現地時間28日、カタール・ワールドカップ(W杯)はグループBの第2節が行われ、イラン代表とアメリカ代表が対戦した。
初戦でイングランド代表に6失点大敗を喫したものの、続くウェールズ代表戦では2-0と快勝し2位につけているイラン。一方、ウェールズとイングランド相手に2試合連続ドローで3位につけているアメリカ。政治的背景の色濃い両国だが、イランとしては引き分けでも決勝トーナメントに進出できる可能性があり、アメリカとしては勝利が絶対条件という置かれた状況の違いがある。
ボール保持ではアメリカが上回る展開となるが、イランも鋭いカウンターからアズムンとタレミがチャンスを作る。アメリカはマッケニー、ロビンソン、プリシッチが絡む左サイドからの攻撃が目立ち、1トップのサージェントにボールが収まる場面も増えていく。
28分にはプリシッチからのクサビのパスを受けたサージェントが強引にシュートを放つと、DFに当たって空中に浮いたボールをゴール前のウェアが頭で押し込む。しかし、これはGKベイランヴァンドの正面。
その後も攻勢を続けるアメリカは38分、マッケニーの浮き球パスをペナルティーエリア内右に走り込んだデストが頭で折り返す。これをゴール前に走り込んだプリシッチがGKベイランヴァンドとの接触を恐れずにトップスピードで押し込み、アメリカが先制に成功する。
前半終了間際にはマッケニーのスルーパスに抜け出したウェアがゴール右へと流し込んだが、これはオフサイドの判定によりノーゴール。アメリカが1点をリードして試合を折り返した。
前半のシュート数が0本で終わったイランは、アズムンに代えてゴドスを後半のピッチに送り出した。一方のアメリカも、先制ゴールの場面でGKベイランヴァンドと激しく接触して痛めていたプリシッチが下がり、アーロンソンが投入された。
追いつき対イランは51分、右サイドからのクロスにゴドスが頭から飛び込む。これはゴール上へと外れるが、イランにとってはこの試合最初のチャンスだった。
65分にも右からの折り返しをゴドスが押し込み、ゴール右へとわずかに外れる決定機を作り出したイラン。ようやくエンジンのかかってきたイランに対し、アメリカはマッケニーを下げてアコスタを投入する。
1点を追うイランの攻勢が続く中、アメリカは82分にウェアとデストを下げてムーアとジマーマンを投入し逃げ切りを図る。ウェールズ戦ではアディショナルタイムに2ゴールを挙げているイランだけに、最後まで何が起こるか分からない。
9分ものアディショナルタイムが取られ、追いつきたいイランがボールを保持してアメリカン陣内へと攻め入る。しかし、アメリカもゴール前を固めて簡単にはチャンスを作らせない。
最後までイランにゴールを許さなかったアメリカが、2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。
グループBのもう1試合では、イングランドがウェールズを下して勝ち点7で首位通過を果たした。イングランドはグループAで2位となったセネガルと、アメリカはグループAを首位通過したオランダと対戦する。
■試合結果
イラン 0-1 アメリカ
■得点者
イラン:なし
アメリカ:プリシッチ(38分)