稲村隼翔(いなむらはやと・アルビレックス新潟) 2002年5月6日生まれ。東京都出身。FC東京U-15深川-前橋育英高-東洋大
北條:新潟の稲村隼翔選手はいかがですか。去年から特別指定選手としてYBCルヴァンカップの決勝戦でもプレーしていた期待の選手です。
中村:僕は中央大学でテクニカルアドバイザーという役割を担っているので、大卒の選手たちは全員把握しています。稲村選手は東洋大学時代にインカレ(全日本学生選手権)で日本一を経験。アルビレックスでもずっとプレーをしていたので、新戦力というよりはしっかりとした戦力だと思います。
左利きのセンターバックは貴重だと思いますし、ボールを付ける感覚をすごく持ち合わせている選手です。短いところだけではなく、ミドルから長いところ、対角へのサイドチェンジも出せます。相手のプレスを観ながらポジショニングを取り、パスを付けられる選手なので、昨シーズンのアルビレックスのサッカーにはものすごくフィットしていたと思います。
高さを持ち合わせていて、対人の強さもある。今シーズンは新戦力というよりは、中心選手としての気概や覚悟を持って臨んでいると思うので、すごく期待してほしいと思います。
北條:いろいろなクラブの強化やスタッフの方に話を聞くと、CBの良い選手がどんどん海外に出て行ってしまって、人材がいないと聞きます。もちろん、いい選手はたくさん出てきていますが、稲村選手は非常に能力の高い選手ですし、ひょっとしたら海外挑戦できるポテンシャルもある選手なのではないでしょうか。
中村:そう思いますね。日本の市場がそのように見られる現状は仕方がないですし、選手たちもJリーグでしっかりとプレーをして海外に行く、もしくはJリーグを通らずに海外へ行くケースも増えています。それだけ日本の育成年代の選手たちが評価されていると僕は思っています。
いろいろな選手がチャンスをつかむという観点でいえば、誰かが抜けたら、誰かが出てくる循環はいいと思います。日本サッカーの裾野を広げる部分や選手層の厚みを持つという意味で悪いことではないはずです。いま挙げた5人の選手たちには、ぜひ期待していただきたいと思います。