Viktor Gyokeres vs Gabriel Jesus GFX 16:9GOAL

ギェケレシュか、ジェズスか――歴史的4冠を目指すアーセナルにふさわしいFWはどっち?

アーセナルは前節、ノッティンガム・フォレストと敵地でスコアレスドローに終わった。2位以下が勝点を落としたために差を広げることには成功したが、降格危機のチーム相手にヴィクトル・ギェケレシュはわずか10回のタッチにとどまり、ガブリエウ・ジェズスも途中出場で決定的な役割を果たせなかった。

しかしその直後、20日に行われたチャンピオンズリーグでは両ストライカーがネットを揺らし、難敵インテルを3-1で下した。これでリーグフェーズ2位以内を確定。敵地で会心の勝利を挙げている。

4冠の可能性を残す今季のアーセナルは、豊富な選手層を誇りうまく選手を入れ替えながら結果を残しているが、GK~中盤まである程度ファーストチョイスは固まっている。しかし最も重要であるストライカーのポジションは、未だ疑問が残されたままだ。

  • Arsenal v Leeds United - Premier LeagueGetty Images Sport

    「欠けていたピース」

    アーセナルが直近3シーズン連続で2位に終わっていることにはいくつか理由がある。最も不運なタイミングで主力選手が負傷したこともその一つだ。それを解消するためにも昨夏の移籍市場で大型補強を行い、今や選手層は世界最高峰だ。

    そして同時に、長年の課題である得点力あるストライカー獲得という重大な問題の解決も図ったのである。過去2シーズンの欧州主要10リーグで、ギェケレシュ(68得点)以上にネットを揺らした選手は存在しなかった。スポルティングCPから6400万ポンドで加入した彼は「欠けていたピース」、つまり2位止まりのチームを王者へと変貌させるために必要だった、決定力あるフィニッシャーとして期待されていたのだった。

    しかしチームが22年ぶりのタイトルへ邁進するなかで、ギェケレシュの貢献は驚くほど少ない。

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  • Liverpool v Arsenal - Premier LeagueGetty Images Sport

    20試合、5ゴール

    ギェケレシュのプレミアリーグ得点数は、20試合でわずか「5」。その内2つがPKによるものだ。ゴール以外の方法で存在感を放っていれば問題ないが、総合的に見てもあまり評価はできない。

    彼のプレー関与数は、度々それが少ないと非難されるアーリング・ハーランドと同程度である。だが、マンチェスター・シティのエースはそれを補って余りあるほどネットを揺らし続けている。では、ギェケレシュはどうだろうか? この2人の対比はあまりに残酷だ。

    ミケル・アルテタ監督は繰り返し、ギェケレシュの移籍の経緯から適切なプレシーズンを過ごせなかった点を指摘している。

    「最初の数週間は身体的にベストな状態ではなかったため困難だった。このリーグの他の選手同様、彼もそのレベルでプレーするにはプレシーズンが必要だ。しかし、我々も特定の状況下で彼をより深く理解し、調整を続ける必要があると認識している。彼自身も同じ努力をすべきだ。だが、それは時間の問題だろう。我々は全面的にサポートしている」

  • FBL-ENG-PR-BOURNEMOUTH-ARSENALAFP

    貢献

    先週のカラバオカップ準決勝チェルシー戦、3カ月ぶりにオープンプレーから生まれたギェケレシュのゴールをチームメイトは心から喜んでいた。選手たちは彼の貢献が見逃されていると思っている。デクラン・ライスは特に、スペースを生み出している点を挙げている。1月3日のボーンマス戦で2ゴールを奪った後、こう語った。

    「彼にとっては厳しい状況だね。試合中、常に2人のディフェンダーにマークされ、常にプレッシャーをかけられている」

    「だから彼は自分の強みを生かし、チームを助けるために全力を尽くさなければならないね。今夜の僕の最初のゴールも、彼がガブリエル・マルティネリのフリックから走り込み、ボールをキープしてマルティン(ウーデゴール)にパスを出さなければ生まれなかっただろう。それは試合の流れを一変させる、極めて重要な瞬間だったよ」

    「そして、彼が強烈なシュートを持っていることもわかっている。彼のためのスペースが生まれ、ボールが足元に届き、チャンスが訪れたとき、彼は100%ゴールを決めるよ。信じてほしい。彼は僕らのために信じられないほど素晴らしい働きをしているし、彼がいなければ今の順位はないんだ」

    しかし、そもそもチーム全体の攻撃力が不安視されている状況では、ギェケレシュの貢献を評価することは難しい。そうしたなかで、ジェズスの復帰は彼のポジションに脅威を与えている。

