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日本代表、第二期森保政権でチャンスを与えられるべき5選手は? 識者がJリーグから推薦

昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)グループステージでスペイン代表とドイツ代表を撃破して世界中を驚かせ、ベスト16の成績を残した日本代表。大会後には森保一監督の続投が発表され、ベスト8以上という目標に再び挑むこととなった。

新たな一歩は3月のキリンチャレンジカップ2023の2試合からスタート。24日にウルグアイ代表、28日にコロンビア代表との対戦を予定しており、日本の招集メンバー発表は15日に迫っている。

4年後を見据えたとき、現在36歳のFC東京DF長友佑都や34歳のシャルケDF吉田麻也、32歳の浦和レッズDF酒井宏樹といった高い貢献度を誇ってきたベテランたちの招集可否にも注目が集まる中、選手層を広げる意味ではJリーグからも目が離せない。

3月のキリンチャレンジカップでチャンスを与えられる可能性のあるJリーグの選手たちを、国内サッカーや日本代表を継続して取材するジャーナリストの林遼平氏に5名ピックアプしてもらった。

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    FW小川航基(横浜FC)

    満を持して、再び代表に選ばれるタイミングがきたと言っていいだろう。

    世代別代表の頃から今後の日本を背負うストライカーになると期待されていた小川だが、プロの厳しさや怪我もあって長いこと苦しい時期を過ごしていた。それでも自分ならやれると這い上がってきた男は、昨季J2で26得点をマークしてMVPと得点王を獲得。今季はJ1の舞台ですでに4試合3得点という結果を残し、ストライカーとしての能力を覚醒させている。

    また、小川の良さは得点を取ることだけに止まらない。ポストプレーを含め前線での絡み方は巧みさを増している。現状の日本のFW陣とは異なったアクセントをもたらせる存在として期待したい。

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    MF伊藤涼太郎(アルビレックス新潟)

    好調を維持する新潟の中心選手として圧倒的な存在感を放っているのが、プロ8年目を迎える伊藤だ。

    ここまでは長い道のりだった。2016年に浦和レッズでプロキャリアをスタートした後、なかなか出場機会を得られずにJ2へ武者修行。昨年、ついに浦和から新潟へと完全移籍を果たした。

    ただ、J2で揉まれたことで、かつて気になるポイントだった線の細さやオフ・ザ・ボールのところでの貢献が飛躍的に変化。今では当たり負けしない体に加え、攻守にハードワークする姿が印象的にうつる。そこに加え、もともと持っていた異彩を放つ攻撃センスはJ1の舞台でも通用することを証明中。いま最も勢いのある選手の一人と言っていい男を代表でも見てみたい。

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    MF齊藤未月(ヴィッセル神戸)

    新天地でこれまで以上の輝きを放っているのが齊藤だ。今季から神戸に移籍した齊藤は、インサイドハーフのレギュラーに定着すると、持ち前のハードワークとアグレッシブな守備からのボール奪取、加えて前線に飛び出していくプレーに切れ味が増し、チームの好調の一役を担っている。

    もともと世代別代表の常連で主将を担っていたこともあり、キャプテンシーや年齢関係なくズバズバと本音をぶつけられる強靭なメンタリティーは世代でもトップクラスと言っていい。少し伸び悩む時期もあったが、近年は出場機会を得ることで攻守に引き出しを増やし、局面で違いを作れる凄みも出てきている。中盤は層の厚いポジションだが、食い込んでいける力があることを証明したい。

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    DF藤井陽也(名古屋グランパス)

    ここまで2位と好調な名古屋の最終ラインを支えるのが藤井だ。昨年のシーズン序盤から出場機会を増やしてチームの中心選手の一人となると、今季も開幕からスタメンを奪取。ルヴァンカップを含め5試合で1失点の守備陣で、確かな存在感を発揮している。

    2月のキャンプで見た時から藤井に感じていたのは予測力の高さだ。187cmの高さを生かした空中戦や後方からボールを運べる能力も魅力だが、相手が前の選手にボールを入れるタイミングへのアプローチの速さや背後にボールが出る瞬間に先に動いて制圧するプレーは、昨年以上のキレを感じる。ビルドアップも巧みな配球が増えており、年齢も22歳と若く、今後が楽しみな選手だ。

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    DF佐々木旭(川崎フロンターレ)

    新たな世代の台頭が求められているSBでは、川崎Fの佐々木を推したい。まだまだ荒削りなところはあるが、対人守備で相手を完封する守備能力の高さや攻撃参加した時のパワフルさはリーグでも随一の素材である。

    ビルドアップでは時折見せる後ろから前に刺すパスが見事で、その鋭さは昨年までキャプテンを務めていた谷口彰悟を彷彿させる。現在は川崎Fに怪我人が多く出ていることもあり、CBとしてプレーする機会も増えてフレキシブルさを披露。3バックでも4バックでもプレー可能なところは、現在の代表に必要な能力であり、それを備えていることは大きなプラスだ。一つのきっかけや新たな刺激で急速に伸びる可能性を秘めている選手だけに、代表への期待も高まっている。