2018-11-06-U19-players(C)J.LEAGUE

ネクスト堂安はJにいる!世界切符をつかんだU-19代表の注目選手たち

  • 2018-10-16-japan-doan-004.jpg©Getty Images

    ❏Jリーグでプレーする可能性を秘めた選手たち

    今やA代表に定着し、ビッグクラブへのステップアップも噂される堂安律も、2年前のこの時期はJ3を戦うガンバ大阪U-23チームが主戦場だった。悔しさをエネルギーに変えて戦った彼の姿を見守っていたサポーターは、その成長ぶりを誰よりも実感できていることだろう。Jリーグにはそんな可能性がまだまだ眠っている。

    11月4日、サウジアラビアの優勝という形でAFC U-19選手権は終幕を迎えた。日本はベスト4でサウジアラビアに敗れて敗退という悔しさを残す結果になったが、来年5月下旬に開幕するU-20W杯ポーランド大会の出場権は掴み取った。ここからがリスタートであり、サバイバルだ。

    本大会の21名の登録枠を巡る戦いがあり、ピッチに立つ11名を決める戦いもすでに始まっている。そのメインステージは、言うまでもなくJリーグ。影山雅永監督は敗退決定後、選手たちに「Jリーグで試合に出て、活躍してほしい」というシンプルな要求を行った。その期待に応える選手たちの出現は、そのまま日本サッカーの活力にもつながるはず。

    シーズンの残り試合で活躍が期待されるU-19年代の選手を、今回の代表選手から8名、さらにメンバー入りはしていないものの、本大会へのブレイクスルーを期待したい選手2名をピックアップしてみた。

    文=川端暁彦

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  • 2018-11-06-U19-gamba-tani(C)J.LEAGUE

    ■GK 41 谷 晃生(たに・こうせい/G大阪、G大阪U-23)

    190cm近い大型で、足元もうまい現代型GK

    2年前の堂安がこの時期、U-23チームを主戦場としていたのは前述のとおり。U-19日本代表の正GKだった谷は今季ここまでJ3で14試合に出場し、着実に経験値を積み上げている。経験が重視されるGKの若手は出場機会に恵まれないことも多いだけに、J3での日々が谷の血肉となっているのは大きい。190cm近い大型ながら足技も備える現代型のGK。

    2000年11月22日生まれ17歳、187cm/78kg、大阪府出身。G大阪JY→G大阪ユース。J3通算18試合出場(18/11/5時点)

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム

  • 2018-11-06-Urawa-hashioka(C)URAWA REDS

    ■DF 27 橋岡 大樹(はしおか・だいき/浦和レッズ)

    従兄弟に陸上選手の橋岡優輝。共に五輪出場を狙う

    常に「1対1では絶対に負けない」と公言し、そのための努力を怠らないDF。U-19代表では専らセンターバックとしてプレーしていたが、浦和では右アウトサイドでのプレーと違いはあるが、「まったく問題ない」と意に介さない。代表に来ても課題を出されているクロスボールの練習に取り組んでいた。もっと強く、もっと上手くなりたいという成長への意欲を持つ選手だ。従兄弟に陸上選手の橋岡優輝がおり、共に東京五輪出場を狙っている。

    1999年5月17日生まれ19歳、182cm/73kg、埼玉県出身。浦和JY→浦和ユース。J1通算22試合出場1得点(18/11/5時点)

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム

  • 2018-11-06-shonan-saitomitsuki(C)J.LEAGUE

    ■MF 16 齊藤 未月(さいとう・みつき/湘南ベルマーレ)

    まさに“湘南スタイル”の申し子

    大会中「ものすごく刺激になる」と語っていたのは湘南ベルマーレのルヴァンカップ制覇。ジュニアから湘南で育った齊藤にとって、“湘南スタイル”でメジャータイトルを制したことは格別な思いがあったようだ。「絶対J1残留します」という宣言と共に帰国したが、齊藤自身も小柄ながら球際のバトル、攻守の切り替えに長じたまさに“湘南スタイル”の申し子のような選手である。

    1999年1月10日生まれ19歳、165cm/64kg、神奈川県出身。藤沢FC→湘南ジュニア→湘南U-15平塚→湘南ユース。J1通算21試合出場1得点、J2通算30試合出場(18/11/5時点)

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム

  • 2018-11-06-kashima-abe(C)J.LEAGUE

    ■FW 30 安部 裕葵(あべ・ひろき/鹿島アントラーズ)

    鹿島でもルーキーイヤーから存在感を発揮

    U-19代表の「10番」はAFCチャンピオンズリーグ決勝を戦っている真っ最中。「メンタルの波がないのが自分の特長」と語り、試合前は意識的に心を無にするという「ホントに19歳?」という個性の持ち主で、鹿島でもルーキーイヤーから存在感を見せてきた。技巧に秀で、クレバーな動き出しも光るが、「うまくいかないときても、必ずできることなので」と、ハードワークも怠らない。

    1999年1月28日生まれ19歳、171cm/65kg、東京都出身。城北アスカFC→S.T.FC→瀬戸内高。J1通算32試合出場3得点(18/11/5時点)

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム

  • 2018-11-06-kobe-gouke(C)J.LEAGUE

    ■MF 27 郷家 友太(ごうけ・ゆうた/ヴィッセル神戸)

