20240405 Oleksandr Zinchenko(C)Getty Images

「徴兵されれば戦争に行く」ジンチェンコが母国ウクライナへ思い「今以上にウクライナ人であることに誇りを持つことはできない」

アーセナルに所属するウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコは、徴兵されれば母国のために戦うことを辞さないと語った。

2022年2月末から始まったロシア軍によるウクライナ侵攻。2年以上たった現在でも軍事行動は続いており、市民にも多大なる被害が出ている。これを受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先日に今後の戦いに備えて戦闘任務に動員できる年齢を27歳から25歳に引き下げる法案に署名した。

昨年12月に27歳の誕生日を迎えたジンチェンコも戦闘任務を命じられる可能性がある中、同選手はイギリス『BBC』でのインタビューの中で徴兵された場合の対応について問われ「明白な答えがあると思う。僕は戦いに行く」と答え、思いを語った。

以下に続く

「(友人たちが前線で戦っていることについて)僕たちがこの前まで一緒の学校で過ごし、校庭やフットボール場でプレーして、そして今彼らが僕たちの国を守らなければならないことを理解することは簡単なことではない。正直、このことを受け入れるのはとても難しいことだけど、仕方のないことだ。僕たちには諦めることなんてできない」

「おそらく一部の人たちはウクライナではなくここ、ロンドンにいる僕の状況がかなり楽なものだと考えているかもしれないことを理解している。僕はこの戦争がすぐに終わることを強く願っている」

自身のキャリアをロシアでスタートさせたジンチェンコだが、ロシア軍のウクライナ侵攻以降、ロシアにいる友人や元チームメイトたちとの交流は一切ないとも明かした。

「侵攻以降、本当に少しのメッセージが届いたけど、僕は2022年2月以降、すべての交流をやめた。彼らは僕にいくつかのメッセージを送って来たし、これは彼らの責任ではないから、彼らを責めることはできない。それに、彼らに対して“みんな、外で抗議しろよ”と言うこともできない。彼らが捕まることを理解している。でも、僕はロシアの人たちに疑問を持っている。表現の自由がまったくない国でどうやって生きているんだ?」

「ロシア人はウクライナ人のことを兄弟とか姉妹とか言っているけど、今回の侵攻は僕たちウクライナ人全員が彼らとこれ以上友人にはなれないことを示している。僕たちは彼らが僕たちに対してやったことを絶対に忘れない。それに、僕の子供たちにもこのように教え、僕の子供たちは彼らの子供たちに同様に教えるだろう。これは絶対に受け入れられないことだ」

また、ロシア軍の侵攻が始まってから総額100万ポンド(約2億円)以上を母国ウクライナの難民を支援するために寄付したことを明かしたジンチェンコは自身にできる役割についても語っている。

「今、僕がやるべきことは何だ?母国のために、みんなのためにどうやって僕にできる限りの支援ができるんだ?僕は今以上にウクライナ人であることに誇りを持つことはできない。この戦争がすぐに、すぐに終わることを夢見ている。そして、僕たちが望んでいるように僕たちのウクライナを再建することができるはずだ」

広告