現地時間12日、EURO(ユーロ)2020はグループAの第1節が行われ、バクー・オリンピックスタジアム (アゼルバイジャン)でウェールズとスイスが対戦した。
前日の開幕戦で会心の勝利を収めたイタリアに続きたい両者。ベイル、ラムジー、アレン、ダニエル・ジェームズらを擁するウェールズと、ジャカ、シャチリ、エンボロらが先発したスイスの一戦は、立ち上がりから互いに攻め合う見応えのある展開となる。
最初のチャンスはウェールズ。15分、左サイドで縦に仕掛けたジェームズの折り返しを、ゴール前のムーアが頭で合わせる。これはGKゾマーがかろうじてゴール上へとはじき出した。
すると今度はスイスも魅せる。20分、右CKをニアサイドに飛び込んだシェアがヒールで上手く合わせるが、これはGKウォードが素晴らしい反応ではじいてこちらもゴールを割らせない。
徐々にペースを掴み始めたスイスは24分、クロスのこぼれ球を拾ったジャカがペナルティーエリア手前からボレーで捉える。得意の形だったが、これはゴール右へ。27分にはペナルティーエリア手前でゴールを背にしてボールを受けたセフェロヴィッチが、振り向き様に左足でシュート。しかし、これも枠を捉えることができない。
70%近いボールポゼッションを誇るスイスは前半終了間際、ゴール前でボールを受けたエンボロのポストプレーから、走り込んだセフェロヴィッチがダイレクトでシュート。しかし、これも枠を外れ、互いに無得点のまま試合を折り返した。
すると後半、立ち上がりに試合が動く。49分、最前線でボールを受けたエンボロが反転して1人で仕掛け、DF2人を振り切ってそのままシュートへ。これはGKウォードがはじいてピンチをしのいだが、この右CKをエンボロがロバーツに競り勝って頭で叩きつけ、攻勢のスイスが先制に成功する。
先制を許したウェールズは、ジェームズとベイルの個人技を生かしたカウンターとセットプレーに活路を見出す。すると迎えた74分、ショートコーナーからモレルの右クロスをニアサイドのムーアが頭で合わせ、ウェールズが同点に追いつく。
66分にシャチリを下げてザカリアを投入していたスイスは、それまでのようにボール保持で思うように試合をコントロールできなくなり、追いついたウェールズはジェームズを下げてブルックスを投入する。交代に納得のいかないジェームズが苛立つ場面も見られたが、ウェールズが流れを掴みつつある展開に。
スイスは85分、交代で入ったばかりのガブラノヴィッチが、エンボロが頭で繋いだパスに抜け出してネットを揺らす。ファーストタッチでチームを勝利に導くゴールを挙げたかと思われたが、これはVARの結果、オフサイドによりノーゴールとなった。
さらに90分には右CKをエンボロが頭で合わせるが、GKウォードがかろうじてゴール上へとはじき出し決勝点は生まれない。アディショナルタイムの5分間も互いに決勝ゴールを目指したが、スコアは動かず1-1のドローに終わった。
■試合結果
ウェールズ 1-1 スイス
■得点者
ウェールズ:ムーア(74分)
スイス:エンボロ(49分)