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リヴァプール加入の遠藤航は「カイセドより良い買い物に」?英記者が持論「アジアは過小評価されているが…」

■欧州クラブでキャプテンを務めたことを評価

リヴァプールへ移籍した日本代表MF遠藤航について、イギリス『ガーディアン』が分析している。

今夏の移籍市場で中盤の強化に動いていたリヴァプール。しかし、獲得に動いたとされるモイセス・カイセドやロメオ・ラヴィアはチェルシーとの争奪戦に敗れることに。すると、シュトゥットガルト主将の獲得を一気に決めた。遠藤は、プレミアリーグ第2節ボーンマス戦(3-1)で途中出場から早速デビューを果たしている。

しかし、プレミアリーグ内では名前の知られた存在ではない遠藤の獲得には、現地で疑問の声も上がっている。『ガーディアン』のジョン・デュエルデン記者は「パニック・バイとの指摘もあるし、ある新聞は“最初の感覚は嘲笑や絶望さえ混じったショック”とまで伝えていた」としつつも、以下のように称えた。

「これらは、遠藤航の加入が期待外れだという反応を示している。カイセドを逃した後、30歳の選手が加入したわけであり、その移籍にはある種の魅力や興奮が欠けているのは確かだ。彼がアジア人で、フットボール的には主要な場所ではない地域の出身であることも、依然として過小評価されている理由だろう。彼がアルゼンチンやフランス、ドイツの出身であったならば、もっと歓迎されていたかもしれない」

「だが、彼は万能型の守備的MFとしてトップクラスであり、シュトゥットガルト内では最高の選手だった。ブンデスリーガでの過去2シーズンで、同ポジションで最多の空中戦勝利数やクリア数を誇り、ボール奪取数はトップクラスであり続けている。それだけでなく、タッチ数、タックル数、パス数も2位になっている」

「そして欧州5大リーグのクラブでキャプテンを務めることは、ピッチ内外での文化の違いを考慮すると、アジア人にとって並大抵の偉業ではない。プロ意識とリーダーシップの賜物だ」

■アジアは過小評価されている?

その一方で同記者は、「ソン・フンミン(トッテナム)や三笘薫(ブライトン)の努力と才能にもかかわらず、アジアサッカーは必ずしもそれに値するリスペクトを得ているわけではない。ソンは世界で最も過小評価されている選手と言われるが、アジアはいまだトップレベルの選手が育つ場所と認識されておらず、日本も真の意味で強豪国と見られていない」と、アジア出身選手は正当に評価されていないと指摘。しかし、「ある意味(遠藤への)こうした反応は、アジアから到着するたびにシャツの売上や新規ファンの熱狂に歓迎されてきた過去からの進化とも言える」とし、以下に続けている。

「アジアは自らをもっと宣伝できるはずだ。Kリーグや特にJリーグは、ベストプレイヤーがヨーロッパへ移籍するのを全力で支援し、時には非常に安価な金額で送り出してきた。しかし、それは国際舞台において才能あるスターを最初から過小評価することに繋がることもあった。おそらく最悪なことは、アジアのファンからメディア~放送局まで、自分たちの地域の他の場所で何が起きているかにあまり注意を払っていないこと。他の地域にリスペクトを示さなければ、他の地域がそうしなくても不思議ではない」

そして「遠藤はヨーロッパレベルで優れた素質を持っており、本物のバーゲンになる可能性もある。そうだ、カイセドより遥かに良い買い物となる可能性だってある。イギリスでよく知られた名前ではないかもしれないが、カイセドだって最初はそうだった。プレミアリーグでの活躍を通して名声を高めていたが、遠藤の目標はそれになるだろう」と締めくくっている。

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