  • FBL-EUR-C1-INTER-ARSENALAFP

    ジェズスの活躍

    ギェケレシュの加入により、ジェズスのポジションは失われたと思われていた。スウェーデン代表FWの加入時点で半年離脱し、そこからさらに5カ月も戦線から離れることになる。12月の復帰が予想されていたが、契約が残り18カ月を切った彼が冬の移籍市場で退団する可能性について話されることは避けられなかった。

    しかし、今やアーセナルがジェズスを手放す可能性は皆無だろう。レンタル移籍すらあり得ない。ギェケレシュが依然として苦しむ中で、アルテタはカイ・ハヴァーツの出場時間を慎重に管理することを認めている。そして何より重要なのは、ジェズスがその価値を証明しているからだ。

    サン・シーロでのインテル戦、彼は2024年12月以来となるチャンピオンズリーグの先発で2ゴールをマークした。試合後、『Amazon Prime』で「夢のような夜だね。子供の頃から選手になることを夢見ていた。セリエAの試合をたくさん観てきたんだ。だからこのスタジアムでプレーし、ここで得点できたことは涙が出るほど嬉しいよ。良いことも困難なことも、全てには理由がある。11カ月もの間ピッチを離れていた間にそれを学んだね」と語っている。

  • FC Bayern München v Arsenal FC: Quarter-final Second Leg - UEFA Champions League 2023/24Getty Images Sport

    信念とエネルギー

    ジェズスは決して得点力のあるストライカーではなかった。プレミアリーグで約10年プレーしたが、1シーズンでの最多得点数は「14」。2桁得点を達成したのはわずか3シーズンしかない。マンチェスター・シティではウイング起用され、アーセナルではケガに悩まされたという事情はあるが、彼はシーズン30ゴールが期待できる選手ではないのだ。実際、アーセナルでの108試合で記録したゴール数はわずか「29」に留まっている。

    しかし、ジェズスがもたらすものは多い。アルテタは2023年、彼の加入の際に「我々の世界を変える信念とエネルギー」を称賛した。そして、この2つの性質はインテル戦で証明されている。指揮官は再び彼のメンタリティを称えている。

    「信じられない選手だよ。試合の重要度が高まるほど、より自然にプレーするんだ」

  • FBL-EUR-C1-ARSENAL-TRAININGAFP

    真価

    アーセナルがシーズン終盤の重要な試合でビッグゲームに強い選手を必要としていることは明らかである。近年リーグ優勝を「自ら逃した」と非難されてきた彼らの真価が問われる一戦で、試合を決める選手が必要だ。そうした部分を考慮すると、ジェズスの経験値と姿勢は、ギェケレシュより評価できるかもしれない。

    マルティネッリが以前指摘したように、他のアタッカーたちはジェズスとのプレーを好んでいるという。彼が「連携とローテーションを好んで行う」ため、前線に流動性が生まれるからだ。これは指揮官にとって非常に貴重な要素である。アルテタも「ガビには、周囲の人たちを突然結びつけるという非常に特別な資質がある。それはチームとして必要なものであり、我々をより良くしてくれる」と語っていた。

    もちろん、だからといってギェケレシュの出番がないわけではない。4つの大会を戦うというだけでも、ギェケレシュ、ジェズス、そしてハヴァーツ3人の力は絶対に必要だ。ジェズスもインテル戦後にこう語る。

    「誰もが先発を望んでいる。僕は非常に敬意を払う人間だ。もう子供じゃない。28歳だ。だからフットボールを理解している。ヴィクが途中出場してゴールを決めたのは、本当に嬉しい。僕が得点し、ヴィクも得点したことが何より嬉しい。カイもチャンスさえあれば必ず得点すると確信している」

    ジェズスの言葉は彼の性格を端的に表すとともに、今後数日、数週間、数カ月において、彼がどのような形で起用されようと、アーセナルにとってどれほど重要な存在となるかを浮き彫りにした。

    「僕の最大の強みは、チームがタイトルを獲得するために必要なことは何でもする覚悟があることだ。シティでは様々な役割を担ったね。時には得点の負担を分担し、時にはウイングでプレーし、また時にはフィジカルを活かしてプレーをつないだ。チームを助けるために常に9番(ストライカー)である必要はない。僕は天気を楽しむためにここにいるんじゃない。歴史を作るためにいるんだよ」

    アーセナルは25日、プレミアリーグ第23節でマンチェスター・ユナイテッドと激突する。これまでメンタリティの弱さが指摘されていた彼らにとって、今季こそ「違い」を証明する絶好の機会だ。そしてこの一戦では、それにふさわしいメンタリティを持った選手が起用されるべきだろう。今この時点で考えると、ふさわしいストライカーがどちらかは明白なように思える。

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