2月14日、金Jの大阪ダービーで開幕を迎える2025シーズンの明治安田J1リーグ。『GOAL』では、広く国内外のサッカーを取材する河治良幸氏に今季のリーグ戦展望をお願いした。優勝可能性のある「本命、対抗、有力、サプライズ」を予想。昇格組含む、今季台風の目となりそうなクラブを紹介する。

【記者のJ1優勝予想】2025シーズン本命、対抗、有力、サプライズは? 広島、神戸の2強、それとも…大転換を図るクラブにも注目
DMMプレミアムとDAZNがセットでお得

DMM×DAZNホーダイ
2026年W杯欧州予選はいよいよ佳境!11月に第9節・最終節が開催
DAZNで独占配信!DMM×DAZNホーダイなら月額最安値、ポイント付与でお得
さらにいつでも解約可能!
DMMプレミアムとDAZNコンテンツが見放題
W杯欧州予選を独占ライブ配信
最安値で視聴
Getty Images本命:サンフレッチェ広島
[昨季成績]J1:2位
天皇杯:ベスト8
ルヴァン杯:準々決勝敗退■スキッベ監督4年目。個の戦力、組織力ともに充実
今シーズン最初のタイトルとなる8日のFUJIFILM SUPER CUPでリーグ三連覇を目指すヴィッセル神戸に2-0で勝利。相手が従来のサブ組中心のスタメンだったとはいえ、個の戦力を見ても、組織力を見ても、今シーズンの優勝争いを引っ張っていく力強さを感じさせる試合だった。
ミヒャエル・スキッベ監督が4年目となるシーズンの目標はもちろんリーグ優勝だが、新エースとして期待されるジャーメイン良をはじめ田中聡、菅大輝など、主力を狙えるビッグピースを要所に加えており、第1回の王者を目指すACL2はもちろんルヴァン杯、天皇杯、そしてシーズン後半に開幕する次回のACLエリートを戦いながらでも、リーグ戦で安定した成績を残す地盤は固まってきている。
ただ、昨シーズンは一度勢いよく首位に立ちながら、主力の勤続疲労も影響してか、終盤に失速して神戸に差し切られた反省は生かしていきたい。もしジャーメインや大卒ナンバー1アタッカーの評価もある中村草太が、期待通りに得点を重ねたとしても、前線に新たな外国人FWを加えるなど、夏場のパワーアップも準備していくことを想定している。ネックはスーパ杯で中盤の主軸になりうる才能を見せた18歳のMF中島洋太朗がU-20アジア杯、そして順調に行けば9月にU-20W杯で、合わせて2カ月近くチームを離れること、そして昨年の大橋祐紀(ブラックバーン)がそうであったように、海外の有力クラブから狙われてもおかしくないタレントが多くいることだ。
基本的に好オファーが来れば、広島は選手の意思を尊重するクラブで、目の前にあるタイトルを考えれば痛手になることは間違いない。ただ、新スタジアム効果で強化資金は十分にあると考えられるし、何よりタイトルに飢えている選手たちが多いだけに、ここ数年でも最大のチャンスであることは間違いないだろう。
Getty Images対抗:ヴィッセル神戸
[昨季成績]
J1:優勝
天皇杯:優勝
ルヴァン杯:3回戦敗退■過密日程、ポテンシャル枠の選手たちの成長必須
シンプルにリーグ戦の優勝を目指すだけなら、昨年のMVPである武藤嘉紀が残留した神戸は三連覇を目指せる戦力であることに疑念の余地はない。しかしながら今季は、スーパーカップからいきなり8連戦を強いられるシーズンでもある。
吉田孝行監督も認めるように、新戦力はもちろん現時点でサブと見られる選手たちの成長抜きに、2大会分のACLエリートを戦いながらリーグタイトルを狙っていくことはできない。左サイドの主力として二連覇に貢献した初瀬亮(シェフィールド・ウェンズデイ)の欧州移籍は仕方がないにしても、キャンプから複数のケガ人が出ていることも少なからず不安要素だ。
ただ、優勝の基準を知るチームであるだけに、現時点では“ポテンシャル枠”の選手たちが過密日程を逆利用する形で、気がつけば後半戦には優勝争いのキーマンになっている可能性も大いにある。
スーパーカップで539日ぶりの公式戦復帰を果たしたボランチの齊藤未月は言わずもがな、さらに武藤が「下から押し上げる、去年で言えば(宮代)大聖とか(佐々木)大樹みたいな選手が二人、三人と今年出てきてほしい」と力説していた通り、大卒2年目での飛躍が期待されるMF山内翔、カマタマーレ讃岐での“武者修行”から帰還した20歳のFW冨永虹七など、ひとつきっかけを掴めば主力級になりうる選手たちがいるので、そこが今シーズンの神戸を見ていく面白さでもある。
少し気になっているのは「三連覇」という目標の掲げ方が、変なプレッシャーにならないかということ。もちろん、過去2シーズンで神戸が果たしてきた偉業は素晴らしいし、黙ってもサッカーファンやメディアで、そういう注目のされ方になるだろう。相手は「打倒神戸」を目指してくるが、あくまで新たにタイトルを獲得しにいく、その結果としてリーグ優勝できれば、それが「三連覇」になるというマインドは必要かもしれない。
Getty Images有力1:ガンバ大阪
[昨季成績]
J1:4位
天皇杯:準優勝
ルヴァン杯:2回戦敗退■センターラインの穴をどう埋めるか?
