グロース
シモン・アディングラ
アダム・ララーナ
三笘薫
▽FW
エヴァン・ファーガソン




