2017-09-20-TAGHeuerBanner

【YOUNG GUNS TALK/第4回】坪井慶介×杉岡大暉…ベテランとの融合で得る若手選手の“経験”と“成長”

■杉岡「ツボさんはみんなに安心感を与えてくれる」

原: まずは坪井に聞きたいんだけど、坪井から見て杉岡はどんな選手?。

坪井: 今年高卒1年目で、ポジションは左サイドのDFや左のワイドをやっていたりするんですけど、守備だけじゃなくて、パスやドリブルで、前に対しての推進力をもたらしてくれる選手だと思っています。

原: 性格は?

坪井: 一見暗そうなんですけど(笑)、みんなでふざけ合って、ワイワイとやるのが好きな選手ですね。

原: 杉岡はもともとFC東京だっけ?

杉岡: そうです。FC東京のジュニアユースにいました。

原: なんで市立船橋高校に行ったの?

杉岡: ユースチームに上がれなかったので、市船に誘ってもらいました。

原: 杉岡から見て坪井はどういう先輩なの?

杉岡: みなさんが知っているようにワールドカップに出場した選手で、プレー面では声で周りを動かしてくれるので、みんなに安心感を与えてくれるような選手ですね。生活面ではオンとオフの切り替えがしっかりしていて、みんなが尊敬していますね。

原: 浦和から湘南に来て、最初はどういうふうに感じたの?

坪井: 新鮮でしたね。初めての移籍というのもあるんですけど、みんなが非常にまじめに取り組んでいて。僕も浦和の時からわりとまじめに取り組むほうでしたけど、こっちに来たらそれがノーマルというくらいでしたね。

原: 杉岡は今年、U-20ワールドカップにも出たけど、あの大会はどうだった?

杉岡: やっぱり雰囲気は違いましたね。僕自身、代表の公式戦は初めてだったので、独特の雰囲気を感じられた大会でした。

原: チームを離れて、ポジションがなくなっちゃうという危機感もあったんじゃない?

杉岡: それはありましたね。だから、向こうに行っているときからその危機感を感じて、成長しなきゃと思いながら過ごしていました。

原: 坪井はもう38歳で長くプロ選手をやっているけど、浦和の時からも含めて、今の若い選手たちに対してどんな印象を抱いている?

坪井: そんなにマイナスなイメージはないですね。基本的にみんな物怖じしないなと。

原: それは、湘南の選手たち?

坪井: 全体的ですかね。Jリーグ全体です。若い頃からいろんな経験を積んでいるし、海外に目を向けている子も多いので。それがいい意味で日本のサッカーに影響を与えているのかなと。

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■坪井「抜擢してくれた監督に応えたいという気持ちでプレーしていた」

原: 杉岡は今19歳でしょ。38歳までやっている選手を見てどう思うの?

杉岡: 想像できないですね。本当にすごいと思います。

原: なにがすごいの?

杉岡: やっぱり、練習場に早く来て、しっかりとケアをしていますし、ツボさん(坪井選手)がいるから僕らも早く来なくちゃいけないのかなと思うので、そういうところは見習いたいですね。

原: 坪井のような選手が湘南に来てくれてよかったと思う?

杉岡: 本当に尊敬してますし、チーム全員がツボさんを見てやっているというか、ツボさんがやっているから、僕らももっとやらなきゃいけないって思いますね。

原: 坪井は逆に、若手から刺激を受けたりすることはあるの?

坪井: やっぱりどんなに年をとっても、ピッチに立ちたいと思っているので、自分より若い選手が試合に出ることによって、もっとやらなくてはいけないと感じています。そういう効果は必ずあるので、存在は大きいと思いますよ。

原: 杉岡は最近の若手には、どういう特徴があると思っている?

杉岡: 物怖じしないで、思い切ってやる選手が多いと思いますね。他の選手はよくわからないですけど、僕自身は物怖じするのが一番ダメなことだと思っていますし、チョウさん(曺貴裁監督)にもそう言われています。思い切ってやって、そこで失敗したりして成長していくものなのかなと思います。

原: 坪井は、2002年から浦和だよね。大卒1年目からレギュラーになって、当時はどういう想いでプレーしていた?

