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【現地発】「限界が見えない」久保建英が示した格の違い。記憶に刻まれる正真正銘のゴラッソ

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氷点下という気温的にも、内容的にも非常に冷え込んだデンマークでの一戦で、一選手が別次元の“ワンプレー”を見せた。

その選手は、久保建英以外の何者でもない。

正直に言って、この日本人が試合を通して見せたプレーは、本来のクオリティーからは程遠かった。それでも彼はたった一つのプレーで、その類い稀な才能を証明してしまうのだ。

タケ・クボという選手の価値は、今回のゴールでまた上がることになるだろう。こういった低調な試合でも、たった数秒で圧倒的な違いを生み出してしまえるのだから、まったく、限界が見えないフットボーラーである。

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    忍耐

    レアル・ソシエダはこのミッティラン戦、とにかく効率的にゴールを奪って試合を物にした。彼らの最も熱狂的なサポーターでさえ、記憶に残すことのない試合内容となったが、しかしこういった勝利こそがその後の成功につながっていくのだ。そのことを知るのはラ・レアル、そして久保にほかならない。

    ミッティラン戦はみかけよりも楽な試合ではなかった。昨季のデンマークリーグ王者は同リーグの中断期間の真っ只中で完全なコンディションにはなかったものの、その縦に速い攻撃、激しく強靭なプレッシングはどんなチームにとっても厄介なことこの上ない(かてて加えて、ピッチコンディションはあまりにも劣悪だった)。久保はそんな相手に対して過度に魅せるようなプレーはせず、試合の流れを読みながら、焦ることなくチャンスを、自分が一瞬でも輝けるタイミングを待ち続けたのだった。

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    正真正銘のゴラッソ

    そうして生まれたのだ。パスを受ける前からシュートを打つまで、久保のセンスが凝集されたあのゴラッソが。

    ブライス・メンデスからパスを受けるとき、右サイドに張り続けていたのは賢明だった。欲を出して中央に寄ったり前に出過ぎたりしていれば、スペースも視野もなくなり、プレーの選択肢は減っていただろう。

    久保はもらったボールを落ち着いてコントロールすると、眼前のパウリーニョにドリブルを仕掛け、内に切れ込んだ。2枚マークがつかず1対1となれれば、やはり彼は止めようがない。そしてペナルティーエリア手前右で対角線上にシュートコースを見つけると、流れるような動作で瞬く間に左足を振り抜いた。速く、高く、真っ直ぐ伸びていくボールは、ミッティランGKの必死の横っ飛びを無意味なものとして、勢いよく枠内左に飛び込んだ。

    あの振りの速さで、あんなボールを蹴られる選手は、世界でもそうはいない。……さっき私は「彼らの熱狂的なサポーターでさえ記憶に残すことのない試合内容」と記したが、久保のゴールだけに限ればその真逆だ。フットボールファンでない人間さえ記憶に残すような正真正銘のゴラッソである。

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    奮戦

    久保はゴール以外の場面では、いつものようなキレがなく、動きも控えめだった。が、それは彼個人というより、チームとして抱える問題が大きかった。彼の相棒とも言えるブライス・メンデス以外に創造力を発揮し、うまく連係を取れるチームメートはおらず、ミッティランの激しいプレーにチーム全体が苦しんでいたのだから(ボールロストは25回を記録)。

    それでも久保は、ラ・レアルの攻撃を自分が引っ張るんだという責任感を見せている。チームメートにボールを要求することを止めず(ボールタッチ数は64回)、個人技から均衡を崩そうと試みるなど(ドリブル成功数は10回中5回)、彼個人では懸命に奮闘していた。

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    格の違い

    久保はミッティラン戦でまさしく、“格の違い”、というやつを示したのだ。

    この日本人は、世界でもほんのひと握りの選手しか使えない魔法を持っている。たった一瞬で、試合を勝たせてしまえる力がある。試合展開やチームメート、チーム全体の出来にかかわらず、違いを生み出してしまうのが、タケ・クボという格の選手なのだ。

    ひょっとしたら、彼が真のトッププレーヤーなのかどうかをまだ疑っている人もいるかもしれない。しかし少なくとも、彼が秘めている可能性に疑いの余地はない。いっさい、ない。久保には果てしない可能性がある。どこまで行けるかを決めるのは、彼だけだ。

    文=ハビ・シジェス/スペイン紙『as』副編集長

    翻訳=江間慎一郎

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