欧州サッカー連盟（UEFA）は17日、今夏に開催予定だったEURO2020を12カ月間先に延期することを正式発表した。2021年6月11日から7月11日の開催を予定している。
現在、新型コロナウイルス感染拡大により5大リーグを含む多数のスポーツイベントが中断を強いられている。そんな中、UEFAは17日に加盟55協会と欧州クラブ協会、国際プロサッカー選手会（FIFPro）などの代表者と共にビデオカンファレンスを実施。競技と財政両面を考慮する必要がある中で今夏のEURO2020開催についても協議し、最終的に延期が決定した。
今回の決定についてUEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は「ファン、スタッフ、選手たちの健康は、我々のファーストプライオリティでなければなりません。UEFAは様々なオプションを検討しました。欧州各国の反応は本当に誇らしいものでした。犠牲も伴う中、そこには本当に協力の精神がありました」との声明を出した。
今夏のEURO2020の開催可否に関しては、中断を強いられている各国リーグ戦を代表戦よりも優先消化すべきとの意見が根強く、延期を強いられる見込みであると報道されていた。EURO2020が延期となったことで今季主要リーグのシーズンを終えるうえでは、スケジュールが緩和されることとなる。
一方で、元『BBC』記者の『The Athletic』デイヴィッド・オーンステイン記者が「UEFAはEURO延期に伴い、各国リーグやクラブ対して3億ユーロ（約357億円）の補償金を要求するだろう」と指摘していたように、いずれにせよ経済面でも大きな影響を及ぼすことになるのは間違いない。
今回のEUROは、イングランドとアゼルバイジャン、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、イタリア、オランダ、アイルランド、ルーマニア、ロシア、スコットランド、スペインの欧州12カ国で、6月12日から7月12日にかけて分散開催される予定だった。延期に伴い、2021年夏に開催予定のFIFAクラブ・ワールドカップやU-21欧州選手権との兼ね合いなど、様々な調整を強いられることになるが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、決断は下された。
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