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「NXGN Jリーグ 2021」のベストイレブンが決定! 日本サッカーの未来を背負う国内最高の逸材たち

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    GK谷晃生(湘南ベルマーレ)

    生年月日:2000/11/22
    2021シーズン成績:J1リーグ34試合


    昨年ガンバ大阪から湘南に期限付き移籍。J1残留を果たしたチームを最後尾から支えた。再三のビッグセーブもさることながら、ポイントを外さないポジショニングや幅広いカバーリングも安定しており、外国人選手や経験豊富な選手の活躍が目立つJ 1にあって、その活躍は特筆に値する。実際、正GKとして東京五輪の舞台を踏み、その後A代表にも定着した。モットーは「同じミスを繰り返さない」こと。GKというのはミスをしながら学んでいくポジションでありながら、そのミスが失点、勝負に直結してしまう。谷晃生であってもミスや対応不足は起こりうるが、メンタル的には前向きに切り替えつつ、貴重な生情報として蓄積させていく。その積み重ねが谷晃生というGKを構成しているのだ。

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  • 2021_NXGN_Handa(C)Getty images

    DF半田陸(モンテディオ山形)

    生年月日:2002/1/1
    2021シーズン成績:J2リーグ37試合3得点


    地元の上山カメレオンFCで育ち、ジュニアユースから山形のアカデミーで成長。高校生の時に、二種登録の選手としてJ2の試合に出場した。同世代のディフェンスリーダーであり、名前の通り判断力に優れる。2019年のU−17W杯では主にセンターバックとして活躍。しかし、176cmというサイズの半田が世界で通用する選手になるため、右サイドバックでの挑戦をスタッフに直談判して、ポジションを勝ち取った。もともと守備のディフェンスには定評があったが、まさしく「カメレオン」のように可変性の高いビルドアップのポジショニング、タイミングの良い攻め上がりなど、ピーター・クラモフスキー監督のアタッキングフットボールで攻撃の才能が開花。順調に成長を続ければ、2024年のパリ五輪を待たずにA代表入りも期待できるタレントだ。

  • 2021_NXGN_Nishio(C)Getty images

    DF西尾隆矢(セレッソ大阪)

    生年月日:2001/5/16
    2021シーズン成績:J1リーグ31試合2得点、ルヴァン杯5試合、天皇杯3試合


    パリ五輪世代の主軸候補であり、対人の強さと鋭い読み、勇敢なブロックなど、アカデミーの先輩である瀬古歩夢とセンターバックのコンビを組み、相手のアタッカーを封じてきた。やはり常に上を目指す意味でも、瀬古の存在は大きかったようだ。U-20W杯を目指す代表チームでは立ち上げの頃から選ばれており、世界での活躍も期待されたが、コロナ禍で大会が中止に。それでもACLの舞台でベスト16に貢献するなど、国際基準の能力も示した西尾。7月の仙台戦では松田陸を欠く状況で、右サイドバックとしても奮闘するなど、対応力の高さも証明した1年だった。もともと野球選手になる夢を抱いていたという西尾は“選球眼”をロングボールのクリアやセットプレーのヘディングなどにも生かしている。

  • 2021_NXGN_Seko(C)Getty images

    DF瀬古歩夢(セレッソ大阪)

    生年月日:2000/6/7
    2021シーズン成績:J1リーグ27試合、ルヴァン杯3試合、天皇杯2試合


    セレッソ大阪の下部組織所属時代より大きな期待を背負っていた瀬古歩夢は2017年のルヴァン杯でクラブ史上最年少の16歳にしてトップチームデビュー。2020シーズンにはルヴァン杯のニューヒーロー賞とJリーグのベストヤングプレーヤー賞をW受賞し、若手ナンバーワンCBとしての座を確固たるものとした。日本代表としても世代別代表に招集を受けており、2021年末には翌2022年初めの親善試合に向けたフル代表のメンバーに、クラブの相方である西尾隆矢とともに初招集。陸・空両用の類まれな一対一の強さだけでなく、カバーリング、そして特にフィード精度の高さには抜群のものがあり、間違いなくいずれW杯などの大舞台にも絡んでくる選手だ。