坪井: もう、必死でしたよ。

原: 必死だった? そういう感じを出さないから、あいつは何考えているのかなと対戦相手からしてみれば、不思議だったな。あえて必死さを出さなかったの?

坪井: それはちょっとありましたね。大卒1年目で、なめられたくなかったので。あとは、オフト監督の存在も大きかったですね。彼が監督じゃなかったら、はじめから出れなかったと思うんですけど、抜擢してくれた監督に応えたいという気持ちでプレーしていました。

原: あの時は、他に誰がいた?

坪井: CBの真ん中は井原(正巳)さんで、福田(正博)さんも最後の年でしたね。

原: 井原から学んだこともあったの?

坪井: 大きな存在でしたね。試合中によく声をかけてもらいましたし、安心感があったので僕も思い切ってプレーできる部分はありました。

原: 逆に今は自分がそういう立場になったわけだけど、杉岡と一緒にプレーする場合はどんな声をかけてあげる?

坪井: 僕が受けたようなのと同じような感じじゃないですかね。安心して、プレーしていいよ。抜かれたら俺がカバーしてやるから、思い切っていけってことじゃないですかね。

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■杉岡「来年が勝負だと思っている」

原: ここまで長くやれている秘訣ってあるの?

坪井: どうですかね。パーソナリティもあると思うんですけど。ただ僕自身、プロとして思うのは、たとえば杉岡みたいに試合に出始めると、多少なりともちやほやされるわけですよ。でも、そこで勘違いしちゃいけない。その部分は非常に意識してましたね。

原: たしかにいろんな人が知り合いのような顔して寄ってくるから。

坪井: もちろん自分のことを良くしてくれようとする人もいるので、一概に言えないですけど、そこをどう見極めるかが大事だと思います。

原: やっぱり坪井みたいに、謙虚で必死にやらないといけないわけだな。

坪井: もちろん、いきなりプロの世界だったので付いていくのが必死という部分もありましたし、自分が試合に出ることによって、試合に出られない人がいる。その人たちのことを思うと自分はいい加減なプレーはできない。そういう必死さもありましたね。

原: 杉岡も1年目で試合に出ているわけで、そういう部分での必死さを感じる?

坪井: そうですね。その部分に関しては自分が外から見ていても、一緒にピッチに立っていても、不満を覚えることは一切ないですね。

原: 杉岡は、勘違いしないで、必死にやれているの?

杉岡: そうですね。勘違いしないというのは、本当に大事なことだと思います。1年目から試合出ても、次の年に出られなくなってしまったら意味がない。僕自身は来年が勝負だと思っているので、続けてやっていきたいと思います。

原: 大丈夫そう?

坪井: 今のところは大丈夫ですね。ちょっと異常が発生してきたら、しっかり叩いていきたいと思います(笑)。

原: ここまでのキャリアの中で、坪井が一番プレッシャー感じた試合はなに?

坪井: プレッシャーは正直、今でも試合前は感じますね。もちろん、大きい、小さいは多少ありますけど。それで言えば、一番分かりやすいのは、やっぱりワールドカップですね。あれは、めちゃめちゃ緊張しましたから。

原: 何戦だったっけ?

坪井: 最初はオーストラリアです。僕はそれまでは世界大会の経験がほとんどなかったので、試合中は今まで感じたことのない身体の重さを感じましたね。

原: その時にどうしようと思ったの?

坪井: 正直、前半は全然ダメでしたね。力が入りすぎちゃって。これは今でもそうなんですけど、プレーが始まらないとなかなか解消できないもの。だから、ファーストプレーを大事にするように意識してますね。

原: 杉岡はプレッシャーを感じるタイプ?

杉岡: やっぱり試合に出させてもらっているんで、いいプレーをしなければ次も使ってもらえないというプレッシャーはありますね。いいプレーをしなくちゃとか、ミスをしちゃいけないとか。一時期はそういうプレッシャーを感じていました。

原: 具体的に、どういうどういうところでそれを感じたの?

杉岡: やっぱり、点に直結するような縦パスを無理に狙いすぎてしまったり、逆にミスしないように消極的なプレーが多くなってしまったり。

原: それが変わったのは?

