Getty/GoalMark Doyle
来年の東京五輪には何人がやってくる?U-21EUROベストイレブン
GettyGK:アントニオ・シベラ/スペイン
スペインの創造性豊かな攻撃陣が今大会を席巻したのは確かだが、彼らの活躍はアントニオ・シベラの存在があってこそのものだ。
実際、このアラベスの守護神以上のセーブ率(78.6%)を記録したGKはいない。準決勝のフランス戦、先制されリードを許す展開の中、ジャン=フィリップ・マテタのシュートをセーブし、重要な役割を果たしたことも大会のハイライトだ。
GettyRB:クリスティアン・マネア/ルーマニア
マルティン・アギレガビリア(スペイン)とルーカス・クロスターマン(ドイツ)の右サイドバック両名は今大会を素晴らしい結果で終えたが、最も活躍した右サイドバックはクリスティアン・マネアだろう。
このダイナミックに躍動する21歳の活躍なくしてルーマニアの準決勝進出はあり得なかったはずだ。全プレイヤー通じて最多のタックル成功数(13)を記録し、アシストも記録。さらには最多インターセプト数(12)をマークするなど大会を通じて獅子奮迅の活躍であった。
GettyCB:ダヨ・ウパメカノ/フランス
最終的にスペインに準決勝で敗戦を喫したものの、グループステージでのダヨ・ウパメカノの活躍は目覚ましく、フランス代表の許した失点はたった「1」であった。
RBライプツィヒ所属の20歳は最多リカバリー数(35)を記録した上、さらに11もの空中戦勝利、35のボール奪取を記録。フィジカル、技術、そして試合の流れを読む力の高さを見る者全てに印象づけた。
GettyCB:ヨナタン・ター/ドイツ
U-21代表監督シュテファン・クンツは、ヨアヒム・レーヴ代表監督に感謝していることだろう。ヨナタン・ターは、6月8日に行われたフル代表のEURO2020予選で先発フル出場し、ベラルーシに勝利。その直後にU-21代表に合流することを許されたのだった。
所属するレヴァークーゼンでも定位置をつかむター。中心的な存在と目されてきただけの能力をイタリアの地で証明し、ディフェンダーとしての能力はもとより、リーダーとしての素質、コミュニケーション能力、そして組織を作る力を示したのだった。
GettyLB:ベンヤミン・ヘンリヒス/ドイツ
ター同様に、モナコの新星、ベンヤミン・ヘンリヒスも決勝戦で敗れてしまった。しかし、これもターと同じく、大会中の目覚ましい活躍には自信を持つべきだろう。さらに、大会中のタックル成功数12はマネアと肩を並べるほどの記録だ。
右利きであるにも関わらず左サイドに配置されるヘンリヒス。累積警告により準決勝を欠場した際、ドイツの守備が大会中で最も不安定だったのは決して偶然などではないだろう。
GettyCM:ファビアン・ルイス/スペイン
普段はナポリで過ごしているだけに、イタリアで開かれた今大会で伸び伸びプレーしていたことは驚きにも値しないが、それでもこのスペイン人MFのU-21EUROの活躍は新境地であった。勤勉さと創造性をミックスしたプレーは、大会MVPの座にまさにふさわしい。
圧勝を飾ったグループステージのポーランド戦と優勝を決めたドイツ戦(2-1)で2得点を記録しただけでなく、2つのアシストも記録している。そのうち一つは、準決勝のフランス戦で見せたダニ・オルモへのあの爽快なノールックパスだ。
GettyCM:マフムード・ダフート/ドイツ
ドイツの有望な若手と将来を嘱望されてきたが、23歳にしてついにポテンシャルを開花させ、期待に応えるときがきたようだ。
ボルシア・ドルトムントのMFは、確かにイタリアで期待にふさわしい働きを見せていた。ゴールとアシストを記録しただけでなく、11のチャンスを創出。これより上の順位にいるのはダニ・セバージョスとルカ・ヴァルトシュミットだけだ。
Getty攻撃的MF:ダニ・セバージョス/スペイン
今大会の優秀選手に選ばれたダニ・セバージョスだが、そこまでの道のりは簡単ではなかったかもしれない。しかし、風格を備えたこのアタッキング・ミッドフィルダーは今大会でまばゆい活躍を見せ、自身の秀でた才能を明確に示すに至った。
誰よりも多くのチャンスを作り出し(14)、2つのアシストに結びつけた。さらに2つのゴールでチームに貢献。イタリア戦での強烈な先制ゴールは記憶に残る一撃だ。
GettyRW:ダニ・オルモ/スペイン
ディナモ・ザグレブの右サイドを任される、ダニ・オルモは大会開始時にはスタメンではなかった。しかし代表チームの最重要プレイヤーとなって今大会を終えることとなった。
バルセロナユースを経験したオルモは、今大会3ゴールをマーク。決勝のMOM選出の一因にもなったループシュートが印象的だ。独特のペースやトリックで、多くのトップクラブの注目の的となっていた。
GettyCF:ルカ・ヴァルトシュミット/ドイツ
大会前までは、ルカ・ヴァルトシュミットの噂はほとんど聞こえてこなかった。ドイツのサポーターやメディアさえも彼のことを話す人々は少なかった。しかし今や状況は一変。トップタイとなる7ゴールを記録した上に、3度もMOMを受賞したのだ。
フライブルク所属のこのFWが印象づけたのは、左足から放たれる強烈なフィニッシュだけではない。オールラウンドなプレースタイルを披露し、12ものチャンス創出を記録していた。
GettyLW:フェデリコ・キエーザ/イタリア
決勝トーナメント進出を逃したチームからの唯一の選出となった。しかし印象的なパフォーマンスを見せたキエーザを見過ごすわけにはいかない。
フェデリコ・キエーザは移籍話の真っ只中で今大会を迎えた。いわば「地方巡業」となった自国での今大会であったが、3試合の出場で3ゴールを挙げ、噂話をさらに活性化させることになった。スペインに勝利した開幕戦では、このフィオレンティーナのウィンガーが誰にも止められないことを証明した。
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