HD Emre Can Liverpool celebrate Klopp Lallana

「Yes We CAN」リヴァプールがライバルの取りこぼしにつけ入り、CL出場権確保へ

ヴィカレイジ・ロードにて、リヴァプールにとっての“マジシャン”フィリペ・コウチーニョを失ったのは、紛れもなく大きなダメージだ。しかし、最終的にはエムレ・カンがスーパーゴールを持って、敵地まで遠征したサポーターを慰めるに至っている。

週末に行われた試合でマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、そしてアーセナルといったライバルがポイントを落としたなかで注目されたのは、ユルゲン・クロップ率いるチームが敵地で結果を残せるかどうかであった。

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試合は伝統とは縁遠いものとなり、エンターテイメント性にも欠けていたことは確かだが、リヴァプールが出した答えは強烈なものであった。

 “チャンピオンズリーグ決勝を戦っているような気持ちでピッチに入る“ことをタスクとしているワルテル・マッツァーリ率いるワトフォードを抑えるには、相手の荒っぽさにも上手く対処しなければならないことをレッズは承知していたのである。ピッチに立つこととなった14人はプレーで示してみせた。

その結果として、リヴァプールはこれまで成し得なかったアウェー3連勝を決め、彼らより順位が下のチームにプレッシャーを与えることに成功した。消化試合が1つ少ないシティとは3ポイント差とし、同じく1試合少ないジョゼ・モウリーニョ率いるユナイテッドとは4ポイント差、そして2試合少ないアーセナルを9ポイント離している。

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クロップ監督就任以来、リヴァプールはプレミアリーグで連敗をしておらず、月曜日の夜にも記録を途切れさせるわけにはいかなかった。ドイツ人監督はワトフォードがフィジカルを全面に押し出したアプローチで挑んでくると試合前から予想し、11人に知恵を授け、そして鼓舞することも怠らずにピッチへと送り出した。しかし、ケガをさせることも致し方なしとしているかのようなワトフォードのアプローチには少々面食らったかもしれない。

開始から5分以内にディヴォック・オリギとコウチーニョがピッチ上で苦悶の表情を浮かばされた。オリギはワトフォードのセンターバック、セバスティアン・プレードルを交わそうとしたところを倒され、コウチーニョはアドリアン・マリアッペの膝を右腿に浴びている。オリギがすぐに何事もなく立ち上がったのとは対照的に、コウチーニョは運が悪かった。ダメージはかなり大きく、レッズのアイドル的存在の10番は交代を余儀なくされている。今シーズンのリヴァプールを象徴しているようなことであるが、キープレーヤーがケガから戻ってきたら、また違う選手が負傷者リストに名を連ねるということの繰り返しがまたここでも起こってしまった。

HD Phil Coutinho injuryGetty

「コウチーニョは足に痺れがあるようで、深刻なものではないことを祈るが、ひどい痛みであれ以上プレーを続けることはできなかった。見ていた人はみな彼がなんとか続けようとしていたのは分かったと思うが、それは無理なことだったね」

試合後にそうクロップは説明した。

3月のイングランド代表での活動期間中に太腿にケガを負い、3月19日のマンチェスター・シティ戦以来、プレミアリーグの舞台から遠ざかっていたアダム・ララーナがコウチーニョに代わって投入された。

そのララーナが卓越した技術をいかしたシュートを披露してゴールポストを叩いた以外、前半はまったくもって悲惨な状況だった。

HD Emre Can goal

しかし、その後にカンからゴールが生まれた。それは、年間ベストゴールに間違いなく選ばれるほどのものであった。リヴァプールは右サイドでのポゼッションからララーナ、オリギ、そしてルーカスへとパスをつないだ。アンカーを務めるルーカスはカンがペナルティーエリア内のスペースに走りこんでいるのを見つけ、そこに浮き球を送る。ノルディン・アムラバトもマークについていたが、カンは高く飛び上がりながら、ボールを捉え、アクロバティックかつビューティフルなバイシクルシュートを突き刺さした。

「できることならもう一回見たいね。みんながあのシュートについて話しているよ。たった1回見ただけだが、かなり素晴らしいものだったね。ただ、少しばかり私は振り返るのが早かったみたいだ。ゴールを確信していたところもあったからね」

クロップは試合後にそのように語った。

HD Jurgen Klopp LiverpoolGetty

オリギ、ララーナ、そしてダニエル・スタリッジはリードを広げるチャンスをつかんだが、ワトフォードのゴールネットを揺らすことはなかった。一方で、シモン・ミニョレはエティエンヌ・カプーのミドルシュートを素晴らしいセーブで防いだ。ベルギー人守護神は、ワトフォードの激しいプレーを素晴らしいセーブの数々で封じ、中央を守るデヤン・ロブレンとジョエル・マティップも手堅いプレーを見せた。

最もヒヤリとさせられたのは、95分にファーサイドでフリーになったプレードルがゴールから至近距離で放ったシュートがバーに直撃したシーンであった。これには好セーブを見せていたミニョレも、お手上げというように両手を挙げる反応のみで、ボールの行方を見て、安どしたことだろう。

クロップも彼らしいユーモアを交えた表現で、肝を冷やしたことを明かす。

「試合後に選手たちにはこう話したんだ。『私のことを殺したいのなら、ああいうのがいい方法だ』ってね。本当にクレイジーだ。あんなことでは5億本の白髪が生えてしまう」

リヴァプールとクロップはホッと胸をなでおろし、信じられないような素晴らしいゴールと最高の結果を手に入れた。

文=メリッサ・レディ/Melissa Reddy

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