Marcus Rashford Eden Hazard Memphis DepayGetty

ケガの功名?ラッシュフォード、アザールらEURO1年延期でチャンスが訪れた25選手

新型コロナウイルスの感染拡大で社会は大混乱に陥っている。また、サッカー界も例外ではない。

今夏に行われる予定だったEURO2020が2021年の夏まで1年間延期されることが決まった。

ウイルスが蔓延する最中にサッカーの試合の優先順位が下がるのは仕方がないが、この延期は選手にもチームにも大きな影響を与えるだろう。特にキャリアが終盤に差し掛かっている選手は最後の大舞台として位置づけていたEUROに出場できなくなってしまう可能性がある。

一方で、ケガやコンディション不良、ポジション争いで欠場が見込まれていた他の多くの選手にとっては、延期はチャンスをもたらしてくれるかもしれない。

  • Eden Hazard Real Madrid 2019-20Getty Images

    エデン・アザール(ベルギー)

    アザールがベルギーの「黄金世代」のひとりであることは間違いないが、2月にかかとを骨折し、EUROへの出場はかなわないとみられていた。

    だが、今回の決定で、ケガを治療し、レギュラーに復帰できるチャンスがめぐってきた。

    アザールがいれば、ベルギーは2018年ワールドカップの準決勝進出という成績を上回ることができる期待も高まるだろう。

    延期されたEUROが開催されるときにはアザールは30歳になり、より円熟味も増しているだろう。すでにフル代表として100試合以上に出場しており、母国のために32得点を挙げる大黒柱の存在はプラスに働くはずだ。

  • 広告
  • Robert SkovGetty Images

    ロベルト・スコフ(デンマーク)

    ホッフェンハイムの23歳のウィング、スコフは現在のデンマーク代表を牽引する才能ある選手のひとりだが、今のところは国際経験が不足している。

    コペンハーゲンでの最後のシーズン、スコフは30ゴールを挙げてデンマークのスーパーリーグの最多得点記録を更新した。

    しかし、ブンデスリーガのホッフェンハイムに移籍してからはあまり活躍できていない。リーグ戦18試合出場で、3得点にとどまっている。

    これからの1年で調子を上げていけばEURO開幕に間に合い、デンマーク代表としてこれまで4試合で3得点というゴール数を上積みすることができるかもしれない。

  • Marcus Rashford Manchester UnitedGetty

    マーカス・ラッシュフォード(イングランド)

    今季はマンチェスター・ユナイテッドを牽引し、ハリー・ケインが負傷したためイングランド代表のエースストライカーになるとみられていた。

    だがその後、ラッシュフォードも戦列から離れた。彼自身はスリーライオンズことイングランド代表としてEUROを目指していると強調していたが、ガレス・サウスゲート監督は難しい決断を下すはずであった。

    コンディションが戻れば、ラッシュフォードが先発で使われることはほぼ間違いなく、マンチェスター・Uのためにもう数カ月、死に物狂いでプレーするだろう。

  • ENJOYED THIS STORY?

    Add GOAL.com as a preferred source on Google to see more of our reporting

  • Marco Asensio Real MadridGetty Images

    マルコ・アセンシオ(スペイン)

    24歳のアセンシオは、レアル・マドリーに勝利をもたらすレギュラーに成長し、2019-20シーズンを次のレベルへ進むチャンスとして見ていただろう。

    ところが、開幕前に彼のシーズンは終わってしまった。アーセナルとのプレシーズンマッチで得点したものの、前十字靱帯を損傷してピッチを去ったのである。

    EURO2020が近づくにつれ、アセンシオからケガから回復し、スペイン代表で充分に活躍できるかどうかが問題となっていたが、延期となって活躍のチャンスが大いに与えられることとなった。

  • Jukka Raitala FinlandGetty

    ユッカ・ライタラ(フィンランド)

    フィンランドは今回初めてヨーロッパ選手権の切符を獲得したが、モントリオール・インパクトの左サイドバック、ライタラの代表としてのキャリアは胸が張り裂けそうな結末を迎えていた。

    EURO2020は、31歳のライタラにとって国際大会最後のチャンスとなるはずだったが、すねを負傷し、その機会が奪われていたのだ。

    だが延期となった今、マルック・カネルヴァ監督率いるフィンランド代表にい続けられる確かなチャンスがある。

  • Ethan Ampadu WalesGetty Images

    イーサン・アンパドゥ(ウェールズ)

