イギリスの著名記者ヘンリー・ウィンター氏は、2026年ワールドカップのチケット価格を痛烈に批判している。
先日にはグループステージの組み合わせ抽選会が終了し、いよいよ開催が迫る2026年ワールドカップ。そして11日、FIFA(国際サッカー連盟)は第三回のチケットを販売開始したが、決勝戦の最低価格は4185ドル(約64万9000円)に。2022年のカタール大会(602ドル)から約7倍に跳ね上がっている。また、参加加盟協会(PMA)の販路でグループステージから決勝戦まで1つの代表チームの試合をすべて観戦した場合、最低でも6900ドル(約107万円)が必要になるという。
フットボール・サポーター・ヨーロッパ(FSE)などが販売中止を求める声明を発表するなど、今回のチケット価格には強烈な反発の声が各地で上がっているが、ウィンター氏も自身のSNSで痛烈に批判。「FA(イングランドサッカー協会)がFIFAとの争いに真剣に取り組んでくれることを期待したい」としつつ、以下のように綴った。
「イングランドが決勝に進んだ場合、全8試合で5000ポンド(約104万円)。到底受け入れられない。むしろ不道徳だ。FAもきっと理解している。待ち受ける様々な困難な場面で支えてくれるファンだが、彼らはチケット代だけでなく、移動費や宿泊費、税金など様々な費用を負担する。莫大な資金を使わなければならない」
「これはFIFAの貪欲さだけでなく、世間知らずさも露呈している。真のファンを入場料によって締め出すことは、人種差別問題すら引き起こす可能性もある。いつもスタジアムの熱狂を生み出してくれる存在がいなければ、雰囲気も失われる。テレビ局はそれを嫌うだろう。サポーターが作り出す熱狂的な雰囲気に、FIFAは巨額資金を支払っているにも関わらず」
「FIFA側は、資金はすべてフットボールに再投資すると主張している。だが、なぜフットボールを特別なものにする人々を疎外するのだろうか? クラブワールドカップのように空席だらけの状況を想像してほしい。FIFAは、ジョック・ステインの偉大な格言を忘れている。『ファンのいないフットボールに価値はない』。ファンを現金自動預払機のようではなく、きちんと扱うべきだ。さもなければ、2026年ワールドカップは“企業大会”になってしまうだろう」
そして「FIFAのスローガンは『試合のために。世界のために』。『少数のため』ではない」と締めくくり、今回のチケット価格を厳しい言葉で非難した。
