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Matheus CunhaGetty/GOAL

マンチェスター・Uに“新たなカントナ”? クーニャは「クラブを変えた」レジェンドに続けるか

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「勝つためにはゴールが必要。ボールが来たら、細かい動きが次々と起きる。そのなかで自分がしたいのはとにかく完璧な形でフィニッシュに持ち込むだけ」

イギリス『BBC』でそう語ったクーニャはミケル・メリーノの同点弾からわずか数分後に決勝ゴール。その姿はあのエリック・カントナ氏を彷彿とさせるものだった。マンチェスター・Uの最高経営責任者(CEO)を務めるオマール・ベラダ氏はクーニャを獲得した際、「カントナのような選手」と評しており、ブラジル人FWが魔法がかったプレーをするたび、1990年代にクラブの歴史を動かしたフランス生まれの天才と比較されがちだ。

そんなクーニャだが、移籍してきたばかり。アマド・ディアロやブライアン・エンベウモがアフリカ・ネーションズカップに参戦し、ブルーノ・フェルナンデスも負傷離脱した期間は奮起し切れなかった姿もあり、カントナ氏との比較は早すぎる感も否めなったが、アーセナル戦での活躍はレジェンドのようにマンチェスター・Uを本来いるべき場所に導くだけの力があるのを感じさせるものだった。

  • Arsenal v Manchester United - Premier LeagueGetty Images Sport

    「観客を熱狂させる」

    クーニャは今季を迎えるにあたって、マンチェスター・Uが最初に獲得した選手であり、後にエンベウモとベンヤミン・シェシュコが続いて加入。それぞれ良い評判と高額な移籍金で加入したわけだが、このブラジリアンFWはファンの心を掴む特別な魅力があり、CEOも『The Athletic』でこう声を上げる。

    「ファンがきっと気に入る選手だと思う。技術的な能力は言うまでもなく、3つの異なるポジションをこなせる。攻撃的MFとしてはゲームを作りながら、自ら得点を決め、アシストもできるんだ。観客を熱狂させる存在になりうる。どこか自信に満ちた雰囲気もあって、人々もきっと気に入るはず。あえて言うなら、カントナを思い出させる選手だ」

    カントナ氏との比較はベラダ氏が最初というわけではなく、マンチェスター・Uがまだクーニャの獲得で合意に達する前の段階で元イングランド代表のクリス・ワドル氏も同じように論じている。

    「彼は気性の荒さもあるが、マンチェスター・Uは育てていくはず。彼にとっては大きなチャンスだ。彼がマンチェスター・Uを立て直したり、挑戦心に溢れた選手の1人となれば、カントナのようにクラブを変えた人物になるかもしれない」

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  • Aston Villa v Manchester United - Premier LeagueGetty Images Sport

    カントナばりの傲慢さ

    また、マンチェスター・UのOBであるブライアン・ロブソン氏も「クーニャは確固たるキャラクターの持ち主で、存在感がある。カントナよりも少しスピードがあるね。カントナはボールコントロールで比類ない才能の持ち主で、ファンの間でも大人気だったがね。是非とも新たにカントナのような存在になってほしいし、マンチェスター・Uにとっても素晴らしいことだ」とのコメントを残す。

    クーニャは昨年10月下旬に華麗なシュートを決めるまで得点もアシストもなしが続いたが、数字として残らないながらインパクトのあるプレーも。リヴァプールOBのスティーブン・ウォーノック氏からは昨夏のマンチェスター・Uにとってベスト補強として「並外れた選手」との声が聞こえてきた。

    「彼にはカントナを思い起こさせるような傲慢さがある。マンチェスター・Uでプレーする姿から楽しむ様子が伝わってくるね。マンチェスター・Uのユニフォームを着てピッチに立つたびに、クラブが獲得に動いた理由を示しているかのようだ」

    現役時代にマンチェスター・Uでカントナ氏とチームメイトだったポール・インス氏も「クーニャはオールド・トラッフォードにふさわしい姿勢でプレーしている」とし、目を細めている。

    「マンチェスター・Uでカントナのように偉大な選手になる上でメンタリティが必要。クーニャにはそれがある。近年、プレッシャーに屈して去っていく選手を数多く見てきたが、彼は毎週のようにそのなかでもプレーできることを証明している」

  • FBL-ENG-PR-MAN UTD-BOURNEMOUTHAFP

    求められる数字

    一方で、マンチェスター・Uが13試合で3勝にとどまる頃、クーニャはプレッシャーに苦しむ時期も。そうした時期も結果的に解任に繋がったルベン・アモリム前監督は当時、クーニャが周りから数字を求められるが故にプレッシャーに感じていると明かしている。