本命の広島、対抗の神戸が基本的には“二強”と見るが、ガンバ大阪と鹿島アントラーズもいくつかの条件を満たせれば、十分タイトルに手が届くチーム力は備えている。
G大阪に関しては中谷進之介を中心とした守備の安定に加えて、より得点力を伸ばせるかがカギ。もう一つはその課題にも関連するが、坂本一彩(ウェステルロー)とダワン(北京国安)というセンターラインの主力二人が抜けたところをどう埋めて、さらに上乗せできるかということに尽きる。
攻撃は引き続き宇佐美貴史が大黒柱ではあるが、レンタルバック組のFW南野遙海、唐山翔自が、真にガンバの主力になれるかという期待に加えて、注目の高卒ルーキー名和田我空が、FC東京での松木玖生(ギョズテペ)に匹敵するぐらいのインパクトを開幕戦の大阪ダービーから見せていければ、チームは勢いに乗りそうだ。
ただ、広島や神戸を上回ってのリーグ優勝となると、それでも足りないかもしれない。イッサム・ジェバリという一振りで勝負を決められるFWがいるが、彼に加え開幕直後か夏の移籍期間にターゲットマンになれるビッグピースを組み込めれば大きい。ただ、夏場であれば外国籍選手枠をダワンの抜けた中盤に使うという選択肢もありうる。大卒2年目の美藤倫のブレイクには期待したいが、今シーズンのタイトル奪取にこだわるのであれば、戦いながら必要なところに妥協なくビッグピースを加えることも必要になってくるかもしれない。
Getty Images有力2:鹿島アントラーズ
[昨季成績]
J1:5位
天皇杯:ベスト8
ルヴァン杯:3回戦敗退■鬼木監督の下、J1屈指のスカッドが揃う
鹿島に関しては川崎フロンターレで4度のリーグ優勝を経験した鬼木達監督が1年目となるが、ベースになる主力選手はほぼ変わっていない。そこにセレッソ大阪からJリーグで実績抜群のFWレオ・セアラが加わるということで、鈴木優磨の負担が軽減されることも含めて、J1屈指のスカッドになったと断言できる。
ただし、長いシーズンを戦い抜くために、昨年は少数精鋭でなんとか乗り切ったディフェンス陣など、選手層がカギを握る。また鬼木監督が長年率いた川崎Fのスタイルを完全コピーするのではなく、鹿島の土壌や選手に適したチームを早期に作っていけるかどうかもポイントになりそうだ。
Getty Imagesサプライズ:浦和レッズ
[昨季成績]
J1:13位
天皇杯:参加せず
ルヴァン杯:3回戦敗退■関根主将を支える5人の“キャプテングループ”に期待
マチェイ・スコルジャ監督が率いる浦和は6月にクラブワールドカップを戦うが、大目標はリーグ優勝だ。そのためにも指揮官の代名詞となっている組織的な守備をベースにしながら、昨シーズンの後半戦は停滞感の強かった攻撃の改善を図っている。
二列目に昨年のJリーグベスト11であるマテウス・サヴィオ、欧州帰りの金子拓郎、広島で昨年の主力だった松本泰志という3枚の“ビッグピース”が加わり、彼らの助けを得て、FWチアゴ・サンタナの得点力がさらに発揮されそうだ。
攻撃的な役割を強めた、いわゆる“ダブル8番”の躍動が期待される中盤に関しても、ボランチに固定されそうな渡邊凌磨がさらに運動量とリーダーシップを発揮し、サミュエル・グスタフソンの展開力と、安居海渡の攻守に渡る稼働力が生かされれば、広島や神戸にも太刀打ちできる。ただ、守備的なポジションの層は厚いと言えないだけに、前半戦の状況次第では夏の補強ポイントになりそうだ。
あくまで昨シーズン13位のチャレンジャーであることを忘れるべきではないが、良い意味での自信は勝負強さにつながる。昨夏はキャプテンだった酒井宏樹(オークランドFC)をはじめ、岩尾憲(徳島ヴォルティス)、アレクサンダー・ショルツ(アル・ワクラ)といったリーダー格が移籍し、一時はキャプテンを任された伊藤敦樹(ヘント)も欧州移籍という事態で、ペア・マティアス=ヘグモ前監督は志なかばで解任。10年ぶりに欧州から帰還した原口元気も100%の状態ではなく、攻撃を引っ張る存在にはなれなかった。
