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日本代表、ドイツ代表戦で注目のマッチアップは?

日本代表は9月の欧州遠征にて、現地時間9月9日の国際親善試合でドイツ代表、12日のキリンチャレンジカップ2023でトルコ代表と対戦する。

9日に迎えるドイツ代表との一戦は、昨年のカタールワールドカップ以来となる再戦に。ドイツ代表はこの代表活動の結果次第で、指揮官であるハンジ・フリック監督の去就が考慮されると報じられるなど、重要な試合と位置づけられている。

"本気モード"のドイツ代表と激突する日本代表。同試合で注目となるであろうマッチアップを紹介する。【取材・文=藤丸リオ】

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    ①攻撃陣(サイド)  

    アタッカー陣で注目すべきは、やはり左のワイドに入ることが予想される三笘薫だろう。今季、プレミアリーグのブライトンですでに4試合1ゴール、3アシストという素晴らしいパフォーマンスを見せる三笘は、世界でも注目されるアタッカーでもある。ドイツとしても注意すべき存在として、より警戒心を持って挑んでくることが予想される。

    その対面に立つ相手としては、ドイツが3バックと4バックのどちらのシステムを採用してくるかでかなりタイプが変わる印象だ。4バックならば有力となるのは、ライプツィヒのベンヤミン・ヘンリヒス。攻撃性能の高いSBでスピードとテクニックを駆使したドリブルが特徴の攻撃的SBだが、前に出ようとするものならば三笘に背後を突かれる可能性もあるため、どこまで攻撃に出る機会を抑えてくるかが気になるポイント。より三笘への警戒を高めているなら、CBやボランチの選手をSBに回してくる可能性もあるだろう。

    3バックならば、昨年までボルシア・メンヒェングラッドバッハで板倉滉とチームメイトだったヨナス・ホフマンが候補となる。ホフマンもどちらかと言えば、守備より攻撃で輝くタイプ。相手にボールを保持される状況が続くとかなりケアをしなければいけない選手となるが、奪ったところからのカウンターは突きやすくなるため、攻守の切り替えの素早さが勝敗を分けるポイントになりそうだ。

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    ②中盤(遠藤航vs2列目)  

    中盤では遠藤航のプレーに注目が集まる。今夏の移籍市場でリヴァプールに加入した遠藤は、日本代表ではアンカーやダブルボランチの一角に入ることが多い。カタールワールドカップの時のようにボールを支配される展開となれば、2列目の選手に加えてボランチの選手が飛び出してくることが増えることから、インサイドハーフの選手をうまく動かしながら抑える必要性が生まれてくる。

    特に2列目に入ることが予想されるフロリアン・ヴィルツは、フィジカル面では驚異ではないが、アジリティが高く、スペースを見つける動きが実に上手い。加えて、高い技術力で抑えにきた守備者をいなすプレーも得意なことから、食いつかせて、周りを巧みに使いながら前進を狙ってくることだろう。

    ヨシュア・キミッヒやイルカイ・ギュンドアンがそこに絡んでくると、かなりラインを下げられてしまう可能性があるだけに、素早い読みとボール奪取力に長ける遠藤がいかに中盤で相手の攻撃を跳ね返すことができるかは、試合を通して見どころの一つとなるのは間違いない。

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    ③最終ライン(サイド&冨安vsハヴァーツ)  

    最終ラインでは二つのマッチアップに焦点を置きたい。まずは開幕から抜群のパフォーマンスを見せているリロイ・サネをどう抑えるか。2列目か3トップの右サイドで出場してくる可能性が高く、どちらにせよサイドに流れてくる機会が多いことからSBとのマッチアップが予想される。

    そうなると対面するのは伊藤洋輝が濃厚か。こちらもシュツットガルトで開幕から好プレーを続けており、ドイツでプレーする二人のバトルには必見となる。切れ味鋭いドリブルは簡単には止まらないため、うまく周りを使って封殺することがミッションとなる。

    また、プレミアリーグのアーセナルでともにプレーする冨安健洋とカイ・ハヴァーツも注目したい。冨安はハヴァーツについて「練習中でも試合でもクオリティーを発揮しますし、いい選手なのは間違いないのでしっかりと警戒したい」と語ったが、守備者として同僚を完封することができれば勝利に近づける。最前線で張っているタイプではないため、背後への動き出しや巧みなポジション取りからのポストプレーに警戒しながら決定的な仕事をさせないことが鍵となる。