    「彼はこれまで違うチームでプレーしてきて、プレッシャーも異なる。彼はそれにうまく対処していると思うが、SNSでの評判を気にして数字にとらわれすぎている」

    実のところ、当時のクーニャに関しては数字の部分が懸念材料ではあった。公式戦11試合でわずか1ゴールにとどまり、アシストはゼロ。数字はそれから改善し、直近10試合で4得点2アシストだ。それでいて、チームが最も求めたときに活躍している。

    勝利したウォルヴァーハンプトン戦では先制点をアシスト。引き分けに持ち込んだボーンマス戦、敗れたアストン・ヴィラ戦では勝利にこそ繋がらなかったが、それぞれで決定的な働きをしてみせ、アモリム体制のラストだったリーズ戦でもゴールを記録している。

  • Arsenal v Manchester United - Premier LeagueGetty Images Sport

    本能的なプレーぶり

    マイケル・キャリック氏への監督交代は今のところ、ベンチスタートが続くクーニャにとってマイナスに働くが、初陣だったマンチェスター・C戦でアシスト。そして、今回のアーセナル戦では決勝ゴールだ。キャリック氏のもとで変わるチームの雰囲気をうまく使っているように感じる。

    イギリス『サン』によると、キャリック氏のトレーニングはアモリム氏のときと比べて楽しく、過度に戦術を落とし込むこともない模様。本能的なプレーをしてこそ輝けるタイプのクーニャにとって、アモリム氏のやり方がいかにマイナスに働くかは容易に想像がつく。

    そうした野生的なプレースタイルはアーセナル戦やブライトン戦でのゴールにも表れる。そうしたプレーはカントナが得意としたものでもある。

  • Eric Cantona Manchester UnitedHulton Archive

    マンチェスター・Uを変えたカントナ

    カントナ氏がマンチェスター・Uを変えたのは疑いようもない。加入した1992-93シーズンの当時、マンチェスター・Uはリーグ優勝から26年も遠ざかり、開幕16試合でわずか6勝。だが、カントナ氏は半年間で9得点11アシストと大暴れし、リーグ優勝の原動力となっている。

    カントナ氏がマンチェスター・Uを変えたというのは在籍期間中のチームトロフィー数がすべてを物語る。FAカップを2度制し、リーグタイトルは4つ。試合中のカンフーキックなど、やらかしも少なくなかったが、荒さもクーニャが比較されるところといえる。

    カントナ氏はチームの商業化に嫌気が差して30歳で現役を引退したあと、アーセナルにリーグタイトルを奪われたりもしたマンチェスター・Uだが、1999シーズンにトレブルを達成するなど、黄金期に。今のマンチェスター・Uは強豪としての地位を失いつつあるが、サー・アレックス・ファーガソン元監督はカントナ氏の加入が「クラブの運命を変えた」と振り返っている。

  • Matheus CunhaGetty

    自らの道を

    カントナ氏で特筆すべきはウェイン・ルーニー、クリスティアーノ・ロナウド、ルート・ファン・ニステルローイといった他のレジェンドのようにゴールを量産して地位を確立していったわけではないということ。5年間で82ゴールという数字はクラブ歴代でも23位にとどまり、ブルーノ・フェルナンデス、デイヴィッド・ベッカム、そしてアントニー・マルシャルにすら及ばない。

    シーズン最多得点は18ゴールで、当時はアンディ・コールとアラン・シアラーが1シーズンで34ゴールを記録した時代。マンチェスター・Uに在籍した5年間でチーム得点王になったのも2シーズンだけだったが、63アシストでそれを補った。そして何より、1996年のリーグ優勝決定試合や、同年のFAカップ決勝でのゴールなど、ここぞの場面で結果も残している。

    マンチェスター・Uでのキャリアが始まったばかりのクーニャは本当にカントナ氏と比較されるに値する選手かどうかを証明していく上でまだまだ長い道のり。だが、奇しくも、マンチェスター・U入りしたときの年齢がカントナ氏と同じだった本人もそれを自覚済みだ。

    「彼と比べられるにはもっと多くのことを成し遂げないとね。こうした話題やカントナの名と結びつけられるのは光栄さ。彼は歴史を作った人物なのだから。彼が成し遂げたことを自分も少しでも成し遂げられたら満足だよ。その後、自分自身の道を切り開き、人々の記憶に残る選手になりたい」

    そう謙遜するクーニャだが、アーセナル戦での活躍はカントナ氏の足跡を辿る道を切り開くようなものだった。あとはひたすら進み続けるだけだ。

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