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    DF大畑歩夢(サガン鳥栖)

    生年月日:2001/4/27
    2021シーズン成績:J1リーグ30試合、ルヴァン杯4試合、天皇杯3試合


    大畑歩夢は複数のプロ選手を輩出している小倉南FCからサガン鳥栖の下部組織に移り、2020年にトップチームへと昇格。初年度から徐々にプレー時間を伸ばし、2年目の2021シーズンには鳥栖の3バックの左を務めて特にリーグ戦後半に入ってから多くの試合で奮闘した。サイドバックや時には右サイドでもプレーするユーティリティ性もさることながら、その持ち味はどこに配置されても変わらない肉体的な強度の高さとアグレッシブな仕掛けが生み出す推進力。守備的なポジションの選手としてのベースを高く保ちつつ、攻撃面での切れ味を研磨すべく幾度でもチャレンジを繰り返す。
  • 2021_NXGN_Matsuoka(C)Getty images

    MF松岡大起(清水エスパルス)

    生年月日:2001/6/1
    2021シーズン成績:J1リーグ36試合、ルヴァン杯2試合、天皇杯2試合


    各世代の日本代表において中心的な役割を果たしてきた松岡大起はサガン鳥栖の下部組織で育ち、2019年には高校3年生でトップチーム昇格。同年にはトゥーロン国際大会に臨むU-22日本代表にも飛び級招集された。その後、鳥栖で主力の座をつかんでいたものの、2021年夏に清水エスパルスへの完全移籍を決断。新天地へと活躍の場を移したが、そこでもすぐさま不動の存在となった。その正確な止める蹴るの技術と機動力を武器に、ピッチを縦横無尽に駆け回るプレーはどのチームでも高い貢献度を発揮する。もはやNXGNで評価する“若手”としての枠を良い意味で逸脱した経験を誇る選手かもしれない。

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    MF川﨑颯太(京都サンガF.C.)

    生年月日:2001/7/30
    2021シーズン成績:J2リーグ41試合3得点、天皇杯1試合


    京都サンガF.C.のユース出身だが、中学生まではヴァンフォーレ甲府のアカデミーにいた。ルーキーイヤーの昨年から出場機会を得ていたが、曺貴裁監督の指導でハードワークに的確なビジョンが加わり、中盤の主力としてJ1昇格を支えた。松岡大起や藤田譲瑠チマ、田中聡など、パリ五輪世代はボランチに有望なタレントがひしめいている中でも、機動力は特筆もの。中盤でボールを奪って、素早く付けるファーストパスが素晴らしく、相手の起点を潰すだけでなく、攻撃を加速させていくトリガーにもなる。今年はアカデミーの先輩である福岡慎平、岡山から加入した武田将平とのトライアングルが見事に機能したが、川﨑自身は誰と組んでも周りにアダプトできる柔軟性が強みとなっている。プレーもさることながら、メディア対応の受け答えが素晴らしく、昇格を決めた試合後には胴上げで落ちそうになった曺監督の様子を見て「これを機に、ちょっと痩せていただきたい(笑)」と厳しいツッコミも。

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    MF田中聡(湘南ベルマーレ)

    生年月日:2002/8/13
    2021シーズン成績:J1リーグ36試合2得点、ルヴァン杯6試合、天皇杯2試合


    長野パルセイロのU-15から湘南ベルマーレのU-18に進み、二種登録だった昨年からトップの試合に出場している。正式に昇格して迎えた今年、開幕前にはユニフォームの売り上げがチームで一番だった。そうしたことからも、柏レイソルとともに今年の「最優秀育成クラブ賞」に輝いたアカデミーの星として、遠藤航(シュトゥットガルト)や齊藤未月(ルビン・カザン)の後継者として大きな期待がかかっていることが分かる。豊富な運動量とコンタクトプレーの強さ、そして何事にも動じないようなメンタリティの持ち主。「自分はうまい選手ではない」と語るが、左足のキックは魅力であり、多少長い距離でも鋭く正確なパスを味方に届ける。試合になるとほとんど左足しか使わないが、練習では右足を意識的に使う姿も見られる。

