20200711_Alianz Arena_Rainbow(C)Getty Images

UEFAの“レインボーカラー点灯”禁止で反響拡大…ドイツ5つのスタジアムが虹色に

欧州サッカー連盟(UEFA)は、現地時間23日に行われるユーロ(EURO)2020のグループF最終節ドイツvsハンガリーの試合でのミュンヘン市のアリアンツ・アレーナがレインボーカラーにライトアップされることを認めず。ドイツ誌『キッカー』は、「UEFAのオウンゴール」と表現し、試合当日には少なくとも国内の5つのスタジアムがLGBTコミュニティを象徴する虹色に染まると伝えている。

ハンガリーのビクトル・オルバン首相率いる右派政権は先日、同性愛や性転換に関する情報を18歳未満に対して広めることを制限する改正法案を議会に提出し、可決されたことが国内外で波紋を呼んだ。ミュンヘン市議会は、ディーター・ライター市長が「コスモポリタニズムと寛容のためのメッセージ」としてハンガリー戦が行われるアリアンツ・アレーナを試合当日レインボーカラーにライトアップすることを考案し、UEFAに認めるよう要請を出していた。

しかしUEFAは22日、「憲章上、政治的及び宗教的に中立な組織。今回の特殊な要請は政治的な背景を有するため、ハンガリー議会の決議に対するメッセージである以上、UEFAは拒否せざるを得ない」と認めず。また、ミュンヘン市にはLGBTコミュニティがパレードなどイベントを行う「『クリストファー・ストリート・デイ』(CSD)の28日、あるいは『クリストファー・ストリート・ウィーク』にあたる7月3日~9日にスタジアムをレインボーカラーにライトアップすることを提案した」と試合予定がない日でのライトアップを提案したことを伝えた。

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このUEFAの決定により、より多くのクラブが抗議運動に参加することに。すでにフランクフルトやケルンは23日にそれぞれのスタジアムをレインボーカラーにライトアップすることを宣言していたが、『キッカー』によると、ヴォルフスブルク、アウクスブルク、そしてヘルタ・ベルリンの本拠地オリンピアシュターディオンを運営するベルリン市も続くという。

また、ドイツCSDの実施母体はアムネスティ・インターナショナルの協力の下、アリアンツ・アレーナ内でレインボーカラー・フラッグを1万1000枚用意する予定。ミュンヘン市はスタジアムの代わりに市内で最も高い建築物であるオリンピアトゥルムをライトアップすることを計画。さらにドイツの民放TV『Pro Sieben』はこの日の放送ではロゴを虹色に変えることを明かしている。

なお『キッカー』は、UEFAのミュンヘン市に対する禁止令を「オウンゴール」と裏目に出たとし、ドイツほぼすべての政党からのスタジアムの虹色ライトアップを支持し、UEFAの決断を批判する声を紹介。試合に向けてさらなる反響拡大を予想している。

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