マーシュの戦術は、ラングニックの価値観を土台とした「レッドブル・イデオロギー」に基づいて長い間行われてきた。
マーシュ率いるニューヨーク・レッドブルズのハイプレス・システムは、相手のミスを誘う攻撃的な守備で相手を窒息させ、MLSの頂点に立つことを可能にした。
そのミスは、結果的に素早いカウンターにつながり、世界中のレッドブル資本のクラブで行われているのと同様のスタイルでレッドブルズはプレーすることができた。
そして、マーシュはそのスタイルをオーストリアに持ち込み、成功を収めた。しかし、組織の最高峰のクラブであるRBライプツィヒではそれを正しく実行するのに苦労した。
ユリアン・ナーゲルスマンのもと、ライプツィヒはよりポゼッションを重視し、プレスに頼らないスタイルに移行していた。マーシュ招聘はクラブ幹部がより伝統的なスタイルに戻したいと考えていたためであったが、選手たちはマーシュのスタイルになかなか馴染めず、解任されることになった。
それでも、ライプツィヒでプレーした選手たちはマーシュを高く評価しており、モハメド・シマカンは、この監督はチーム全体にとって「本当に必要な存在」であり「意欲的」だと語り、ベテランDFウィリー・オルバンもマンツーマン指導をこう語っている。
「これほどまでに僕らに寄り添ってくれる監督は今までいなかった。彼は僕らにこう言うんだ。『君たちの問題は僕の問題だ』と。そんな監督には、火の中を歩いているような、とてつもない感覚を覚えるよ」