現地時間10日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)はカタールで準々決勝が開催され、ヴィッセル神戸は水原三星(韓国)と対戦した。
ベスト16で上海上港(中国)を下し、日本勢唯一のベスト8入りを果たした神戸。横浜FMに逆転勝ちで上がってきた水原三星とはグループリーグで対戦しており、それぞれアウェイで1勝ずつ。結果的には神戸が首位、水原三星が2位でベスト16に駒を進めた。
この大一番で、ベスト8進出の立役者となったイニエスタが右足を痛めてベンチからスタートとなった神戸は、立ち上がりから苦戦を強いられる。
開始5分、キム・ミヌのパスをコ・サンボムがワンタッチで流し、ペナルティーエリア内右に抜け出したイム・サンヒョプのシュートはGK前川がゴール上へとはじき出す。
最初のピンチをしのいだ神戸だったが、続く7分、コ・サンボムの右クロスはゴール前で待つイム・サンヒョプに飛ぶが、その手前でシャドーの位置から走り込んできたパク・サンヒョクが頭で合わせる。意表を突かれたGK前川は一歩も動けず、叩きつけられたヘディングがゴール左へと決まって水原三星が先制する。
14分にもカウンターからイム・サンヒョプがシュートまで持ち込むなど、15分までに5本ものシュートを打たれてしまった神戸。追いつきたいものの、水原三星ゴールに近づくことができず、25分に郷家が放った枠外へのミドルシュートまでファーストシュートを打つことができなかった。
神戸は徐々にボールポゼッションを高めていくが、依然として水原三星の築く守備ブロックの外でのパス回しが多く、水原三星を脅かすような攻撃ができない。
そんな中で迎えた35分、ドウグラスの浮き球パスに抜け出した西がキム・テファンに倒されてPKを獲得。しかし、ここで主審は異なる選手にイエローカードを出す。その後、オンフィールドレビューの結果、足のかかった位置がエリア外となってFKに変わり、イエローカードもキム・テファンへのレッドカードに訂正された。
するとこのFK、ドウグラスが跨いだ後に古橋が右足で狙うと、壁の下をすり抜けたボールがゴール左へと決まり、神戸が数的優位を得るとともに試合を振り出しに戻した。
退場者を出した水原三星が全員守備で逃げ切り、1-1のまま迎えた後半、神戸は西を下げて小田を投入。水原三星もパク・サンヒョクとイム・サンヒョプを下げてク・デヨンとキム・ガニを投入し、まずは10人での守備ブロックの構築を図る。
後半は1人多い神戸がボールを保持して攻勢に出る。58分、右サイドからのFKにドウグラスが頭で合わせるもゴール上へ。61分にはゴール正面の位置でFKを与えてしまうが、キム・ミヌの強烈なキックは壁に入っていたドウグラスが頭で跳ね返しピンチをしのぐ。
自陣に引きこもってスペースを消す水原三星に対し、神戸は攻めあぐねる時間帯が続く。逆に前からの守備が噛み合わず、カウンターからあわやという場面も。
73分、郷家のポストプレーから山口がボレーで狙うも、これはGKの正面。さらに74分には山川の右クロスをゴール前のドウグラスが頭で合わせる。しかし、ピタリと合ったヘディングはゴール右へとわずかに外れてしまう。
勝ち越したい神戸は78分、後半から投入された小田に代えて初瀬を投入。変わらず水原三星陣内で試合を進める神戸だが、崩しの一手が足りず、拮抗した攻防が続く。85分には酒井の左クロスをドウグラスが頭で合わせ、これがGKの手前にいた古橋の背中に当たってコースが変わる。しかし、これもGKヤン・ヒョンモが横っ飛びで防いだ。
するとアディショナルタイムに水原三星に決定機。スルーパスに抜け出したキム・ガニがフェルマーレンと入れ替わり、GKと1対1に。しかし、ここは飛び出したGK前川がコースを消してブロックし、1-1のまま勝負は延長戦へと持ち込まれた。
延長戦で安井に代えて藤本を投入した神戸は95分、左サイドから右足で入れた初瀬のクロスが、古橋の頭上を超えて右のポストを叩く。さらに96分には、最前線でボールを奪った古橋が飛び出したGKを見て横パスを選択。ここにはドウグラスが待ち構えていたが、滑り込んでのシュートは上手くミートできず、戻ったDFにクリアされてしまう。
立て続けの決定機を決めきなかった神戸は1-1のまま迎えた延長後半、開始早々にドウグラスのポストプレーから古橋が狙うも、わずかにゴール左へ。
攻めあぐねる神戸、全員で守る水原三星の拮抗した展開が続く中、113分に郷家を下げてイニエスタを投入。しかし決定機を作り出したのは水原三星。116分、117分と立て続けに決定機を得るも、神戸はGK前川の好守とDFの身体を張った守備でしのぎ切る。
神戸は投入されたイニエスタが負傷の影響からかほとんどプレーに関与できず、水原三星から決勝点を奪えないまま延長戦が終了。勝敗の行方はPK戦に委ねられた。
互いに5人全員が成功させ、迎えた7人目。先攻の水原三星はチャン・ホイクがゴール上へと外してしまう。後攻の神戸は藤本が冷静に決め、7-6でPK戦を制した神戸がベスト4進出を決めた。勝利した神戸は13日に準決勝で蔚山現代と対戦する。
■試合結果
ヴィッセル神戸 1(7PK6)1 水原三星
■得点者
ヴィッセル神戸:古橋(40分)
水原三星:パク・サンヒョク(7分)
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