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【徹底展望】中村憲剛がCL準々決勝4カードの勝敗を予想! 必見のベスト4争いを勝ち抜くのは?

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 新フォーマットに基づいて開催される今季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)はベスト8が出そろい、いよいよ準々決勝に突入する。そこで、昨年にJFA Proライセンス(S級ライセンス)を取得し、海外サッカーに精通する元日本代表MF中村憲剛氏にズバリ、各試合の行方を占ってもらった。

 それぞれのチームの強みは何か、死角はどこか。また、戦術面におけるポイントや相性に加えて、注目すべきマッチアップは――。4強をめぐる苛烈なバトルの見どころを深掘りしていく。


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    アーセナル対レアル・マドリー予想スタメン

  • 展望

     まずは、両軍の今季の戦いぶりから触れたいと思います。アーセナルはキャプテンでもあるウーデゴールを中心に攻撃面で一段と流動性が高まり、どこからでも点が取れるチームに仕上がりました。主力に負傷者が少なくないですが、プレミアリーグにおいても好調をキープしています。

     他方、レアル・マドリーの場合は“いかにエンバペを組み込むか”という一大テーマに挑んだシーズン。ヴィニシウスとの関係性を含め、最適解とは言い難いものの、エンバペ自身は確実に数字を伸ばしており、出口が見えかけているのも確かです。

     では、実際にゲームの図式はどうなるのか。どちらも絶えずボールを保持しながら、敵陣で戦いたいチームですが、その色がより鮮明なのはアーセナルのほうでしょう。相手がマドリーであっても、アルテタ監督はできるだけボールを渡したくないと考えるはずです。

     そこで強みになるのが左サイドじゃないかと思います。機に乗じた攻め上がりで左ポケットを攻略するライスや“偽サイドバック”として自在に立ち回るルイス=スケリーらの絡みがポイントになりそうです。

     これに対し、マドリーはどう出るか。おそらくはミドルゾーンに構え、中盤でのボールゲインから鋭いカウンターアタックを繰り出すプランかと。実際、エンバペ 、ヴィニシウス、ロドリゴの3トップにベリンガムが絡む速攻は当代随一の破壊力を持つことを考えても、勝機は十分でしょう。決して1つのやり方に特化せず、常に相手の出方に応じて、勝つための最適解を選択するのがマドリーの流儀ですからね。

     アーセナルとすれば、攻めに回った際にできるだけマドリーの両翼(ヴィニシウスとロドリゴ)を押し下げ、速攻に転じにくい状況をつくり出したいところでしょう。両サイドの攻防、押し引きがカギを握るような気がします。

     最後に勝敗を予想すると、圧倒的な経験値を備え、2ndレグをホームで戦う利点を手にしたマドリーが少しばかり有利なのではないでしょうか。

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    バイエルン対インテル予想スタメン

  • 展望

     まず、両軍の今季の印象から。コンパニ新監督を迎えたバイエルンは攻守両面で一段と強度が上がったうえに、勝負強さや抜け目のなさも際立っています。一方のインテルはインザーギ監督の思想・哲学がクラブの隅々まで行き渡り、極めて完成度の高いチームに仕上がっています。ただ、両軍ともに負傷者を抱え、1stレグは不確定要素の強い戦いとなるでしょう。

     インテルの強みはラウタロ・マルティネスとテュラムという補完性抜群の2トップ。そもそも“2トップ対2CB”という数的同数の争い自体、1トップが主流の現代サッカーにおいてはレアであり、ゴール前の激しい攻防が増えると思います。最も注目すべきマッチアップと言ってもいいでしょう。インテルはこの2トップにボールを集める仕組みをしっかりと整えていますから、CBの人選や組み合わせを含め、バイエルン側の対応力が問われるでしょう。

     ゲームの見どころは数多くありますが、第1の注目点はインテルのボール保持に対し、バックラインに負傷者が多数出ているバイエルンがどう守るか。今季のベスト8の中で唯一、3バック(3-1-4-2)を採用するチームがインテルなんです。その相手をどう嵌めるのか。マンツーマンのハイプレスを試みるか、それともミドルゾーンに構えるか実に興味深いところです。

     一方、インテルはいかにプレスを回避してボールを前進させるか。配置転換を含め、各々の立ち位置はかなり流動的ですから、インテルのビルドアップとバイエルンのプレスをめぐる攻防がゲームの行方を大きく左右することになるかもしれません。