    10代の天才アンパドゥはRBライプツィヒにレンタル移籍となったが、期待していたほど多くの試合には出られず、EURO2020のウェールズ代表では当落線上であった。

    ブンデスリーガのチームに加入して7試合に出場し、先発は2試合のみ。いずれもチャンピオンズリーグの試合だった。EUROの延期で、もっと多くの出場機会が与えられるようになるかもしれない。

    アンパドゥは9月に20歳となる。チェルシーのフランク・ランパード監督の下で試合に出られるチャンスを想像していることだろう。

    フル代表13キャップの数を増やすには、もう1年成長を続けることが重要である。

  • Andre Gomes Everton 2019Getty Images

    アンドレ・ゴメス(ポルトガル)

    5年間でポルトガル代表として29試合に出場したゴメスは、EURO出場も間違いないと思われていた。だがトッテナム戦で重傷を負い、出場は疑問視されるようになっていた。

    新型コロナウイルスが猛威を振るってヨーロッパのサッカー界を傷つけはじめる前、ゴメスは驚異的な回復を見せて実戦復帰を果たしていた。

    しかしながら、その時点で今シーズンは数カ月しか残っておらず、ゴメスは薄氷を踏む思いであったろう。コンディションやパフォーマンスの問題が再燃すれば、彼の希望は再び打ち砕かれるかもしれなかったのだから。

    26歳のゴメスは1年の猶予でリズムを取り戻し、最高のプレーができるようになっているかもしれない。

  • Dominic Calvert-Lewin Everton 2019-20Getty Images

    ドミニク・キャルヴァート=ルーウィン(イングランド)

    ゴメスのエヴァートンのチームメイト、キャルヴァート=ルーウィンは、カルロ・アンチェロッティ監督の下で変革した選手とみられているが、それはイタリア人監督が就任したばかりの頃の話だ。

    イングランド代表に入るには、好調だった頃よりもさらにコンディションが良く、国際舞台に立てることを証明する必要があった。

    これからの1年、グディソン・パークで実力を発揮できるかが、キャルヴァート=ルーウィンにとって大勝負になる。ゴールを量産し続ければ、イングランド代表でのハリー・ケインの地位を脅かすこともできるかもしれない。

  • Alexander Nubel Schalke 2019-20Getty Images

    アレクサンダー・ニューベル(ドイツ)

    シャルケの若手のスターは、今季中にバイエルン・ミュンヘンに来季から加入することが決定した。

    ニューベルはマヌエル・ノイアーの正式な後継者とみられているが、スポットライトを浴びるにはまだもう少し時間がかかるはずであった。

    だが、実力を示すチャンスが来た。バイエルンからノイアーを追い出し、国際舞台でもゴール前で雄たけびをあげることだろう。

    ただし、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが物申すこともあるかもしれない。

  • Paul Pogba France 2018 World CupGetty Images

    ポール・ポグバ(フランス)

    ポグバはサッカー界で最もお騒がせな選手のひとりかもしれないが、フランス代表のために活躍してきたことに議論の余地はない。

    2018年のワールドカップ決勝でのゴールは、ポグバにとって個人的に素晴らしい大会を飾るものとなったが、フィジカルの問題で今シーズンはほとんどプレーできないでいる。

    ポグバは何とかしてオールド・トラッフォードから離れようとしており、そうなるかもしれない。

    そうなればクラブレベルでは調子が上向くかもしれないが、それよりもフィジカル面で大きな意味を持つ。棒に振ったように見えるシーズンの後、ポグバは再びピッチに戻ろうと必死になっており、今はクラブに専念する時期だ。

  • Ladislav Krejci Bologna Czech RepublicGetty Images

    ラディスラフ・クレーチ(チェコ)

    ボローニャのウィング、クレーチはここ数年チェコ代表としてコンスタントに存在感を示しており、2012年のデビュー以来、40試合に出場して5得点を挙げている。

    しかしながら昨年12月、膝に重傷を負ってプレーできなくなり、EURO2020の出場は危ぶまれていた。

    だが延期となったことで、クレーチがフィジカルとリズムを取り戻すには充分な時間があり、27歳という年齢からいって、まだピークにあると言えよう。

  • Mateo Kovacic Chelsea 2019-20Getty Images

    マテオ・コヴァチッチ(クロアチア)