    イニエスタやポドルスキと組みながら存在感も

    AFC U-19選手権では大会早々に無念の負傷。幸いにも軽傷で決勝へ向けて調整していたが、準決勝敗退のために再登場の機会は訪れなかった。それだけに帰国後のJリーグへ懸ける思いは強いはず。肉体的な強さと技術的なうまさを兼ね備える選手であり、代表合流前はイニエスタやポドルスキと組みながら存在感も見せていた。残り試合での再爆発を期待したいところだ。

    1999年6月10日生まれ19歳、183cm/74kg、宮城県出身。鶴ヶ谷SSS→ベガルタ仙台JY→青森山田中→青森山田高。J1通算21試合出場1得点(18/11/5時点)

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム

  • 2018-11-06-Tosu-tagawa(C)J.LEAGUE

    ■FW 27 田川 亨介 (たがわ・きょうすけ/サガン鳥栖)

    スピードと爆発力。トーレスとの連係も期待

    U-19代表ではオーソドックスなFWの役割を担うのに対し、クラブではスペースへ突っ込んでいくランニングプレーヤーとしての色を押し出しており、その違いから難しさもあったかもしれない。会心のシュートがバーを叩くなど運もなかった。ただ、そのスピードと爆発力はやはり驚異的で、活かされ方次第の選手でもある。ユース時代の恩師・金明輝監督の下で再び輝きたい。

    1999年2月11日生まれ19歳、181cm/70kg、鹿児島県出身。雲仙アルディート→鳥栖U-18。J1通算45試合出場6得点

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム
  • 2018-11-06-yokohama-kubo(C)J.LEAGUE

    ■MF 15 久保 建英(くぼ・たけふさ/横浜F・マリノス)

    技術の高さ、センスの良さ…。やはり非凡

    準決勝・サウジアラビア戦の前半45分のチームパフォーマンスは最悪だった。だが後半から登場した久保がその流れを一変させた。あえて意識した個での打開で、久保に対して厳戒体制だった相手の守りを何度も切り崩し、その技術の高さ、センスの良さを見せ付けた。皆が苦労し続けたピッチにアジャストした適応力の高さも非凡。J1でどこまでやれるか、あらため見てみたい選手だ。

    2001年6月4日生まれ17歳、173cm/67kg、神奈川県出身。FCバルセロナ→FC東京U-15むさし→FC東京U-18→FC東京。J1通算9試合出場1得点・J3通算34試合出場5得点

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム
  • 2018-11-06-yokohamafc-saitokoki(C)J.LEAGUE

    ■FW 43 斉藤 光毅(さいとう・こうき/横浜FC・2種登録)

    大会で最も名を売ったかもしれない17歳

    今回のU-19代表で最も名を売った選手だったかもしれない。グループステージでは3試合連続得点を記録し、チームのけん引車に。切れ味鋭いドリブルやスペースへ飛び出す感覚の良さ、何より物怖じしないメンタリティで飛び級招集の高校2年生とは思わぬ活躍ぶりだった。昇格を狙うクラブにおいても、ラストピースになり得るポテンシャルは十分にあるはずだ。

    2001年8月10 日生まれ17歳、170cm/61kg、東京都出身。犬蔵SC→横浜FC.JY。J2通算2試合出場

    【AFCU-19選手権出場】※ポジション背番号は所属チーム

  • 2018-11-06-niigata-watanabetaiki(C)J.LEAGUE

    ■DF 29 渡邊 泰基(わたなべ・たいき/アルビレックス新潟)

    選手権優勝に貢献、左利きの左サイドバック

    今年頭の高校サッカー選手権で前橋育英高校の左サイドバックとして初優勝に大きく貢献。加入初年度となった新潟でもレギュラー格の選手として奮戦を続けている。左利きの左サイドバックであり、180cmを超える大型選手でもある。もともとは攻撃型の選手だが、Jの経験を得て守備も向上してきた。ここまでU-19代表では候補止まりだったが、本大会へ向けてチャンスはあるはず。

    1999年4月22日生まれ19歳、180cm/74kg、新潟県出身。新潟U-15→前橋育英高。J2通算20試合出場

    【今回は落選も、U-20W杯出場を目指す】※ポジション背番号は所属チーム
  • 2018-11-06-gamba-nakamurakeito(C)J.LEAGUE

    ■FW 38 中村 敬斗(なかむら・けいと/ガンバ大阪)

    プロでのプレーを選択した高校3年生

    まだ高校3年生だが、ユース年代ではなく、プロでのプレーを選択して今季からJリーグに殴り込みをかけた。クルピ前監督から才能を高く評価されて抜擢を受け、負傷離脱の期間もありながら、今季ここまでJ1通算15試合に出場を果たしている。パワフルなシュートはU-19年代でも指折りの威力を誇り、ドリブルでの打開力もある。もうひと伸びあれば、世界大会での切り札にもなれる逸材だ。

    2000年7月28日生まれ18歳、180cm/75kg、千葉県出身。高野山SSS→柏イーグルスTOR82→柏レイソルU-12→高野山SSS→三菱巣鴨JY→三菱養和SCユース。J1通算 15試合出場・J3通算13試合出場4得点

    【今回は落選も、U-20W杯出場を目指す】※ポジション背番号は所属チーム