     そして最後に勝敗予想ですが……難しいですね。経験値で勝るのはインテルですが、1stレグでインテル側の負傷者が戻って来れずに火力が落ちて臨んだ場合、バイエルンが先勝し、そのまま勝ち抜く公算が大きいと予想します。

  • psg-villa(C)GOAL

    PSG対アストン・ヴィラ予想スタメン

  • 展望

     いずれも実績十分のスペイン人を指揮官に据えたチーム同士の争いです。まず、PSGはエンバペこそ失いましたが、総合力の高さはむしろ昨季以上かと。デンベレがゼロトップとして鮮やかに立ち回り、今冬には突破力に優れるクヴァラツヘリアを補強。ラウンド16では見事、強豪リヴァプールに競り勝ちました。ルイス・エンリケ監督のマネジメントを含め、その実力は本物でしょう。

     一方のアストン・ヴィラはいかにもエメリ監督の手がけたチームらしく、攻守両面でソリッドな印象が強くあります。ボールの保持と非保持、どちらの局面でも水準以上の力を有しており、簡単には倒れません

     この試合に限った話をすれば、ミッドウィークの戦いに“全振り”しやすいチーム同士の争い。国内リーグではPSGが首位を独走し、一方のアストン・ヴィラは中位に沈むぶん、この戦いに力を注ぎやすい状況と言えるでしょう。

     ゲームの構図を占うと、基本的にはPSGがボールを保持し、アストン・ヴィラが4-4-2の堅固なブロックを組んで迎え撃つという流れかと。そうなると、PSG側のポイントは司令塔のヴィティーニャを中心にした“ブロック崩し”の破壊力。とりわけ、アストン・ヴィラがローブロックで対抗してきた場合、どんな攻め手をもって崩し切るか。出し手によるパスの精度や速度はもちろん、両ワイドのドリブル突破に加えて、敵を欺くアイディアとその実行力が問われることになるでしょう。

     一方のアストン・ヴィラはいかに相手側の攻めをやり過ごし、逆襲から仕留めるか。お互いに手の内を知り尽くした監督同士の戦いですから、戦術的な駆け引きや勝負どころの交代策など、ベンチワークも見どころになります。

     最後に勝敗を予想すると、勢いで勝るPSGが勝ち上がるんじゃないかと。ラウンド16でリヴァプールを破った事実がチーム全体に大いなる自信をもたらしたはず。それだけに、エメリがどんな策を用意するか楽しみです。

  • barcelona-dortmund(C)GOAL

    バルセロナ対ドルトムント予想スタメン

  • 展望

     国内リーグで優勝争いを演じるバルセロナと、シーズン途中の監督交代に揺れ、中位をさまようドルトムント。実に対照的なチーム同士の戦いと言えるでしょう。

     まず、今季のバルサはフリック新監督の下で超がつくほどのハイライン・ハイプレスを実装。ライン間で変幻自在に立ち回るペドリの活躍が際立つうえに、3トップも絶好調ですからね。パスワーク、単騎突破、決定力の三拍子がそろった攻撃力はヨーロッパ屈指の代物かと。

     他方、ドルトムントは国内リーグにおいては難しいシーズンを過ごしています。それでも8強に勝ち残ったわけですから、そのチーム力は伊達ではありません。また、ファン・サポーターの大声援をバックにつけるホーム戦は大きなアドバンテージになります。

     ゲームを占えば、バルサが敵陣深く押し込み、ドルトムントが辛抱強く守る構図になるでしょう。それも1stレグ、2ndレグの違いを問わず、です。ドルトムント側のポイントはいかにバルサの猛攻を耐えしのぐか。火力を比べても、撃ち合いは不利ですからね。勝機を見出すなら、ロースコアの展開でしょう。バルサがハイラインで戦うぶん、常に“裏抜け”から点を取るチャンスがありますから、僅差勝負に持ち込めるかどうかがポイントかと。

     リーグフェーズで一度対戦経験があることはドルトムント側に有利に働く可能性があります。その試合は敗れたものの、あのハイラインを経験済みの選手たちならば、攻略のルートやタイミングを逃さず、仕事をやり遂げることができるかもしれません。そのためにも、できるだけボールの回収地点を高くして、逆襲に転じたいところです。とりわけ、ペドリをはじめとするバルサのMF陣を自由にさせず、肝心のボールを絡め取れるか。守備時の振る舞い方次第ですね。

     最後に勝敗を予想するなら、やはり総合力で勝るバルサがベスト4に駒を進めるんじゃないかと。ドルトムントとすれば、1stレグを制して、バルサに圧力をかけたいところですが、果たして……。