    コヴァチッチは今シーズン、チェルシーの中盤で成功している選手のひとりであり、マウリツィオ・サッリ前監督時代とは別人に見える。

    クロアチア代表のミッドフィルダーでもあるコヴァチッチは、ランパード監督の下で素晴らしいプレーをしており、絶好調でEUROに突入することが期待されていた。

    しかしその後、FAカップのリヴァプール戦での勝利に貢献できず、調子を落としていた。フィジカルを整えられる時間を得たことで、コヴァチッチにも復活が期待されるだろう。

  • Harry Kane Tottenham 2019-20Getty Images

    ハリー・ケイン(イングランド)

    ケインは元日に行われたサウサンプトン戦で足を引きずっており、EUROに参戦するイングランド代表に暗い影を落としていた。

    キャプテンにして最多得点者であるケインなしでは、マーカス・ラッシュフォードに成長の期待があったとしても、ガレス・サウスゲート監督率いるイングランド代表の威圧感がそがれるとみられていた。

    2人とも今後数カ月でコンディションが完全に戻るとなれば、イングランド代表は大いに躍進が期待できるだろう。

    ケインは今シーズン、必ずしもトッテナムで絶好調とは言えないが、延期によって体を休め、命拾いすることができるかもしれない。

  • Donyell Malen PSVJeroen Putmans

    ドニエル・マレン(オランダ)

    PSVのスター、マレンがアーセナルを去るとき、アーセナルファンは今シーズンに不安を抱いた。元ガナーズ所属の21歳のマレンは、エールディビジの14試合で11得点とゴールを量産していたのだ。

    しかしながら、シーズン半ばにして膝にケガを負い、治療に専念することとなった。

    だが、マレンはさらなる活躍を続けることができる。

    2018-19シーズンは全公式戦のうち42試合に出場して11得点だったのに対し、今シーズンは25試合で17得点。マレンは右肩上がりの成長を見せており、オランダ代表としてEUROにフル参加することが期待されている。

  • Niklas Sule Bayern MunichGetty

    ニクラス・ジューレ(ドイツ)

    ジューレはシーズン初めに十字靱帯を負傷し、バイエルン・ミュンヘンとドイツ代表に大きな損失をもたらした。

    24歳の巨漢DFがバックラインにいないことは、ブンデスリーガの開幕当初、バイエルンにとって大きな痛手となり、ドイツ代表にとっても重要な選手になりつつあったからだ。

    ジューレはリーグ戦全体を棒に振っており、EURO2020もほぼ無理だろうと思われていた。

    だか、彼は命拾いした。予選でオランダに2試合で6失点したドイツの守備陣にとって、彼の復帰は願ってもないこととなろう。

  • Mason Greenwood Manchester United 2019-20Getty Images

    メイソン・グリーンウッド(イングランド)

    グリーンウッドは2019-20シーズンに大躍進を果たしているが、EURO2020はまだ早すぎるのではないかと思われていた。

    しかし、さらに1年の成長期間を与えられ、イングランド代表に滑りこめるチャンスがささやかながらありそうである。

    スリーライオンズは攻撃陣に選ぶべき才能の宝庫であり、グリーンウッドはユナイテッドでコンスタントにゴールを決めることが必要だろう。だが、これまでのところ、グリーンウッドが苦労しているようには見えない。

  • Thomas Goiginger AustriaGetty

    トーマス・ゴイディンガー(オーストリア)

    LASKのウィング、ゴイディンガーは、2019年末にオーストリアでフル代表デビューを果たしたばかりだが、EURO出場への期待を持っていたはずだ。

    3月初め、27歳の誕生日の3日前に十字靱帯を損傷したとき、その希望はついえたように思われた。

    だが、ゴイディンガーには回復の時間が与えられた。代表としてはまだ1点しか奪えていないが、大会が始まる前にゴール数を増やしておきたいと思っていることだろう。

  • Ousmane Dembele Barcelona 2019-20Getty Images

    ウスマン・デンベレ(フランス)

    バルセロナに来てからのデンベレは不運の連続で、コンスタントな活躍ができず、ケガに付きまとわれていた。

    またしてもケガでの長期離脱を余儀なくされたフランス代表のデンベレは、EUROに出られないことが確実視されていた。

    だが、再び疑うべくもない才能を見せるチャンスがやってきた。残る問題はEUROに出場するときに、まだバルサにいるか、それとも別のチームに移籍しているかということだろう。