伊藤移籍後の終盤は元主将の西川周作がキャプテンを預かる形となったが、当時からスコルジャ監督がフィールドプレーヤーをキャプテンにするプランを明かしていた通り、新シーズンは関根貴大がキャプテンに就任。西川、渡邊、原口、センターバックのマリウス・ホイブラーテン、そして新加入のマテウス・サヴィオの5人が関根主将を支える”キャプテングループ”が誕生した。チームの一体感はもちろん、オンザピッチのコミュニケーションなどの活性化にも期待がかかる。
Getty Images注目1:東京ヴェルディ
[昨季成績]
J1:6位
天皇杯:3回戦敗退
ルヴァン杯:3回戦敗退■城福戦術を熟知した主力に実力者が加わる
昨シーズンはプレーオフでの“J1昇格組”ながら、6位躍進を果たした城福浩監督の東京ヴェルディ。森田晃樹キャプテンは、「まず2シーズン連続の残留を決めて、そこから昨年の成績に追いつき、上回っていきたい」という地に足を付けたシーズン展望を描いている。戦力的には「城福戦術」を熟知した主力のほとんどが残り、期限付き移籍だったFW木村勇大や山見大登、センターバックの林尚輝が完全移籍で残った。加えて平川怜、鈴木海音、福田湧矢など、主力組と激しいポジション争いができる実力者が加わり、各ポジションの厚みが増した。
チームは完全な継続路線だが、若く伸びしろのある選手たちが多く、指揮官の厳しいタスクをこなしながら、どれだけスペシャリティを輝かせられるかが、昨シーズンと同じか、それ以上に躍進するかのカギだ。もちろん優勝争いに加われたら理想的だが、筆者個人の見解では森田主将が言うように、しっかりと残留を確定させて、最終的に一ケタ順位で終われたら、それは進歩だと考えている。
そうした結果も含めて、東京ヴェルディが本当の意味でJ1の上位を争うクラブになっていく大事なプロセスのシーズンになりそうだ。
Getty Images注目2:柏レイソル
[昨季成績]
J1:17位
天皇杯:ラウンド16敗退
ルヴァン杯:プレーオフラウンド敗退■リカルド監督就任で大転換。ストーブリーグのチャンピオン
昨シーズン最終節で残留を確定させた柏レイソルはスペイン人のリカルド・ロドリゲス新監督のもとで大転換を図っている。通常、こういうチームにはベースが構築できるまで“我慢が必要”と強調したいが、ロドリゲス監督は徳島や浦和で見せてきたように、完成されていないなりの結果を出せる手腕を備えている。
そしてリカルド監督の戦術をよく知る新キャプテンの犬飼智也や徳島時代のエースだった垣田裕暉がおり、そこに浦和時代の教え子である小泉佳穂や徳島で指導した渡井理己と言った“リカルド・チルドレン”が加わった。
そのほかの新戦力もアルビレックス新潟からGK小島亨介をはじめ、サガン鳥栖から原田亘、鹿島から復帰した仲間隼斗などが加入。いかにも戦術的にフィットしそうなタレント、逆に明確なアクセントになりそうな久保藤次郎など、非常に楽しみなメンバー構成になっている。筆者の評価としては間違いなく“ストーブリーグのチャンピオン”だが、それをシーズンでのパフォーマンスに繋げていけるかどうか。
9日のちばぎんカップでは3-0でジェフユナイテッド千葉に勝利を収め、リカルドサッカーへの大転換を印象付けた。もちろんリーグ戦は蓋を開けてみなければ分からないが、新たなチャレンジの中での試行錯誤も含めて面白いチームとなっている。“他サポ”にとっても、愛するクラブの試合がない日や時間には優先的にチェックをお勧めしたい。
Getty Images次点注目1:FC町田ゼルビア
[昨季成績]
J1:3位
天皇杯:2回戦敗退
ルヴァン杯:準々決勝敗退■“町田慣れ”を打ち破っていけるか?