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    FW宮代大聖(徳島ヴォルティス)

    生年月日:2000/5/26
    2021シーズン成績:J1リーグ37試合7得点、ルヴァン杯2試合、天皇杯2試合


    田中碧や三笘薫など、代表クラスのタレントを輩出している川﨑フロンターレのアカデミーでも最高傑作になりうる逸材として、大きな期待をかけられてきた。2017年のU-17W杯では久保建英とのホットラインが世界でも相手の脅威に。シュートの技術にかけては川崎でもナンバーワンとの声も同僚からあがったほどだが、期限付き移籍先の山口から帰還した昨季、途中出場が多いなかでリーグ戦1得点、ルヴァン杯1得点に止まった。さらなる成長と出場機会を求めて、J1昇格組の徳島に期限付き移籍で加入。ポジショナルプレーをベースとした徳島のサッカーで、主に右ウイングのポジションから7得点を記録した。ただ、ポテンシャルを考えればこんなものではない。ニックネーム“川崎の大砲”にふさわしいゴラッソで、日本を代表するストライカーの大成することを期待したい。

  • 2021_NXGN_Araki(C)Getty images

    FW/MF荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)

    生年月日:2002/1/29
    2021シーズン成績:J1リーグ36試合10得点、ルヴァン杯7試合2得点、天皇杯3試合1得点


    名門・東福岡高校から2020年に鹿島に新加入してプロ入りを果たした荒木は、初年度からJ1リーグの開幕戦に途中出場。激しい競争のある鹿島では、内田篤人氏以来となる高卒新人の開幕戦出場となった。2年目の今季は、元来の攻撃的センスだけでなく自身が課題に挙げていた守備面でも一定以上の進歩を見せ、欠かせない選手の1人としてフル稼働。その結果、J1史上2人目となる10代での二桁得点という偉業を成し遂げた。また、得点力だけでなくゲームの機微を読んだポジショニングは絶妙であり、1.5列目の選手として相手の守備網に大打撃を与える。

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    FW植中朝日(V・ファーレン長崎)

    生年月日:2001/11/1
    2021シーズン成績:J2リーグ19試合10得点、天皇杯3試合1得点


    スペインのレジェンド、フェルナンド・トーレス氏に憧れていることを公言する植中朝日は今季、プロ初ゴールとなった試合でハットトリックと強烈な印象を残した。その後は継続的に出場機会を得て、最終的にリーグ戦において19試合で10ゴールを記録。F・トーレス氏同様に得点に関して抜群の嗅覚を持ちながら、シンプルにはたくポストプレーや前線でのキープ、サイドや中盤で受けて打開するプレーなど万能の才能を発揮。エジガル・ジュニオとの変幻自在のコンビで相手組織を破壊する姿は、サポーターにとって東から上る太陽のように見えたことだろう。

  • 2021_NXGN_Best11(C)GOAL

    「NXGN Jリーグ 2021」ベストイレブン

    委員会が選考する中で、このほかにも泣く泣く選出から漏れた選手たちがいる。筆頭は浦和レッズにて名手・西川周作とし烈な守護神争いを繰り広げたGK鈴木彩艶や、ファジアーノ岡山で驚異的なセービング能力を見せているGK梅田透吾。ディフェンスラインではV・ファーレン長崎の好調を支えた江川湧清や、名古屋グランパスで経験を積む成瀬竣平、大畑とポジションを争う鳥栖DF中野伸哉らが議論の的に。中盤以上では、驚異的なボール奪取能力のFC町田ゼルビアMF佐野海舟や負傷まで絶大な存在感を発揮していたアルビレックス新潟MF本間至恩、柏レイソルで多くの経験を積んだ細谷真大らも高いポテンシャルを有する選手の1人だ。