杉岡: チョウさんにも指摘されたし、先輩方にも責任は俺たちが取るから、お前は思い切ってやれと言われたのが大きかったですね。それからはいい意味で、気楽にプレーできるようになりました。

原: まだ1シーズン終わってないけど、杉岡がプロとしてここまでやってきて、一番感じていることはなに?

杉岡: やっぱり、試合を重ねるなかで自信になっているものは多いですね。

原: Jリーグの印象はどう?

杉岡: どのチームも強いというか、勝っていても接戦が多いので、レベルの高さを感じますし、油断はできないと毎試合思っています。

原: 一方で、通用すると感じている部分は?

杉岡: 攻撃参加の部分ですかね。後ろから上がってクロスを上げたり、得点も3つ取れているので、そういうところはすごく自信になっています。

原: CBもできて、左サイドもできて、しかも左利きで。いいよな。

坪井: いいですね。うらやましいです(笑)。

原: やっぱり、いろんなポジションをやれるのは有利だよ。

杉岡: そうですね。それが武器だと思っていますし、どのポジションでもレベル高くやりたいと思います。

原: 先に向けて、こんなプレーヤーになりたいという目標はある?

杉岡: いずれは海外で、という想いもありますけど、今はまだ、そこまで明確には持ててないですね。

原: 今はまずJ1に上がって、結果を出すことだね。

杉岡: そうですね。ここで結果を残して、その先に行きたいなと思いますね。

原: 理想とするプレーヤー像はある?

杉岡: どのポジションでもレベル高くプレーできる選手ですね。あとは、身長もわりとあるほうだと思っているので、それを生かしてやっていきたいなと思います。

原: 理想の選手に到達するために心がけていることはなに?

杉岡: やっぱり左足の精度は武器にしなくちゃいけないと思っているので、そこは意識してやっています。

原: 坪井から見て、もっとこうしたらいいという部分はある?

坪井: 成長するために、どれだけ努力を続けていけるかじゃないですかね。目標はその都度変わってくると思うので、それに対して、自分が必要だと思うことを続けていくことですね。

杉岡: がんばります。常に満足してはいけないと思うので、やり続けていきたいですね。

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■杉岡「若手とベテランがうまく融合することが大事」

原: 今年からTAG Heuer YOUNG GUNS AWARDが始まったけど、これについてはどう思う?

杉岡: こういう賞ができたのは嬉しいですし、ぜひ選ばれたいと思います。

原: 残念ながら坪井は取れないけど(笑)。でも新人王は取ったよな。

坪井: そういうものは、もらったことがあります(笑)。

原: 若手にとって、モチベーションは上がると思う?

坪井: そうですね。それが目的で何かが大きく変わることはないと思いますけど、結果としてそういうものが後からついてくると、若手にとっては非常にいいことだと思いますね。

杉岡: そうですね。1年間、一生懸命頑張った結果として、そういう賞がもらえれば、うれしいです。もちろん、その賞だけを狙って頑張るというのはあまりよくないと思うので、変に意識せず、目の前のことを集中してやっていきたいです。

原: この賞のコピーは「革新は、いつだって若い世代から生まれる」っていうんだけど、そう思う?

杉岡: 若い世代が中心になればなるほど、サッカー界にとってはいいことだと思います。ただ、若手とベテランがうまく融合することが大事かなと。ベテランの選手が経験を伝えてくれて、それを受けて若い世代がしっかり成長していく。そういう関係性が一番いい形かなと思いますね。

坪井: もちろん、若手が革新を生み出すとは思うけど、そこは考え方。ベテランの選手も革新を生み出せるという気持ちを持ってやっていきたいですね。やっぱり、若い世代には負けたくないですから。

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【TAG Heuer YOUNG GUNS AWARD】
Jリーグの次世代を担う若い選手層の育成・Jリーグの発展を目的に、各メディア・著名人など、本企画に賛同するアワード サポーターが、J1、J2、J3のクラブに登録されているU-23選手の中から候補者30名を選出。その後、一般投票を含む最終選考にて11名を選抜、2017年12月に表彰する。
詳しくは こちら から

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