上記には入れられなかったが、昨シーズンは台風の目として首位を走り、最後まで神戸、広島とタイトルを争った町田。シーズンオフに抜群の機動力と決定力を誇るFW西村拓真や屈強なセンターバックの岡村大八など積極補強を行い、再び上位争いに加わるポテンシャルは十分に備えている。
ただ、チームを支えていた選手のアウトも多く、優れた分析力で黒田剛監督を支えた金明輝コーチがアビスパ福岡の新監督に就任するなど、未知数な部分が多い。またライバルが“町田慣れ”をしてきてもいるので、そこを打ち破っていく何かが必要になってくる。昨夏に鳴物入りで加入しながら、負傷などで不完全燃焼だった相馬勇紀の奮起が大きな起爆剤になるかもしれない。
Getty Images次点注目2:横浜FM、川崎F、名古屋
[昨季成績]
横浜FM J1:9位 天皇杯:ベスト4 ルヴァン杯:準決勝敗退
川崎F J1:8位 天皇杯:3回戦敗退 ルヴァン杯:準決勝敗退
名古屋 J1:11位 天皇杯:2回戦敗退 ルヴァン杯:優勝■移行期にある横浜FM、川崎Fと結果を残すべき名古屋
スティーブ・ホーランド新監督の横浜F・マリノス、アビスパ福岡から長谷部茂利監督を迎えた川崎フロンターレという2017年から2022年までリーグ優勝を分け合ってきた2クラブにも躍進を期待したいが、横浜FMに関しては大きなサイクルの移行期でもある。
川崎Fも守備構築に定評のある長谷部監督が、その強みを攻撃的なマインドのチームにどうブレンドさせていくかが見どころになってくる。ただ、優勝争いに絡んでくる期待は持ちつつも、今シーズンは冷静に観ていきたいところもある。
マテウス・カストロの復帰などで、タレント力がさらにアップした感のある名古屋グランパスは長谷川健太監督が4年目となるだけに、結果を残すべきシーズンであることは間違いない。しかし、リーグ優勝まで考えると、開幕ダッシュに成功した上で、チーム力で一つ上にあると見られる広島や神戸が順調に勝ち点を伸ばせないような展開も必要になるかもしれない。
J.LEAGUE
昇格組:清水、横浜FC、岡山
■J1初挑戦の岡山、タレント補強によるアクセント
“昇格組”の3チームではJ2王者である清水エスパルスが筆者の評価でも一番上であるのは間違いない。
しかし、初のJ1挑戦となるファジアーノ岡山は序盤戦のチケットの売り上げなどを見ても、地域あげての機運が上がっており、注目度も高い。戦力的にも、元日本代表の江坂任が蔚山HDより、U-20日本代表の注目株である佐藤龍之介がFC東京から加わった。個人で攻撃に違いを生み出せるタレントの補強で、木山隆之監督の掲げるコレクティブなサッカーに明確なアクセントが加わる期待もある。
四方田修平監督の率いる横浜FCは“エレベーター”になってしまっている感もあるが、現有メンバーに鈴木武蔵などの新戦力がうまく噛み合えば、周囲をあっと言わせる躍進があってもおかしくない。昨シーズンの昇格組では、町田と東京Vが躍進、ジュビロ磐田が最終節で降格と明暗が分かれた。今シーズンの昇格組はどうなるか。そこも注目だ。
Jリーグ全試合ライブ配信!DMM×DAZNホーダイは月単位で加入、解約可能!
『DMM×DAZNホーダイ』は、動画配信サービス「DAZN Standard」と「DMMプレミアム」の2つがセットとなったプランだ。
「DAZN Standard」は、サッカー(AFCアジア予選日本代表戦、明治安田Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アン等)や野球(NPB公式戦/※広島除く)、F1といったプレミアムなスポーツが視聴可能。
「DMMプレミアム」は、アニメを主軸に、バラエティや2.5次元舞台・ミュージカル、ドラマ、映画など幅広いジャンルのコンテンツを提供する「DMM TV」の有料プランで、新作から独占配信作品、そしてオリジナル作品まで、アニメ約5,000作品、エンタメを含む16万本のコンテンツを楽しむことができる。この2つのプランがセットになったのが『DMM×DAZNホーダイ』だ。
月ベースで見たいタイミングに合わせて加入、解約を繰り返すことができ、結果的に年間で見ると他社年間プランより料金的にお得になる可能性もある。詳しくはこちらのページに詳報している。