  • Memphis Depay Netherlands 2019Getty

    メンフィス・デパイ(オランダ)

    デパイがオランダのエキサイティングな若手チームのスターのひとりであることは間違いないが、昨年12月中旬に十字靱帯を損傷し、EURO開幕に間に合うには時間が足りないと思われていた。

    全治7か月と診断され、デパイをあてにすることはオランダ代表ロナルド・クーマン監督にとってリスクとなっていたのだ。

    だが、オランダ代表は、大会の開幕までにデパイが戻ってきて活躍してくれると信じることができるようになったのである。

  • Cenk Tosun Crystal Palace Training 01102020twitter/CPFC

    ジェンク・トスン(トルコ)

    トルコ代表のEUROへの準備は負傷者続出で惨憺たるものだった。

    トスン、メリフ・デミラル、オザン・カバク、ユスフ・ヤズジュが長期離脱で代表選出が危ぶまれていたのである。

    トスンは代表として40試合で16得点しており、彼が欠けるのはトルコ代表にとって大きな損出だと思われていた。彼自身もチームメイトも2021年の夏に元気で戻ってこられることを希望している。

  • Kasper Dolberg Nice 2019-20Getty Images

    カスパー・ドルベリ(デンマーク)

    元アヤックスの神童ドルベリは期待どおりの活躍ができないのではないかと言われていたが、フランスのニースでもゴールへの鋭い嗅覚を発揮している。

    リーグ・アンの23試合で11得点し、今後も自信を持って成長していくだろう。22歳のドルベリには成長のための時間がたっぷり残されている。

    フランスでもう1年プレーし、新たなレベルへ到達することができれば、デンマークにとって朗報となるだろう。

  • Jasper Cillessen Netherlands 2018Getty Images

    ヤスパー・シレッセン(オランダ)

    昨年12月に臀部を負傷したシレッセンは、バレンシアでの役割は不安定なものだ。正キーパーの座はジャウメ・ドメネクが任されている。

    オランダ代表のシレッセンは中断前のリーグ戦2試合でスターティングメンバーであったが、もう1年クラブの背番号1を誰にも渡すことがなければ、ヨーロッパの大舞台に自信を持って臨むことができるだろう。

  • Daniel James Manchester United 2019-20Getty

    ダニエル・ジェームズ(ウェールズ)

    ジェームズのマンチェスター・ユナイテッドでの最初のシーズンを査定するのは難しい。

    プレミアリーグの最初の4試合で3得点という華々しいスタートを切った後、ウェールズ代表の若きスターが再びゴールネットを揺らしたのは3月中旬のことで、ヨーロッパリーグのLASK戦だった。

    2部チャンピオンシップ所属のスウォンジーからやってきたジェームズが、オールド・トラッフォードにうまくはまるかどうかは大いに疑問であった。

    これからの1年でどれだけ成長するかが、彼自身にとってもウェールズ代表にとっても重要であろう。

  • Zaniolo Italy ArmeniaGetty

    ニコロ・ザニオーロ(イタリア)

    ザニオーロはイタリアサッカー界の期待の星のひとりだが、十字靱帯断裂によってEUROに出場するイタリア代表の最終メンバーに選ばれるチャンスはなくなったとみられていた。

    ローマの若手のスターは夏に21歳になるが、ケガが回復して復帰後も成長を続けることが期待されている。

    これまでは国際舞台で5試合に出場し、2得点を挙げている。2019年3月、イタリア代表が2-0で勝ったEURO予選のフィンランド戦でデビューを果たしていた。

  • Tammy Abraham ChelseaGetty

    タミー・エイブラハム(イングランド)

    ハリー・ケインとマーカス・ラッシュフォードの負傷はイングランド代表の他のフォワードには良いニュースのように思われていたかもしれないが、エイブラハムは代表争いから後退し始めていた。

    シーズン前半は大活躍していたが、クリスマス以降、調子は下降線をたどり、フル代表で活躍する能力があるかどうか疑問視されるようになったのだ。

    エイブラハムは2019年末のデビュー以来4試合代表でプレーしており、ガレス・サウスゲート監督のチームの将来に必要であることは明らかだ。

    エイブラハムにとって、最高の舞台でも活躍できることを証明する時間が増えたと言えよう。

0