Jesse Marsch RB Leipzig 2021-22Getty Images

リーズ新監督ジェシー・マーシュとは?アメリカ人指揮官の戦術、タイトル獲得歴は…

リーズ・ユナイテッドの新監督にジェシー・マーシュの就任することが発表された。アルゼンチン人監督マルセロ・ビエルサが週末に解任され、後任としてアメリカ人監督がエランド・ロードへとやってくる。

マーシュは、プレミアリーグで16位、降格圏までわずか2ポイント差のクラブを率いることになる。しかし、マーシュとは一体何者なのか、そしてどのようにしてリーズの監督に就任し、その過程でプレミアリーグのクラブを率いる3人目のアメリカ人となったのだろうか。

リーズの新監督について知っておくべきことを、『GOAL』がすべて伝えていく。

  • マーシュはどんなクラブを率いたことがある?

    マーシュはアメリカ代表のアシスタントを務めた後、CFモントリオール(当時はモントリオール・インパクト)で監督としてのキャリアをスタートさせた。クラブ初の監督となったが、わずか1シーズンの任期で退任し、クラブはマーシュの在任期間に満足していることを明らかにした。

    インパクト時代の指導がニューヨーク・レッドブルズの目に留まり、2015年にクラブのレジェンドであるマイク・ペトケの後任として招聘された。

    この発表は当初、サポーターの間で物議を醸したが、マーシュはレッドブルのビジョンをアメリカサッカーに適応させ、レッドブルズをMLSのトップチームのひとつに成長させたのであった。

    レッドブルズでの成功によって姉妹クラブのRBライプツィヒに引き抜かれ、ラルフ・ラングニックの下でアシスタントを務めてヨーロッパサッカーに適応していく。

    その後、RBザルツブルクの新監督に就任。2年連続で2冠を達成し、アメリカ人として初めてチャンピオンズリーグで指揮を執った監督に。そして、RBライプツィヒではユリアン・ナーゲルスマンの後任に任命された。

    しかし、在任期間はわずか数か月で、2021年12月に7勝4分け6敗という成績で解任へと追い込まれた。

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  • トロフィー獲得経験は?

    マーシュはMLSの選手として8つのトロフィーを獲得し、監督としてもこれまで5つのトロフィーを手にしている。

    2015年の初戦はレッドブルズを率いて、MLSで最も成績の良いチームに贈られるサポーターズ・シールドを獲得した。

    オーストリアでは、RBザルツブルクを2年連続2冠に導き、オーストリア・ブンデスリーガとオーストリア・カップの連覇を達成した。

    個人では、2015年にMLS年間最優秀監督賞を受賞している。

  • 戦術は?

    マーシュの戦術は、ラングニックの価値観を土台とした「レッドブル・イデオロギー」に基づいて長い間行われてきた。

    マーシュ率いるニューヨーク・レッドブルズのハイプレス・システムは、相手のミスを誘う攻撃的な守備で相手を窒息させ、MLSの頂点に立つことを可能にした。

    そのミスは、結果的に素早いカウンターにつながり、世界中のレッドブル資本のクラブで行われているのと同様のスタイルでレッドブルズはプレーすることができた。

    そして、マーシュはそのスタイルをオーストリアに持ち込み、成功を収めた。しかし、組織の最高峰のクラブであるRBライプツィヒではそれを正しく実行するのに苦労した。

    ユリアン・ナーゲルスマンのもと、ライプツィヒはよりポゼッションを重視し、プレスに頼らないスタイルに移行していた。マーシュ招聘はクラブ幹部がより伝統的なスタイルに戻したいと考えていたためであったが、選手たちはマーシュのスタイルになかなか馴染めず、解任されることになった。

    それでも、ライプツィヒでプレーした選手たちはマーシュを高く評価しており、モハメド・シマカンは、この監督はチーム全体にとって「本当に必要な存在」であり「意欲的」だと語り、ベテランDFウィリー・オルバンもマンツーマン指導をこう語っている。

    「これほどまでに僕らに寄り添ってくれる監督は今までいなかった。彼は僕らにこう言うんだ。『君たちの問題は僕の問題だ』と。そんな監督には、火の中を歩いているような、とてつもない感覚を覚えるよ」

  • プレミアリーグで指揮を執ったアメリカ人監督は…

    今回の就任により、マーシュはプレミアリーグのクラブで指揮を執る3人目のアメリカ人監督となった。マーシュの恩師であるボブ・ブラッドリーは、2016年10月にスウォンジーの指揮官として不遇の時を過ごしたのが最初だった。

    ブラッドリーは解雇されるまでわずか11試合しか持たず、その後プレミアリーグでチャンスを得ることはなかった。

    デイヴィッド・ワグナーは、ドイツで生まれたが、プレミアリーグで指揮を執った2人目のアメリカ人監督だった。ハダースフィールドをチャンピオンシップからの昇格に導いた後、ブラッドリーよりも長く続き、計71試合を指揮した。

    そして2019年1月、ハダースフィールドは22試合でわずか2勝しかできず、リーグ最下位となって解任された。