ここまで8試合の平均ボール支配率47.8%が示す通り、ポゼッションで主導権を握って相手を自陣に押し込め、攻め立てるタイプのチームではない。守備も、アグレッシブなハイプレスで激しく相手に襲いかかるというよりは、コンパクトな陣形を保ってのミドルプレス、時にはロープレスで(最終ラインは相手によって異なる高さに設定される)相手の攻撃を受け止め、守備ブロックの中に入ってきたボールを激しく争って奪う形が多い。しかし、そうしてボールを奪った瞬間から始まるカウンターアタックは、文字通りのスペクタクルだ。
相手と状況に応じて5+3あるいは4+4の、縦横両方向にコンパクトな2ラインが敷かれる守備ブロックの前方では、ベト、デウロフェウという2トップが攻め残ってポジティブトランジション(守→攻の切り替え)に備えている。とりわけデウロフェウはピッチ上の状況を俯瞰の視点で読み取る優れた戦術眼を備えており、味方がボールを奪うと見るや巧妙な動きでマークを外してスペースに飛び出してボールを引き出すと、力強いドリブルで前方のスペースを突き進む。それに合わせて周囲の味方も4人、5人が一斉にスタートを切り、怒濤のように敵陣に殺到していく。ローマから奪った3点目、4点目のゴール、インテル戦の開始直後、6人を敵ゴール前に送り込んだ速攻などは、その典型というべき場面だろう。
ソッティル監督はこう言う。「私のチームが持つべき主要な特徴はインテンシティと縦への志向性だ。ボールを持ったら一気にゴールに向かわなければならない。攻撃の基本となるコンセプトは、スペースをアタックすること。それによって相手を押し下げ間延びさせ、多くの人数をボールのラインよりも前に送り込む。ボールを失ったらすぐに奪回し、間髪を入れず縦に攻撃を展開する」。
もちろんウディネーゼは、カウンターアタックだけのチームではない。自陣からのビルドアップにおいても、強い縦指向で前方のスペースを絶え間なくアタックするスピードあふれる攻撃を見せる。高いテクニックを備えた3バックによるパス回しで敵のプレッシャーを誘い、そこからサイドに展開すると、ウイングバック、インサイドハーフ、さらには前線のデウロフェウがボールサイドに流れてきて数的優位を作り、素早くスペースにパスをつないで前進するというのが基本的な形。
右WBのペレイラは、元々攻撃的MFが本職ということもあって、しばしば中央に入り込んで組み立てに参加し、そのまま2ライン間に進出していくことも少なくない。興味深いのは、それによってがら空きになった右の大外レーンには、3バックの右CBベカオがSBのように攻め上がり、敵のSBに対してしばしば数的優位を作り出すこと。「スペースをアタックして相手を押し下げ、多くの人数を敵陣に送り込む」というソッティル監督のコンセプトを地でいく動きである。
攻撃の組み立てはこの右サイドからが多く、ペレイラ、デウロフェウというチームで最も高いクオリティを備えた2人の連携でペナルティエリア角手前からゴールに向かって仕掛け、それに合わせて3人、4人、さらには5人目までがゴール前に殺到していく。