2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)が日本時間9月7日に開幕する。昨季セリエAを11シーズンぶりに制したイタリア王者ミランは、グループステージでチェルシー(イングランド)、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)、ザルツブルク(オーストリア)と同居。今回は『GOAL Japan』が選出したPSGのキーマン、期待の新戦力、ヤングスター(23歳以下)の注目5選手を紹介する。
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Gettyキーマン①:ラファエル・レオン
2019年にミランへと加入した当初は巨大なポテンシャルを発揮しきれていなかったレオンだが、ステファノ・ピオリ監督の就任と“兄貴分”ズラタン・イブラヒモヴィッチの加入によって急成長。以前には驚異的な身体能力を持て余し、足元でのドリブルと一対一に固執していた感もあったが、両者の指導によって類まれな能力の使い所を見極められるように。またフィニッシュ精度も飛躍的に向上し、昨季はセリエA34試合で11ゴール10アシストと大車輪の活躍で、ミランをスクデットに導いた他、自身もリーグMVPに輝いている。この23歳ポルトガル代表スターは「新生ミラン」を象徴するような存在だ。昨季初めて挑んだ欧州最高峰の舞台では4試合で1ゴール1アシストを記録するも、チームは最下位での敗退。悔しさも味わった。2季連続で挑むこの大舞台で、成長した姿を見せられるだろうか。
Gettyキーマン②:テオ・エルナンデス
アトレティコ・マドリーからレアル・マドリーへと“禁断の移籍”を果たすも、出番を得られずに2019年にミランへと放出されたT・エルナンデス。しかし、くすぶっていた才能がイタリアの地で爆発。超攻撃的サイドバックとして、豊富な運動量と豪快な攻撃参加、高いクロス精度に自らゴールを狙う姿勢など、今のミランの左サイドでは不可欠な存在となった。昨季のアタランタ戦(2-0)で見せた70メートルの独走弾(昨季のセリエA最優秀ゴールに選ばれている)など個人での衝撃的な活躍もさることながら、レオンとの関係性も抜群。攻撃参加後の背後のスペースの管理や一対一の守備対応には改善の余地もあるが、それを補って余りある攻撃力を誇っている。今のミランのストロングポイントは、間違いなくレオンとこのフランス代表サイドバックが存在する左サイドだ。彼らの活躍次第で、グループリーグ突破の可否が決まると言っても過言ではないだろう。
Gettyキーマン③:アンテ・レビッチ
2019年に大きな期待を受けて“ロッソ・ネロ”の一員となったレビッチ。加入初年度から2シーズン連続で11ゴールを奪うなどピッチで活躍を残すが、相次ぐケガに悩まされてなかなか年間を通じた活躍を残せていなかった。特に昨季は2カ月以上の離脱を余儀なくされ、リーグ戦わずか2ゴールにとどまっている。それでも今季、開幕戦で2ゴールを奪うなど上々のスタートをきることに成功。ピオリ監督も「重要な選手となるためのすべての特徴を兼ね備えており、チームに大きく貢献してくれるはずだ」と期待を込める。強靭なフィジカルと機動力を兼ね備えるクロアチア代表アタッカーは、前線であればほぼすべてのポジションで活躍できる。それだけにケガとうまく向き合い、自身のコンディションを維持して改めて自身の価値を証明したい。
Getty期待の新戦力:チャールズ・デ・ケテラエル
ベルギーの名門クルブ・ブルッヘで幼少期から過ごし、2019年に18歳でトップチームデビューを飾った逸材。クルブ・ブルッヘでは公式戦120試合に出場し、昨季はリーグ戦33試合で14ゴール7アシストと大ブレイクしてチームを優勝に導いている。同僚となったディボック・オリギが「(カイ)ハヴァーツとカカを足して2で割ったよう」と語ったように、190cmを超える長身と体幹の強さを持ちながらも、柔らかで細かなタッチや意表をついたフェイント、推進力とパスセンスを併せ持っている。オリギやミラニスタが期待する通り、22番を背負ったクラブレジェンドに近い特徴を持っている。21歳のベルギー代表MFには輝かしい未来が待っており、ピオリ監督も「2、3年でヨーロッパのトップレベルの選手になれるだろう」と太鼓判だ。トップ下のポジションが課題でもあったミランで絶対的な地位を確立し、欧州の舞台で飛躍したい。
Gettyヤングスター:ブラヒム・ディアス
名門マンチェスター・シティの下部組織で育ち将来を期待された中、母国スペインのメガクラブであるレアル・マドリーへ2019年に引き抜かれたB・ディアス。しかしトップチームの壁は厚く、ほとんど試合に絡めないまま2020年にミランへと加入することに。ピオリ監督の下では2列目の様々なポジションで起用されてきたが、真価を発揮しているとは言い難い。さらに今季はデ・ケテラエルという強力なライバルの加入もあり、ポジション争いは激化中。2年レンタルの最終年となる2022-23シーズンは勝負の年だ。小柄ながら抜群のテクニックとボディコントロール、中盤の穴を突いたポジショニングから反転してチャンスを作る彼は、ノッている時であれば相手の脅威になる力は十分。世界的なスーパースターは不在も、チーム全体の力でセリエAを制したミランにとって、全選手がトップコンディションを維持することは不可欠。このスペイン人アタッカーも奮起が必要だ。

