Luca Waldschmidt Freiburg 05102019Getty

今季のブンデスリーガを盛り上げているのは若手たち。今見るべきヤングスターとは…

今季は例年とは異なる様相を呈しているのがブンデスリーガ。開幕から11試合を終えて首位を快走するのは古豪ボルシア・メンヒェングラッドバッハ(ボルシアMG)で、2位RBライプツィヒとバイエルン・ミュンヘンから10位のヴォルフスブルクまで4ポイント差と、9チームがひしめき合っている。

激戦のリーグで今盛り上げているのが若手たち。中でも、予想外の奮闘で上位に進出している首位ボルシアMG、4位フライブルクなどは若手たちがチームの中軸を担っている。『Goal』では、じきに欧州メガクラブでも活躍を見られるようになるかもしれないヤングスターたちを一挙に紹介していく。

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    1ルカ・ヴァルトシュミット(フライブルク)

    19-20ブンデスリーガ成績:10試合4得点

    今夏のU-21欧州選手権で得点王に輝いたのは決してフロックではなかった。開幕2戦連続ゴールの後、自身のコンディションや絶好調だったチームメイトの存在もあり、3戦連続でスタメンから外れたものの、途中出場した第6節のデュッセルドルフ戦で得意の左足シュートで決勝点。続くドルトムント戦でも勝ち点確保につながる貴重なゴールを奪った。

    敵2ライン(DFとMF)間で巧みにパスを引き出し、鋭いターンからドリブルやパスで崩しの端緒を開くなど、その仕事ぶりはフィニッシュだけに留まらない。ただ、最大の武器はやはり左足のシュートで、全盛期のルーカス・ポドルスキを間近で見ていた元ケルンU-21GKコーチの田口哲雄氏も「あれは半端じゃないですね」と舌を巻く。11月16日のベラルーシ戦で負った大ケガ(顔面骨折)の早期回復を祈りたい。

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    2アミーヌ・アリ(シャルケ)

    19-20ブンデスリーガ成績:11試合5得点

    デイビッド・ワグナー新体制がすぐさま軌道に乗り、昨シーズンの不振から脱却したシャルケの中でひと際大きな輝きを放っている。卓越したボールタッチと俊敏性を利した得意のドリブルもさることながら、今シーズンは決定的な仕事をこなす機会が増加。ここまでに記録した5ゴールのうち、3つが決勝点と勝負を決する違いになっている。特に圧巻だったのは、第5節マインツ戦の終了間際に決めたアウトサイドキックによる一撃だ。

    2018年夏にモロッコで交通事故を起こした影響からか、昨季はチーム同様にパッとしないままシーズン終了。一時は放出候補と目されたが、見事なV字回復を果たした。モロッコ代表ではヴァイッド・ハリルホジッチ監督から「まだ何も見せていない」と叱責されているが、シャルケには不可欠な存在。リヴァプール移籍の噂が浮上するほどの充実ぶりだ。

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    3ロビン・コッホ(フライブルク)

    19-20ブンデスリーガ成績:11試合0得点

    ベテランさながらの落ち着きで最終ラインを統率すれば、精度の高いフィードで攻撃のスイッチも入れられるCBの俊英だ。今年10月のアルゼンチン戦で「最大の夢」だったドイツ代表デビューを飾ると、その強豪との一戦で浮足立つどころか、普段通りのプレーを披露して評価を高めた。試合後、ヨアヒム・レーヴ監督が「とても安定していたし、自信を持っていたよ。緊張するどころか良いオーラがあったよ」と絶賛したほどだ。

    フライブルクでは3バックの中央が主戦場で、4バック採用時には中盤センターもソツなくこなしている。ハイプレスにさらされてもブレにくいボールコントロールも魅力だ。当然ながら移籍市場の注目銘柄と化しており、レスターやウォルバーハンプトン、ノリッジが1月の獲得に興味を持っているようだ。『ビルト』によれば、そこにトッテナムも含まれている。

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    4デニス・ザカリア(ボルシアMG)

    19-20ブンデスリーガ成績:11試合2得点

    ボルシアMGでテュラムより先にビッグクラブに羽ばたきそうなのが、このボックス・トゥ・ボックス型の大器だ。前所属のヤングボーイズ時代にポール・ポグバにも例えられたスイス代表の23歳は、水準以上のパワーとスピードに加え、利他的なメンタリティーも兼備する。昨季はやや伸び悩むも、マルコ・ローゼ新監督が志向するインテンシティーの高いプレッシングサッカーが肌に合ったのだろう。攻守に大車輪の活躍を見せている。

    1月のステップアップ移籍が取り沙汰されていたが、代理人のマテュー・ベタがその可能性を完全否定。本人も『エクスプレス』で「できれば、ボルシアでチャンピオンズリーグに出たい」と明かしている。ただ、商売上手のエバールSDは来夏を“売り時”と見なしているはず。推定移籍金は5000万ユーロ(約60億円)で、リヴァプールやマンチェスター・U、アーセナルが移籍先候補に挙がる。

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    5アクラフ・ハキミ(ドルトムント)

    19-20ブンデスリーガ成績:11試合2得点

    10、11月のドルトムントで最もインパクトを放ったヤングタレントは、マンチェスター・ユナイテッドなどメガクラブがラブコールを送るジェイドン・サンチョではない。チャンピオンズリーグ第2節のスラヴィア・プラハ戦、同4節のインテル戦で2ゴールを叩き出すなど、主将のマルコ・ロイスが「俺たちにとってのヴァッフェ(武器)」と形容したアクラフ・ハキミだ。チーム事情に応じて、左右のウイング、右サイドバックを務め、いずれのポジションに配されても自慢のスピードを活かした仕掛けで攻撃を活性化させた。

    ミヒャエル・ツォルクSDは「ここを快適に思っているはず」と語るが、来季はレンタル元のレアル・マドリーで主力を担っていてもおかしくない成長ぶりを示している。

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    6マルクス・テュラム(ボルシアMG)

    19-20ブンデスリーガ成績:11試合5得点

    グラニト・ジャカ(アーセナル)やミカエル・キュイザンス(バイエルン)の才能を一早く見抜くなど若手の“目利き”に優れるボルシア・メンヒェングラッドバッハが、今夏にギャンガンから獲得した22歳のフィジカルモンスターだ。元フランス代表DFの父リリアンから譲り受けた身体能力と体躯が魅力で、パワーとスピードを活かしたドリブルやボールキープ、ゴール前への迫力ある飛び込みを武器に、チームの首位躍進に大きな貢献を果たしている。

    マックス・エベールSDは『シュポルト1』で「とんでもなく面白くてオープンな男さ。加入当初からロッカールームに明るさと楽しさを持ち込んでくれているよ。しかも、非常にプロフェッショナルでもある」と、そのパーソナリティーを絶賛している。このまま順調に成長すれば、実父のように偉大なキャリアを築くかもしれない。

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